見出し画像

加油!好男儿〜全国決勝大会第一戦"大逃殺"

武漢地区の予選で数千人→30人→10人→5人という狭き門を潜り抜け全国大会へとコマを進めた張暁晨。
今度は一人ではなく、四人の仲間がいる。
もちろん全国で最も『好男儿』に相応しい男子一人を選び出すものではあるのだが、5人はラジオやテレビでいつもチームで出演し、宿舎でも常に一緒に寝起きする。
暁晨は馬天宇と同じ二人部屋だった。

宿舎。夏の上海だがまだ暗い早朝から選手らはロケ地や練習場へバスに乗り込み赴く。
時間を見つけては仮眠。微笑ましい。
インタビューを受ける馬天宇の後ろで寝ている暁晨。
左から、鍾凱、馬天宇、陳怡川、暁晨
暁晨、魏斌、鍾凱、馬天宇、陳怡川
『好男儿』と言えばこの写真だが、暁晨はこのときは試合後であり、北京に戻ってスカウトされた映画の撮影中のため残念ながらいない。これほど使用されるなら、いてほしかった。

『好男儿』ではユニフォームが存在する。
黒と白とがあり、私はこのコンセプトとデザイン、それを纏ったすがたが好きだ。
特に黒。

『娱楽新天地』に出演したときのもの。左から向鼎(重慶)、陳澤宇(杭州)、巫迪文(上海)。
移動バスの中。
6月8日、上海の外灘にて


白はこちら。

まずは34人→15人まで絞られる《大逃殺》。

暁晨のこのぱっつんの前髪は、『好男儿』のヘアメークさんが他の選手との差別化を図るために提案したものらしい。
…いや、どうなのよw
もっとあったろう別のイカした髪型が!
てか暁晨のマスクなら他との差別化など要らないと思うが。

まずは武漢地区から来た五人は任賢齊の『再見黄鶴楼』を披露することになった。イケメンオーディションなのだがこの番組では、出身地区の五人でチームを組んだり、別のチームと混合だったりランダムにチームに振り分けられたりして様々なテーマで自己をアピールする。
しかし、この時馬天宇は自分の歌唱力やパフォーマンス力に自信が持てず、非常にナーバスになってしまった。
彼は友人の勧めで参加したものの『好男儿』の様々な演目に戸惑っていたように見える。
本番前日の夜、宿舎で五人で歌う歌を練習しているのだが、デモテープに合わせて歌えない馬天宇を、皆で励ます動画がある。

たしかに難しいリズムと入りだ。
私の本職はピアニストだがこの場合徹底的に6/8拍子(スローロックというリズム)を体に叩き込むところからせねばならないところだが、チーム皆でデモテープだけを頼りに無理矢理練習している。
それが微笑ましいが、全くタイミングが掴めない天宇が逃げ腰な態度を取ることに、警察官魏斌が苛立つ素振りも見せずに誠実に促している。
"何で歌おうとしないんだ、試合は明日なんだぞ"
最後まで諦めず、やるだけのことはやろう、という真摯さを見せる。

軍人である陳怡川は多くを語ろうとする代わりに引っぱり起こし肩を抱き俯く顔を上げさせる。
"もう一度だ"
練習してみるもーーー、
"違う"
年嵩の鍾凱がリーダーよろしく指摘する
やっぱり無理だ、と拗ねる天宇。

自分には何ができるだろうとさっきから模索していた暁晨は、
"前拍は常に強く、後拍は常に弱くだったろ"
と具体的にアドバイスをする。
1.2.3.4.5.6と数える6/8拍子は3つずつに分け大きく2拍子に捉えるものだが、そう捉えるには馬天宇のパートは弱起のため難しすぎる。

そんなこと言ったって、、、出来ない自分が悔しく、もどかしいし哥哥たちの(魏斌は同い年だが)気持ちが有り難いから余計に悔しい天宇。涙を洗っている天宇に、鍾凱が誠実に諭す。
"ステージには一人で上がるんじゃない、俺たち五人も一緒なんだ、何をそんなに緊張する必要がある。
ステージで思い切り歌え、そしたらきっとできる。一人じゃないんだ。五人一緒にいるのに不安を覚えることはない、自信を持て"
と。

もう前日の夜中なのだ、哥哥たちの焦り、出来ない自分を責めず疲れているにも関わらずこうして親身に付き合ってくれる。
引っ込み思案でナーバスになりやすい自分の性分が情けないーーー
そう捉えることのできる天宇もまた、素晴らしい性質を持っている。
『好男儿』でこうした濃密な時間を過ごした日々は、彼らの絆を強く太いものにした

翌日の本番で、結局馬天宇は合わせられず終いだったが、本質はそんなことなどあまり問題ではないのだということを、この後の試合で天宇も感じたことだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?