主人公補正OVA 12話後編
○○)……。
飛鳥)……。
結局、元の体勢に戻って2人で本を読む。
飛鳥先輩は本当にこれでいいのだろうか?
飛鳥)……。
真剣な表情で本を読んでいる。何を考えているのだろうか。
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飛鳥)……。
この小説、ずっと気になってたんだよね。
兄妹の禁断の恋愛を書いたラブストーリー。
○○は勘違いしてるみたいだけど、私はこういう恋愛小説の方が好きだ。
そうだ、兄妹と言えば、○○は昔に私のことを妹ができたみたいだと言ったことがある。
馬鹿にしやがって…
でも、もし○○とこの小説の2人みたいな関係だったら…
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○○)飛鳥〜?ご飯できたぞ〜?
飛鳥)いらない!!
○○)今日は飛鳥の好きなオムライスだぞ?
飛鳥)いらないったらいらないの!
○○)そっか…じゃあ扉の前置いておくから冷めないうちに食べるんだぞ?
飛鳥)……。
うちのバカ兄貴は本当にバカだ。
私はご飯いらないって言ってるのに毎日ご飯を作る。
しょうがないから毎日食べてあげてるけど、そろそろ我慢の限界!
飛鳥)あ〜もうっ!
むしゃくしゃしてぬいぐるみのヒヨコに当たる。
飛鳥)バカバカバカバカ!!
○○)飛鳥、どうした?!
飛鳥)なんでもない!!
本当にバカなのは素直になれない私だ。
お兄ちゃんのことが好きなのに素直に言えない。好きって伝えられない。
きっと、お兄ちゃんも本当は私のこと好きじゃないんだろうな…
飛鳥)はぁ…。
少し汗ばんだから着替えよう。
ガチャッ!🚪
○○)飛鳥〜、いちごミルク買っ、て…
飛鳥)〜〜〜〜///
最悪だ。着替えてるところを見られちゃった。
○○)ご、ごめんっ!!
飛鳥)ノックしてよっ!!!
バンッ!🚪
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○○)やっちゃった…
妹の飛鳥を喜ばせようとしてサプライズをするつもりが、台無しになってしまった。
○○)こんなお兄ちゃん、嫌いだよな…
どうしようもない自分にため息がつく。
妹が年頃の女の子だから丁重に接しないとだめだと分かっていても、どう接すればいいのかわからない。
下手なことをして飛鳥を傷つけてしまったらどうしよう、そんな不安でいっぱいになる。
両親は共働きで夜勤だから、この時間は僕と飛鳥だけ。
頑張ってご飯を作ってあげてるけど、美味しくないのかもしれない。
○○)飛鳥、こんなお兄ちゃんでごめんな…。
扉越しにそう告げて自分の部屋に戻る。
飛鳥)ま、待って!!
○○)え?
飛鳥)その、入って…。
○○)い、いいのか?
飛鳥)うん…。
飛鳥の方から部屋に招き入れることなんて初めてだった。
飛鳥)そこ、座って。
○○)う、うん…。
テーブルを挟んで飛鳥と向き合う。
○○)その、さっきは本当にごめんな。サプライズしたくて、飛鳥、いちごミルク好きだろ?だから…
飛鳥)もう、いちごミルクなんて好きじゃない。
○○)そ、そっか…そうだよな、もう高校生だもんな…笑、ごめんな、こんなお兄ちゃんで。飛鳥のこと、何も分かってないし何もしてあげられないし…
飛鳥)お兄ちゃん。
○○)ん?
チュッ!
顔を上げたその瞬間、飛鳥のキスをした。
○○)え?!
飛鳥)私の方こそ、いつも冷たくしちゃってごめんなさい!お兄ちゃんのこと大好きなのに、素直になれなくて…
○○)飛鳥…
飛鳥)ご飯もいつも作ってくれてありがとう。お兄ちゃんの作るご飯、私大好き!
○○)そっか、よかった…グスッ
初めて聞けた飛鳥の本音に、泣かずにはいられなかった。
飛鳥)お、お兄ちゃん?!
○○)ごめんな、嬉しくって…
飛鳥)えっと、ギュ~!
飛鳥は俺を抱きしめてくれた。
飛鳥)意地悪しちゃってごめんなさい。これからも、美味しいご飯毎日作ってください。
○○)飛鳥〜😭
僕も飛鳥のことを強く抱きしめた。
飛鳥)あ、お兄ちゃん…///
○○)ん、どうした?
飛鳥)その、当たってる…///
○○)え、あ、ごめんっ!これは、その…
飛鳥)そ、それ、触ってもいい?
○○)な、何言ってるんだよ!
飛鳥)今、パパもママもいないし…私、お兄ちゃんのこと大好きだから。
○○)飛鳥…
飛鳥)いいでしょ?
○○)う、うん…
飛鳥)じゃあ、ちゅ〜から…
お互いの顔が近づく。
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○○)先輩!
飛鳥)ふえっ?!
○○)もうみんな帰っちゃいましたよ?
飛鳥)あ、ほんとだ…
私としたことが没頭しすぎて時間を忘れてしまった。
○○)結局、思い出作りってこれでよかったんですか?
は、そうだ!思い出作り、忘れてた…どうしよう…
飛鳥)○○、下校時間まであとどのくらい?
○○)そうですね、大体1時間くらいですよ。
飛鳥)そっか…
あの小説の続きは、現実で…
飛鳥)な、なぁ、思い出、今から作ってもいいか?
○○)え、いいですけど…
飛鳥)じゃ、じゃあ…
○○)え、ちょっと、何するんですか?!
飛鳥)思い出作り…。
○○)ちょっと、それは、だめ〜〜〜〜!!!!
大切な思い出ができましたとさ。
To be continued……
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