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拾ってくれませんか? 二十話前編


眞衣)え…彩ちゃんが、見つかった…?

真夏)あの時、○○くんが家を出た後…


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彩)うぅ…お兄ちゃん、どこ…?うぇぇぇん!!


「彩、彩なのかい?」

彩)おじいちゃん、おばあちゃん!!

彩祖父)よかった、無事か?おじいちゃんのお家に行こう?

彩)でも、お兄ちゃんが…

彩祖母)まずは彩をお家に連れてかないと…

彩)いやだよ!!お兄ちゃん!お兄ちゃん!!

彩を乗せた車は、大雨の中走り出した。

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眞衣)そうですか…あと少し○○が家に残っていればこんなことには…

真夏)仕方ないことですよ。でも、それだけじゃありません。実は、ご両親も見つかりました。

眞衣)え…?だって、○○のご両親は…

真夏)幸いにもお二人だけ生きていたそうです。お二人が座っていた席だけがたまたま海に墜落したそうで…

眞衣)よかった…よかったです…


眞衣はその場で泣き崩れた。

○○)眞衣さん?どうしたの?

眞衣)○○、彩ちゃん、見つかったって。

○○)え、彩が?!

眞衣)うん、それだけじゃないよ。お父さんとお母さん、生きてたって…。

○○)え…

美空)え、お父さんとお母さん?

咲月)眞衣さんがお母さんじゃなくて?

和)美空、咲月、それは後で私が話すからとりあえず今は2人だけにしてあげよ?

蘭世)新内さん、子供たちをお家に帰すので私はここで。


眞衣)はい、ありがとうございます。

和たちが家を出た後、眞衣と○○はテーブルを挟んで向かい合った。

眞衣)ふぅ〜…改めて、ちゃんと話すね。まず、彩ちゃんはあの日○○が家を出た1時間後におじいちゃんとおばあちゃんが来て保護されたんだって。そして、お母さんとお父さんは、2人が座っていた席がたまたま海に墜落したみたいで、2人だけ無事だったみたい。

○○)じゃあ、僕、パパとママと彩に会えるの?

眞衣)うん。

○○)またみんなでご飯食べれるの?

眞衣)うん。

○○)また、またみんなで、また…

眞衣)○○、ギュッ!もう、1人じゃないんだよ?み〜んな無事だよ?

○○)うぅ…うわぁぁぁぁぁん!!!

○○は、眞衣の胸の中でこれまで我慢していたものを全て流すように泣いた。

そして眞衣も、自分のことのように静かに涙を流した。

眞衣)よかった、よかったね〜…


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しばらく経ち、2人は泣き止んだ。

眞衣)よし、とりあえず今から会いに行こっか。

○○)うん!

眞衣)(これで私は誘拐犯、か…)


両親の許可なく子供を連れて行くこと、それは誘拐罪として成立してしまう。

○○の両親が眞衣のことを訴えれば、すぐにでも逮捕されてしまう。それを眞衣はわかっていた。

しかし、○○に話そうとはしなかった。

それを知ったら○○はきっと悲しむだろう、そう思って眞衣は何も話さなかった。

眞衣は○○を乗せて○○の本当の家へ向かった。そこに両親と彩がいると真夏から聞かされていた。

眞衣)よし、ついたよ。

○○)眞衣さん、一緒に行こ!

眞衣)私はいいよ。せっかくの家族みんなの再会なんだから私はお邪魔でしょ?

○○)ううん、眞衣さんは僕にとって家族だから!

眞衣)っ…わかった、行こっか。

○○)うん!

2人は手を繋ぎながら玄関へと向かった。

ピンポ~ン🔔




ガチャッ!🚪

○○)彩!!

彩)お兄ちゃん!!


○○)ごめんね、1人にしちゃって…

彩)うわぁぁぁぁん!!会いたかったよ〜!!

○○)僕も会いたかったよ、彩…

○○母)○○…

○○父)○○…

○○)パパ、ママ…

○○母)ごめんね、ごめんね〜…

○○父)もう、1人にしないからな…

感動の再会を、眞衣は幸せそうに見ていた。




To be continued……

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