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拾ってくれませんか? プロローグ


幸せというものは一瞬だ。

今ある幸せはいつまで続くのか、そんなものは誰にもわからない。

今隣にいる人だって明日にはいないかもしれない。

そう、まるで今の僕のように…。


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○○)ぅぅ…さむい…

梅雨入りをした6月のある日。

僕は大雨の中を1人彷徨っていた。

時刻は23時を迎える。

あたりに人影など、とっくに存在しなかった。

行く宛などない。帰る場所などない。

この先の人生を考える余裕など、なかった。

??)あの〜大丈夫ですか?


誰かが話しかけてきた。意識がどんどん遠のいてく。

○○)僕を、拾ってくれません…か?

そう言って限界を迎えた僕はその場に倒れ込んでしまった。


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眞衣)もうこんなに降るとか聞いてないんですけど?!


ずぶ濡れになりながら走る私。

会社から出たときにはまだ雨など降っていなかったのに、急に大雨が降ってきた。

やっぱり梅雨はいつでも傘は持っていたほうがいい。そう心に決めた。

眞衣)あ〜もう最悪!ん?

目の前に人が倒れていた。酔い潰れてしまったのだろうか。

眞衣)あの〜大丈夫ですか?

よく見るとその子はまだ中学生のようだった。

○○)僕を、拾ってくれません…か?

か細い声でそう言って倒れ込んでしまった。

恐る恐る腕に触れると、

眞衣)冷たっ!

とても生きてるとは思えないほど冷たかった。

雨で冷えてるとかそんな程度ではない。

眞衣)大変!とりあえずどうにかしないと!


気がつくと私はその子を抱いたまま、走り出していた。

結婚をして、幸せに暮らす。

そんな夢は社会に出て一年で消えた。

いい人がいない、そんなことを言い聞かせて自分を騙し続けた。

でもそれも、そろそろ限界のようだ。

この子との出会いで、私は何か変われるだろうか。

考えても仕方ない。今はこの子を助けないと…!

to be continued……

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