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海上牧雲記〜Part17

第52話 GO戈殿下リリース

徳が行った瀚州に対する塩値の措置で
蛮族連合は仲間割れや揉め事で足並みが乱れ
薛大人らの卑劣な工作で穆如鉄騎は餓死寸前の危機
これらは全てこの
悪徳親王親子のしわざ
絶頂聡明な徳と
悲願達成に懸けた欒パパの作戦に漏れなどない
容赦もない

あれほど誇りと権威と無敵を誇った穆如鉄騎も
腹が減っては戦ができぬ
何としても勝たねばならぬ寒山兄さまと
何としても掟を守りぴーしゃ命の穆如パパとの確執がどんどん深刻に
そんな状況下ーーー

横にいらっしゃる笙殿下は心を読むことができる。何を言ったらいいか
長年舌とハラの中を別々に使ってきた薛大人たちはわけが分からなくなってしまう

和議をお願いしに
皇子を遣わしたらどうかということに
ヒラの兵たちは軒並み死体で無言の帰還をしたからだ
朝臣らは頭を悩ます
まず第三皇子の陸殿下

おお、陸殿下ならば…!と賛成しかけた薛大人、
ややや、ダメ
陸殿下のガンコさは厄介だ

しかも毎回旅行にはアホほどスキンケア用品を持ち歩く
瀚州なんて寒冷地帯に行ったらお肌はガサガサ
保湿と日焼けを鬼のようにしなければ!たいへんな騒ぎになりそう

じゃ…

寒かな?

寒殿下は瀚州に長く居たため面が割れている
ダメ

となると…

やっぱり…
もし殺されても惜しくないジョーカーなら
やっぱり…

第四皇子GO戈殿下ですよね?
だな
決まり!

GO戈殿下が晴れてシャバに放たれた晩
徳が通りかかると(向かって右側が蘭鈺児の部屋、左側が月漓の部屋。どちらに行こうとしてたかは徳のみぞ知る)
ちんとんしゃん🎶
と愉しげな音がする。

ユーリがあなたに嫁げるのね❤️という歌を歌っていた。

ぱちぱちぱち👏👏👏

徳は風流に通じているし
香道、茶道も嗜むけれど
楽器はどうなんだろう

中国ドラマの貴公子は楽器を演奏するスキルを持っているものが多い
笙、筝、笛が代表的で、暁晨は全て経験がある(弾けるという意味ではない)

上《大仙衙門》下《隋唐英雄4》
笙。

上《隋唐英雄5》下《新西廂記》
古筝。

おまけ
ピアノ(ピアニスト兼作曲家の役だった)

月漓の奏でているのは琵琶。

徐にそばに座る徳。
こんなに惚れ惚れするというのにーーー
あ、りんご…🍎🍎🍎(牧雲記ではたびたび重要シーンでりんごが登場する🍎🍎🍎🍎🍎🍎)

"愛する者にまた会えた"…
嫁ぎたいという歌だな

もしか私に助けてもらった恩を漸く思い出し
喜んで私に嫁ぎたい、なんてーーー

徳!
りんごを剥いてる!🍎🍎🍎
近づいちゃだめ、拾った日のおじ様みたくブッスリ殺られてしまうわよ!
早く手を離してっ!

ひいっ!!

ーーー合戈に操立てか
奴にまだ自分を見てもらえるとでも?

ばかめーーー
合戈を死地瀚州へ向かわせるまでの状況も
これから奴がどうなるかも
全て私が動かしているというのに
恩を仇で返すとは

二年もこの客桟に世話になりながらまだ分からんとは
お前のそれは"思い上がり"と言うのだ
この私を侮りあんな無能を選ぶとは

澄ましながらも
不気味な脅威に不安が襲う
徳を単なる鄴王の世子というだけだと思っていた
そんな力を持っているなんて知らなかった
もしか
報復に自分と合戈はーーー

貴方が動かしているというのなら
私の
合戈の駒はどんな役割を?

見下ろし
蔑んだように一瞥だけし

誰が教えるか、と無言のまま去る

月漓に罪悪感は湧いたろうか?

渡り廊下で静かにため息をつく徳
そう
天下の駒はこの牧雲徳が動かしているのだ
父親、鄴王の駒
皇帝の駒さえもーーー
その胸の中にはとてつもない夢と野望が広がっている

今こそ天下の成り立ちを覆す最後の仕上げにして最初の口火
"私の客"の仕込みから

力仕事にはやはり肉!紫香豚をブロックでローストだ
従兄には三枚の刃を研ぎ澄まし
存分に暴れて貰わなければーーー

ちんとんしゃんなどと浮かれやがって
恩を仇で返したな
お前は皇后どころか所詮カネで芸とカラダを売り買いされる売女だってことを思い知らせてやる!

何すんのよう離しなさいよッ
この澄ました人非人!!
懲りずに今夜も歌っていたユーリを徳が引きずってゆくこのシーンはお気に入り。

折りしも皇帝が居なくなった世でどうするか
打ち合わせをしていた薛大人とパパのところへ放り投げる

こいつはお尋ね者のナンコユーリですよ

二年前のナンコ・クーデター以来行方不明になっていたナンコユーリ
あのとき一族の女はみんな官妓とされた

薛大人が舐め回すように自分を見たのでユーリは顔を逸らす
徳は無理矢理琵琶を持たせる
体と芸を売っていたのを
私が救ってやったというのにその恩を忘れーーー

指1本そのときから触れさせないのだ
薛大人はそれを知らず
徳が二年のあいだ囲って愉しんでいたと思っている

薛殿だっていろいろと愉しんでみえるでしょう
罪人ですから更に何をされても仕方ないでしょう

かつてはともかく
今はその体のみ
奴婢であり芸妓です
辱めようが甚振ろうが
物と同じ
徳は今までの優しさを捨てて言葉で辱める

そのとき薛大人が皇后の名を出した
パパは反応する
ユーリは皇后の姪だ

パパの皇后への拘りを知らず
薛大人は臣下のくせにずっと皇后を"そんな目"で見ていたかのように
皇后そっくりのユーリを徳だけが独り占めしていたのを羨ましがる

徳儿よ
彼女はお前が大切にしていたのではなかったのか

殺すよう言ったのに拒み
守っていたのに
この女は何を勘違いしたか
私を侮ったのです
思っていたのとは違う女でした
芸妓が適当なとんでもない悪女です
惜しくなどありません

そなたは
深窓の令嬢だったはず
あの皇后に貌だけでなく気性も似ていたならば
気位も高かろう

ユーリはパパの言葉に温情を感じたか
"相応しい"対応を願い出る

近う寄れ、との仰せに喜び勇んで従ったものの

芸を見せよ
どんな芸が得意かな?
という言葉に固まる

唄ですよ
妓女のくせにまともに嫁げるとでも思っているのでしょうか
想い人の名を聞けば更に滑稽ですよ
二人ともに不釣り合いな夢を見て
未だ醒めていないのです
可笑しいでしょう

この親子にまともな温情などない
徳は優しいが身の程知らずは大嫌いだ
恩知らずに容赦はしない

ユーリは屈辱に涙しながら歌うしかなかった
それでも諦めないのがナンコユーリ
絶対絶対なってみせる
合戈の妻に
皇帝の妻にーーー

GO戈殿下は幽閉を解かれたが
すっかり意気消沈しており
"このときは"
鬼のように反省して以前のGO慢さは微塵もなかった
野心もなかった
ひたすら悔い改めた姿を父親に見てもらいたいとすごい粘りようだった

幽閉時の提灯を戒めの記念に取っておこうとするくらいだった

おおごと

ナンコユーリの歌にかまけているあいだに
たまとよがつい仏心を出したがために大切な商品が傷物どころか使い物にならないほど故障する事態に

寒江はどうしても母親の墓を参るのだと廟を訪ね
次兄にボコボコにされ重症を負ったのだった

次兄の寒川を演じたのは愛する張峻鳴
とってもいい子❤️❤️❤️

寒江を演じた竇驍はついこの間逆玉結婚を

倹しい結婚式を挙げた宛州商会会長と異なり
マカオのカジノ王の娘と13億元もの式をバリ島で
一生金には困らない生活が彼には用意された

ついでに宛州商会会長の結婚式の模様も。
奥様は一般人。ちょうど牧雲記の頃からお付き合いを始め、五年越しの愛を実らせた。

蘭鈺儿も駆けつけてきてくれた

もとい!
どうしてくれる
こんなボロボロで
肉を食わせた意味は?

いったいこの計画にどれほど腐心したか
大幅に練り直せねばならん…、いや、計画は白紙から立て直さねばならないレベルだ!

予想外の顛末に生きている心地もしないたまとよ

直様木原さんがパパにご注進

徳を宛州に連れ帰ろうかとも思ったが
もうこちらが手の届かないところまであの子は行ってしまった
我が息子ながら恐ろしい子だ

叩天拓は徳に
これから使い道があるかも知らん

ここの会話はパパの徳に対する愛情が滲む
策を弄して鍛えてきたが
もうあからさまな手段は必要ない

徳がこの二年にこの客桟で築いた人脈と
施した策略
カードは様々な情報

この古狸も目が醒めるようなご聡明さ
鄴王さまが去られるとなりますと
私が操ってようございますか?

あれがそなたごときに操られるものか
目先の欲ばかりに駆られているそなたにーーー
あれには牧雲笙という友もいる
もう全てが従来とは違うのだ
それでもパパはやるつもりだろう
我が子が犠牲になったとしてもーーー

合戈殿下が去る前に
どうしても会いたいユーリ
その野心をパパは利用する

折り悪くーーー

ちょうど外に徳が来ていた
中の気配に敏感に気づく

消える灯り

徳の中で憤りと侮蔑の気持ちが膨らんでゆく
いつまでも南枯の女のことばかり追い求め母を蔑ろにするパパ
叔母と姪の見境もなく手を出すその節操のなさ
月漓も
命の恩人であり
何年も面倒をみてきた自分を拒んで
合戈のため守ってきた操を投げ捨て
あろうことかパパの方に身を委ねるとはーーー!
度し難い
おのれーーーー

蠢く野心
誰が朝廷を
誰が九州を手に入れるのか
誰が愛する者を守れるのかーーー








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