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拾ってくれませんか?二十話後編


しばらくした後、5人は一度家の中に入った。

○○と彩を部屋に入れて、3人で話し合うことになった。

○○母)あなたが、新内さんですね?

○○父)秋元先生から、話は聞いてます。

眞衣)はい、新内眞衣と申します。あの、○○くんの件は…

そう言いかけたところで、両親は頭を下げた。

○○母)本当に、ありがとうございました!

○○父)あなたのおかげで、○○は助かりました!

眞衣)え?

眞衣はどんなひどいことをされてもいい覚悟だったため、驚いた。

眞衣)頭を上げてください!私は、勝手に○○くんを誘拐して…

○○母)いえ、誘拐なんかじゃないです。あなたの○○の救世主です。

眞衣)じゃ、じゃあ、私を訴えることは…

○○父)そんなことするはずがありません!ほんとに、なんとお礼をしたら良いか…

眞衣)よ、よかった〜…


眞衣は安心しきって机に突っ伏した。

○○母)あの、これからの件なのですが、

眞衣)あ、はい!

○○父)息子は、あなたのことをとても好いているみたいで、よろしければ、これからも家に遊びに来てください。

眞衣)え、いいんですか?!あ、でも…

○○母)どうかされましたか?

眞衣)誘っていただいたのは大変嬉しいことですが、すみません、お断りさせていただきます。

○○父)それは、何か理由が…?

眞衣)あの子、私のことを本気で好きみたいなんです。でも、私みたいなおばさんがあの子の将来を奪うことなんてできません。
これから高校生や大学生になって、いろいろな出会いがあると思います。その出会いを大切にしていってほしいんです。だから、私はもう、○○くんとは会わないようにしようかと。

○○母)会うことくらいなら、大丈夫なのではないですか?

眞衣)いいえ。実は、私も○○くんのことが好きなんです。すごく純粋で、可愛くて、大人で…そんな○○くんのことが私も大好きです。だからこそ、これ以上○○くんと会うと辛くなるんです。
初めて○○くんを拾った時、私はあの子の母親になると決めました。でも、今は母親になる必要はない。だからこそ、自分の気持ちが止められなくなってしまうと思うんです。これは○○くんのためでもあり、自分のためでもあります。○○くんには、幸せになってほしいので。


○○母)そう、ですか…新内さんがそこまで言うのなら、わかりました。

眞衣)それじゃあ、○○くんの荷物をまとめてきますね。学校の手続きなどもありますので、また数日後にお伺いします。

○○父)本当に、ありがとうございました!

○○母)ありがとうございました!


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それから○○の荷物をまとめたり、学校の編入手続きなどをした。

日奈子)それじゃあみんな、最後に○○くんに挨拶しようね!せ〜の!

「またね〜!」

○○)ありがとう〜!

○○はいろんな子たちからプレゼントをもらっていた。

○○)料理部のみんなにも、お礼言わないと…。

○○は料理部の部室へ向かった。

○○)みんな!

咲月)○○くん!

美空)○○くん!

蘭世)本当に、行っちゃうんだね。

○○)はい、お世話になりました。

蘭世)またいつでも遊びにおいで?みんな待ってるから。

○○)はい!

美空)待って!


○○)うん?

咲月)最後に、伝えたいことがあって…

○○)いいよ。

美空)あのね、私、○○くんのことが大好きなの。だから、付き合ってください!

咲月)私も○○くんのこと大好きです。付き合ってください!

2人は同時に告白した。

○○)…ごめんなさい。僕、好きな人がいるんだ。

美空)もしかして、にゃぎ?

○○)ううん、眞衣さん。

咲月)眞衣さん?!

○○)うん。でも眞衣さんは僕のこと息子みたいに思ってるみたいだから、無理だろうけど…でも、2人のことは本当に親友だと思ってる。だから、またどこかで会おうね!

美空)○○くん…うん!

咲月)約束だよ?


○○)うん!

蘭世)ふふっ、子供ってほんとにいいわね〜…

麻衣)そうね〜。

蘭世)深川先生?!

麻衣)○○くん、いい子だったでしょ?

蘭世)はい、すごくいい子でした。


麻衣)私たちも、○○くんに恋してたのかもね〜。

蘭世)ふふっ、そうかもしれませんね笑

沢山の人に見送られながら、○○は学校を後にした。




To be continued……

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