『好男儿』の余波に包まれて
イケメンオーディション番組『加油!好男儿』は伝説になるほどの様々な話題をふりまき、全国三甲(上位3位)以外の選手も脱落入賞関係なしに全国的な人気者となった。8位に甘んじた暁晨も、番組が終わらないうちに映画のオファーを受け、夢か現か分からないうちに初めての撮影を終えた。
『好男儿』が一段落した9月13日、暁晨は馬天宇と北京の遊園地に。
天宇が一足早く、暁晨の誕生日を一緒に祝いたくて誘ったのだった。
完全なプライベートかといえばそうではなく、カメラマンが随行していたところを見ると何かの企画だったのだろう
暁晨はこの日のことをブログで
"とても楽しかった。天宇、ありがとう"
と綴っている。
歌手として
SMGと契約し、1人の歌手として芸能生活に入った暁晨。事務所の用意した宿舎で暮らしながら、さまざまな舞台を経験した。宿舎では陳澤宇と同じ部屋。
秋になってもまだまだどこへ行くにも、『好男儿』の熱冷めやらず、いつも仲間と一緒。
あの夏の合宿の日々がずっと続いているような錯覚のまま。
本人もまだ夢現のまま、『好男儿』としてさまざまな場所で営業した。
9月末に上海野生動物園にて。暁晨の隣より沈人杰、毛方圓、程顕軍、巫迪文、鍾凱、魏斌ーーー10強に残れずともSMGと契約した懐かしの面々のすがたがある。
11月、向鼎や呉建飛、蒲巴甲、鍾凱らSMG『好男儿』メンバー総出でイベントに参加したときのもの。
王子様然としたこの日の装いは、現在の彼を知っていると新鮮。
2007年、蘇州で行われた金鶏百花国際映画祭にも招かれた。
この年には後に念弟となるほど心酔し世話になる陳坤殿下もエントリーしており、初めてお目見えした。
この日のブログでは、興奮した面持ちで
"陳坤や黄暁明(このころ尊敬する俳優として、暁晨は黄暁明を挙げている)など目の前で、本物を見ているのが信じられない。ぼくはこれ以後、彼らのようなスターになれるのだろうか?"と書いている。
年末までは主要都市を巡るコンサートや、ドラマの撮影などで忙しく過ごした。
母校の石家庄鉄道学院(大学)でのイベントのゲストとして招かれたときは、講堂に入りきれない学生で溢れたほどの大歓迎ぶりだったという
ちなみに暁晨はこの大学で経済管理科を履修。
簿記や英文学などの授業を取っていた。いつどのようにどうやって、卒業に漕ぎ着けたかは本人のみぞ知る。
さてそのドラマとは
青蛙王子
『好男儿』と同じ菜卡がスポンサーのドラマ。鍾凱、巫迪文、呉建飛、宋暁波との共演作。暁晨はソムリエの三男役。
映画『追愛総動員』から二度目になる演技への挑戦。
『青蛙王子』は『好男儿』の2006年度大会と併せてマレーシアのテレビ局で放映され、大変な人気ということで、2007年9月、暁晨らはマレーシアまで『青蛙王子』の海外プロモーションをしに行くことになった。
現地に着くや大変な騒ぎとなり、即座に警備がつき
舞台と観客の間は遠く鉄骨の柵で隔たれることになったほど。
現地のコンサートではトリの一つ手前に。
人気の高さをうかがわせた。
暁晨らは自分たちがこれほど人気者だとは思わず、中国に居るかと錯覚しそうになったという。
巫迪文などは調子に乗って、
"僕たち世界的スターだね!"
と笑ったという
楽屋での賑やかなようす
本番何を歌ったのかわからないが、『好男儿』のテーマソングを練習。暁晨は歌詞を忘れツッコまれている。終始巫迪文がはしゃぎ回っているようすが楽しい。
アイドルのお約束、ラジオ局訪問。暁晨の日頃の独特の仕草、纏う雰囲気がよくわかる映像。
緩慢な所作、相手を(うっとりと)見つめる、口元に手を持ってくる癖など。
イベント会場で歌っていたのは、この"迷迭香"。
フラフラくねくねした感じがよく暁晨に合っているが、歌唱力はまだまだと思う。
初めてこの映像を見たときはなんちゅー下手くそ、と思ったものだが、地区大会からのど素人丸出しのものから聴いてきた今となっては
"何とか耐えて聴ける"ようになった
2006〜2011までの歌手時代の映像より。
いつ頃どんな曲をどこで歌っていたのかという情報と映像が殆ど残っていないため、時系列が不明。
インパクト抜群の"眼神"✨✨✨
"迷迭香"にしてもこの"眼神"にしても、ご本人が歌っているタイミングでさまざまな歌手がカバーしまくるためいったい誰がオリジナルで原曲はどれかサッパリ分からない。
ご本人を差し置き劣化版を垂れ流しても一向に構わないのだろうか
『我想你是真的愛她』
馮銘潮とのデュエット。二人は以前から親交があったようで、曲ができてすぐに銘潮が興奮気味に暁晨に聴いて貰ったところ、二人でいつか一緒に、という約束をこの曲で果たそう、ということになったとか。
初めて出した一枚きりシングル『角色』
なかなかいい曲でお気に入り。
暁晨のありそうでない声質は、このまま歌手を極めてもよかったかもと思わせる。
MVよりも歌番組の生歌の方が私は好きだ。
『開始 in City』
上海万博に合わせて制作された、SMGお抱えの暁晨らで新たな中国の世界を"思いやり、マナー向上"をコンセプトに歌いあげる名曲。
MVは先程のアルバム《温暖的開始》でロケをした格好、同じ日に撮ったものだろう。
アイドルとして体を張るのも仕事のひとつ
歌手としてーーーどこまで行けるのか、
アイドルとしてーーーいつまで人気を保てるのか?
この頃暁晨は芸能界に飛び込んだばかりで、目の前は眩しい輝きでいっぱいだった。
努力あるのみ、必死で夢見た華やかな世界で自分のルックスを武器にスターを目指してーーー?
ちゃんと(?)片付けや掃除などもする
歌手時代の暁晨が私は好きだ。
可愛いし、きらきら輝いている。
前向きに、夢に向かって進んでいるのだと信じて頑張っているその姿が愛おしいからだ。
中秋の特別番組より
さまざまな仕事や舞台を無我夢中でこなしているうち、いつしか歌手→ミュージカル俳優→俳優へと、自然に道がそちらへ向かっていった
2010年には定かではないがSMGから事務所を東川国際文化伝媒へと移り、拠点は北京に。
この仕事も2011年で、既に《美人心計》と《水滸伝》を経た後だ。
このころは朧げな"夢"に向かって、無我夢中で仕事をこなしていた暁晨だが、次第に彼の中に"見た目、人気、容姿"を武器にこの世界を渡り歩いてゆく困難さに対する懸念が微かに生まれていた。
そこにアンテナが反応するところが張暁晨のすごさだと言える。
アイドルでなければ自分は何者?
俳優?俳優であるならば何を縁に情熱を傾けるべき?
俳優ならばーーー
名門専門機関を経た選ばれし者で溢れている業界で、今までお膳立てしてくれていたSMGを離れてハタと、"何も頼る基盤のない自分"に気がついた、そこからがまた張暁晨の面白い部分なのだーーー
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