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サイコ太監。

主人公らの三角関係が描かれてゆくなか
彼らの恋愛模様がだんだんどうでもよくなってゆく
というのは
叩頭していた厨房で働く例の太監ーーーヒロインの兄ーーーから目を離せなくなってしまったからだった
厨房で甲斐甲斐しく働くその姿は一際所作が美しく
何やら佇まいまで床しいのである
とにかく一挙手一投足が美しい
優雅だ
動いていずとも
ただ立っているだけで他の使用人たちと全く纏う空気が異う
しかしこの優雅な太監はただ者ではない

じつは死ぬ気満々で生きている長慶の目的は皇帝を殺すことだった
8年前
皇帝の命で三族皆殺しの刑に遭った生き残りで
その復讐のために宮中に潜伏しているのだ
この復讐活が恋愛ターンよりも面白く

とにかく印象的なのだ
長慶の場面はだいたい1話に2分ほどのものが2ヶ所くらい
それでも
画面に映ってから消えるまでの
その表現力
惹き込まれてしまう
もちろん演じている張暁晨の演技に拠ってだ
彼がこの復讐鬼を並々ならぬ決意と気合で演じていたことを
私は後から知って感激したものだ
皇帝のいのちを
家族の仇と狙って狙って狙って狙いまくる
烈しく静かで哀しい役だったーーー

しかしまだ
私はあくまでこの長慶というキャラクターに惹かれていたのだ
"あのシーン"を見るまではーーー

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