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拾ってくれませんか? 六話


AM6時

ピピッ!⏰

眞衣)ん…もう朝か…


OLの朝は早いのです。

○○)すぅ…すぅ…

眞衣)可愛い寝顔…ちょっとは安心してくれたかな?

初めて会った時とは見違えるくらい気持ちよさそうな○○を横目に朝の支度をする眞衣。

眞衣)あ、そっか。○○君いるから朝ごはんはしっかりしたものじゃないと…何作ろうかな〜

今まで誰かのためにご飯を作ったことがなかった眞衣にとって、○○のためにご飯を作るこの時間が、幸せな時間になっていた。

眞衣)できた!よし、○○くん起こしてこよ〜っと!

○○)いい匂い…

眞衣)あ、起きた?おはよう〜

○○)おはよう〜、うわぁ〜…美味しそう…!

眞衣)ちょっと張りきっちゃった笑さ、食べよ食べよ!


○○)うん、じゃあ…

○、眞)いただきま〜す!

○○)モグモグ…このたまご焼き美味しい!

眞衣)ほんと?よかった〜!

○○は一口一口を噛み締めながら、とても美味しそうに食べている。

眞衣)ふふっ、そんなに勢いよく食べてたら喉つっかえちゃうよ?笑

○○)だって眞衣さんのご飯美味しいんだもん!モグモグ…

眞衣)ふふっ、可愛い…あ、いけない!もうこんな時間!○○くん、私仕事行ってくるから留守番よろしくね?

○○)うん!待ってる!

眞衣)これ、私の電話番号だから、何かあったら電話してね?

○○)はーい!

眞衣)お昼ご飯は作ってあげれてないけど、色々あるから食べていいからね?

○○)眞衣さん、心配しすぎだよ笑僕なら大丈夫だよ!

眞衣)ほんとに?

○○)うん、安心して?

眞衣)わかった…じゃあ、行ってきます!

○○)いってらっしゃい!

ガチャッ!🚪

眞衣)ほんとに大丈夫かしら…


家を出て2秒で心配になる眞衣だった。


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カタカタカタカタ…

キーボードを打つ音がせわしく聞こえるオフィス内。

眞衣)……。

??)まいちゅん、大丈夫?

眞衣)え?あ、うん、大丈夫だよ、未央奈。

未央奈)なんか今日ずっと上の空って感じだよ?


心配してきたのは同期の堀未央奈。

配属先も一緒で、社内で1番信頼してる親友。

眞衣)ちょっとね、

未央奈)あ、わかった。彼氏でもできた?笑

眞衣)な、そんなわけないでしょ!

上司)うるさいぞ、新内!

眞衣)あ、すみません…もう、変なこと言わないでよ!

未央奈)その反応図星かな?笑

眞衣)はぁ…休憩の時に話すね。

未央奈)きゃ〜!楽しみ〜!

眞衣)全くもう…

○○くんのことが心配で仕事に全然身が入らない。

ちゃんとご飯は食べてるだろうか、変な人を部屋に入れてないだろうか。

しっかりしてるとはいえ、まだ中学生。

1 人で家にいるのは、慣れているわけではないだろう。

そうやって考え事をしてる内にお昼が来た。

未央奈)ま〜いちゅん!

眞衣)うわっ!びっくりした〜…

未央奈)もうお昼だよ?


眞衣)え?あ、ほんとだ…

未央奈)ほら、ご飯食べるよ?

眞衣)うん…(○○くん、ちゃんとご飯食べれてるかな…)


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○○)眞衣さんがここら辺にあるって…あった!

○○が見つけたのは眞衣がいつもストックしてあるカップラーメン。

○○)これ初めて食べるかも…美味しそう!あ、その前に掃除しないと!

眞衣の心配をよそに、しっかりとご飯を食べ、家事に励む○○だった。


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未央奈)で、彼氏さんはどんな人?笑

眞衣)だからそんなんじゃないって…

未央奈)嘘つけ〜笑その顔は絶対男の事考えてる顔だよ〜?

眞衣)はぁ…もう、わかったよ。実はね、中学生を拾ったの。

未央奈)あー中学生?若くていいよね〜、ってええぇぇ?!


上司)うるさいぞ、堀!

未央奈)あ、すみません…ねぇ、どういうこと?

眞衣)実はさ、…

眞衣は未央奈に○○を拾った事情を話した。

未央奈)なるほどね〜、でもさ、それって言っちゃえば犯罪な訳でしょ?大丈夫なの?

眞衣)そうなんだよね…でも、○○くんを1人にするわけには行かないし…

未央奈)まあ、バレないようにね?

眞衣)うん、ありがとう。


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○○)眞衣さん遅いなぁ〜、大丈夫かな?

家で1人でいる○○は眞衣の帰りを待っていた。

ガチャッ!🚪

○○)あ、来た!

眞衣)ただいま〜…

○○)眞衣さん、お帰り!

眞衣)あぁ、久しぶりにお帰りって言われた…いいね、待ってくれる人がいるって。


○○)ん?

眞衣)あ、気にしないで笑独り言だから。

○○)ねえねえ、それより早く来て!

眞衣)ん〜?どうしたの?

2人はリビングへ向かう。

○○)じゃ〜ん!

眞衣)おぉ〜、すごい…

眞衣の眼前には見違える程綺麗になった自分の家が映し出された。

眞衣)これ、全部○○くんがやったの?

○○)うん、住まわせてもらってるから、お掃除した!

眞衣)えらいえらいナデナデ…ありがとう。

○○)えへへ…

眞衣はゴミ箱に目を移した。

そこには、空のカップラーメンのゴミがあった。

眞衣)(この年齢の子にこんなもの食べさせるなんてダメよね…よし、料理勉強しよう!)

眞衣)○○くん!今日はお礼に私がご馳走作ってあげる!


○○)いいの?!やった〜〜〜!!

眞衣)(私も変わらないとね。)

無邪気にはしゃいでる○○を横目に、買ってきた2人前の弁当を冷蔵庫に押し入れて、エプロンをつける眞衣だった。



to be continued……

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