拾ってくれませんか? 五話
眞衣)よし、ここにしよう!
眞衣さんに連れられてやって来たのは全国的にも有名な服屋さん。
今まで服なんて母さんに買ってもらったのしか着たことなかったからなにも分からない。
眞衣)○○君、好きな服選びな?
○○)あの、僕自分で服選んだことなくて…だから眞衣さんに選んでほしいな。
眞衣)そっか、じゃあ覚悟してよ?
○○)え?
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眞衣)はい、次はこれ着て。
○○)あの、時間かけすぎじゃない?僕そんなにいらないよ。
眞衣)いいの私が着せたいだけだから。ほら、早く着てきて!
○○)うん…
あれから30分ほど経った。
眞衣さんはどんどん服を持ってきて僕に着せてくる。
すごく嬉しいけど、ちょっと疲れたかも。
○○)どうかな?
眞衣)うん、これもいいね!よし買い!
○○)えぇ、買いすぎだよぉ。
眞衣)いいのよ、○○君くらいの年頃だと何着あっても足りないんだから。
○○)はぁ…
結局30分で1週間分のコーデを買ってもらった。
眞衣)いや〜買ったね!
○○)本当にこんなにいいの?
眞衣)いいのいいの。全部すごく似合ってたし!
○○)あ、ありがとう…///
眞衣)ちょっとお腹空いてきちゃったね。ご飯食べよっか?
○○)うん、僕もお腹空いちゃった。
眞衣)なに食べたい?
○○)なんでもいいの?
眞衣)うん、なんでもいいよ!好きなの食べな?
○○)じゃあ…
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眞衣)ねえ、本当にこれでいいの?
○○)うん、僕大好きなんだ、うどん!
フードコートにやって来て、○○君が頼んだのはきつねうどん。350円くらいのやつ。
眞衣)もっと高いのでもいいのよ?
○○)ううん、僕はこれがいいんだ。
眞衣)そう…じゃあ、食べて食べて!
○○)うん、いただきます!ズルズル…美味しい😋
すごく幸せそうな顔…本当に好きなんだなあ。
○○)眞衣さんは何か食べなくていいの?
眞衣)そうだった、1人で待てる?
○○)うん。大丈夫だよ!
眞衣)じゃあ行ってくるね!
そう言って私が向かった先は…
眞衣)きつねうどん一つお願いします。
○○君と同じ店の同じメニュー。2人で同じやつを食べれば、もっと美味しく感じるはず。
眞衣)お待たせ〜!
○○)え?僕と一緒?!
眞衣)うん、○○君の食べる姿見てたら食べたくなっちゃった笑
○○)そうなんだ、美味しいよ!
眞衣)ほんと?じゃあいただきます!ズルズル…うん、美味しい!
○○)でしょでしょ?僕これ大好きなんだ!
この笑顔がこの子の本来の笑顔なんだろうな。
眞衣)よしよしナデナデ…よかったね。
○○)眞衣さんのおかげだよ。ありがとう!
眞衣)どういたしまして!
眞、○)ごちそうさまでした!
眞衣)じゃあ、帰ろっか。
○○)うん、今日はありがとう!
眞衣)また行こうね!
○○)うん!😆
この笑顔を守らなきゃ、この子を守らなきゃ、そんな思いが私の中で一層強くなった、そんな1日だった。
to be continued……
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