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千古玦塵〜千古の愛天上の詩 Part4

神界内紛

千古の混沌主神への成長に胸を撫で下ろし、ついでにさまざまなレギュラー陣の告り大会も行われ、相変わらずお気楽で宜しゅおすなの神界。

リバーシブル壁ドンとか…
九幽の地に厄介ブツを封印し
永久に吊るされとけ
とか言い捨てて
自分たちは恋路を謳歌。
そう油断しまくっていた矢先

窮奇の大群が来襲!!

操るのは勿論魔尊ーーー玄一の能力を貸し与えられた墨羽くん🪶🪶🪶
カッコイイんだけど時々チンピラ味を出すため、そこだけがいや。
あの魔尊の配下なら、上品でないと。
いよいよ急いで正式に混沌主神に就任せねば!と
儀式に臨んだ上古だったが

儀式の模様は雪迎内蔵カメラによって玄一にも同時配信
護心の源だの主神令羽授与式だの回りくどい式次第がありすぎる

主神令羽を継承しようという段になり、今度は突如天啓が邪魔を!

70000年かけ周到に計画準備し
10000年かかるものを突貫集中講義で混沌主神を作り上げたというのに
ここにきて頓挫ーーー!

おのれ天啓め
よくも邪魔をーーー!!

可哀想だが墨羽くんへのお仕置きタイム!

張暁晨を怒らせると怖い
目を剥いて睨むだけというような表面的な容赦はしない
"冷静なる恐怖"
自分がどうなるかわからない恐怖
普段が上品で静かなだけに
ぶちギレたときの恐ろしさに震え上がる
朗らかで優しい暁晨のどこにこんな真逆の感情表現が眠っているのか

誰もが思わず全力で謝り倒す
素の暁晨。全く飾らないのは服装だけでなくその内面もだ

天啓が血迷う予兆はなかった
責められた墨羽くんの非ではない
部下は実質彼一人なのだし
タイヘンなのだ

墨羽くんは本当に見上げた忠臣で
折檻されながらも次の指示を請う

かくなる上は神同士殺し合って数を減らしてもらおう
手間が減る
誰が誰を殺してもいい
そう仕向けろ

嘗ての私のように
掟を破った天啓よ

私の気持ちが分かったか?
無碍な運命に憤ったか?嘆いたか?絶望したか?
誰が定めたか
天命なるものをーーー

我的劉学義

天啓役の劉学義。
この作品で私は初めて劉学義を見て知った。
劉学義の名を知ったのは、Part1で書いたとおり、この作品を撮影中の2020年夏、メイクアップを終えたキャストたちが続々と撮影場所に向かうバンに乗り込む動画でだった。
遠目で暁晨に見え、人違いだと分かり非常に落胆したため、印象に残ったのだ。

私はこの画像しか手元に残さなかったが、この時に非常に多くの画像がアップされ、人気俳優なのだと分かった。

調べると中央戯劇学院卒で
やはり、と余計に悲しかった
名門を出て
ファンがたくさんおり
暁晨より7つも若い90年后勢
こういった作品にレギュラーで出てーーー
あのときは暁晨の姿だけがなく
端役でこの直前に出演した映画も日の目を見ることなく封印され

ファンの一人もその場にいず
独り別のホテルに泊まる暁晨に
私は悲しみに暮れていた

もちろん今はちがう
あれから三年
私もいろいろ学び
いろいろ暁晨を知り
いろいろ悟った
ただ
劉学義さんを見るたびに
あの夏の悲しみを思い出すのだ

軽妙な演技
真摯な演技ーーー
天啓を見ると
あのときこんなふうに演じてらしたのだなあと
感慨に耽る。

天啓の突然の叛意に動揺が走る神界。
主神令羽を授与する段ーーー真の混沌主神になる最後の儀式で両者が騒ぎを起こした符牒に、ついに上古が気が付いた。

上古は祖神に問うた
"混沌の劫"とは?混沌主神とは?

上古は知った
己が生まれたときからの運命を
この神界を守る生贄として自分が用意されたことをーーー
目の前で天啓が
そして月弥が死に
もうこれ以上誰かが犠牲になるのを見たくない
不思議なほど
己の天命を直様受け入れた

上古、不要

一方受け入れられずに右往左往していたのが白玦だ
無理もない
上古の教育を無理矢理押し付けられたとはいえ
混沌主神に早くなれと諭し
修行期間を10,000年後でなく1,000年に縮小し
朝に夕にスパルタ教育を施していたのだ
後悔先に立たず

"あの"杓子定規で融通が利かず
人の話もろくに耳を貸さないままダメの一点張り
曲がったことには蔑みまくった眼で見下し
許せんものは許せんと
情を一切ドブに捨てていた白玦が
何とこの世界の大災厄に際して
"すみませんが、たとえ天命だろうと彼女を犠牲にできません。諦めてください"
などと言って頭を下げる!

上古はとうに知っていて覚悟はできている
"責任責任と私に耳にタコができるほど強要したのは貴方よ"

嫌だ
嫌ったら嫌なんだ
まさかこんなオチだとはーーー

そう
オチを知っていたのはわが魔尊だけ

混沌主神の誕生を知らせる鐘の音は
九幽にも届いたろうか

間もなくですよ!と墨羽くんが報告に来る

玄一は体内の力を集め、何やら武器を作る。

これは乾坤台の祖神の神託の鍵を打ち壊す武器
これで神界のみんなに
混沌の劫の真の意味を知らしめて来い
なぜ私が七万年前に反駁したか
それでわかるだろう

やっとカミングアウトできる
七万年間黙っているのは
本当に忍びなかった

なぜ私が封じ込められたか
なぜ私が縛られ吊し上げられているか
なぜ甘んじて耐えてきたかーーー

もうすぐ
自由の身になれるーーー

上古が不要不要白玦を振り払って乾坤台に戻ってきた
墨羽くんが興奮気味に報告を
いよいよですよ!!
何回目だ
全く忙しい 

やっと混沌主神がどんな存在か周知された
祖神の奴が私を神身御供にして神界を護ろうなんて考えていたのを
冗談ではないと私は撥ねつけ魔尊となったのだ

勝手に誰より優れた私の性根が気に入らず
言うことを聞かぬとなれば見捨てた
そんな身勝手な奴等の言いなりになぜ私が甘んじて死なねばならぬ?
ふざけるな
大切な者がその運命にあると分かったとき
あの堅物がどうするか見ものだ

所詮誰しも
最高位の神であろうと
我が身可愛さ
我が恋人可愛さに天命から逃げようとするに違いないのだ

高潔なふりをして
この私をコケにしてきたことを
後悔させてやるーーー

今こそ縛神鎖を断ち切り
復活のとき
凄まじい魔力が縛神台に駆け巡る
永久どころか
祖神の用意した再びの封印など

全く役立たずなほどに
魔尊玄一の力は強大に成っていたのである

上古、不要のつづき

白玦はまたもや駆けつけ
最後のあがき

頼む、戻ろうと言う白玦に
上古は語る
"もっと早く私が生まれていて
もっと長く貴方と過ごしたかった"
しかし上古はこう結ぶのだ

"残念ね
神仙の寿命は永すぎて
何が最も大切か分からなくなる
結局は長く一緒に過ごしても
大切なことに気づくのは
手遅れに近くなってからでしょうね"ーーー
仕方ないの

仕方なくても嫌なんだ
君がいい
君だけだ
君無しでーーー

この同じ言葉だけで縋り続ける場面を
暁晨ならどう演じるだろうか
きっと結界が壊れるほど拳を叩きつけ
絞り出すように叫ぶに違いない

成す術なくその姿が消えるさまを
ひとみを見開き焼き付けるだろう
その姿が消えてもなお
虚空にその姿を探すがごとく
頬に涙を伝せるに任せてーーー

だが残念なことに
その時期は過ぎてしまった
彼が天啓や白玦のように
主人公やそのライバルを演じていたのは売れない時代
そしてほとんど注目されぬランクの作品だった時代ーーー
そんな演技を見る機会
見てもらう機会は逸してしまった
無念なり

魔尊、復活

しかし売れずに遠回りをし
ありとあらゆる端役敵役カス役を演じたおかげで
何でも来いなスーパーマーケット俳優
張暁晨が出来上がったのだ
(彼の全配役についてはこの下の記事を参照)↓

ついに自由の身になった玄一
神界のやつらが心身共に消耗しきった今こそ好機ーーー!
決起集会に心躍る

ゆっくりとした動作で仲間を喚び出すこの動作も
美しい手指捌きで見惚れてしまう

ずっとジッとして計画したことが全て思い通りに上手く行った!
こんな嬉しいことがあるだろうか
しかし
それも綿密な布石があったればこそ
この私だから叶ったことなのだ

さすがでございます!

魔尊が今日あられるのは
祖神の計略を見抜かれたからでございます

なぜ私が祖神をはじめ
あんなやつらのために死なねばならんのだ
意味がわからん
死ねと言われて
ハイ喜んで
など言うはずがない

混沌の力を有しているから?
この世界の衆生を救え?
なぜ?

そんな意味不なことがらを承服できようか
お前が死ね

混沌の劫がなくならぬ限り
混沌の力を有し
天命で混沌主神にならねばならない私の運命もなくならぬ
ならば一旦ドロップアウトし
新たな人身御供を待って
そいつを生贄に混沌の劫をやりすごして
私の登場だ
どうだ
素晴らしいだろう

天命などくそくらえ
天命だろうと従う気などない

奴らとて
大切な者をどんなに守り抜きたくとも
結局は諦めた
天命をどうにもできなかった無能な奴らーーー

用無しで厄介者となった私を閉じ込めて安心しきっている
だから無能だと言うのだ

さあ今から
傲慢で利己的で無能なやつらを
殲滅しにゆこうーーー



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