春はどこまでもあたたかく、おそろしく寂しい

 出会いと別れの季節こと春になり、梅やら桜やら桃やら早咲きの桜やら遅咲きの梅やらにフェイントをかけられつつも芽吹きを楽しんでいる今日この頃ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか。早咲きの桜が個人的ナンバーワントラップです。等しく綺麗なので「花‼」とざっくりした喜び方をしています。ここ数日、推し①のドーム、推し②の武道館、推し③の全国ツアーが立て続きに決定し、さあどこから資金を捻りだそうかと乾いた笑いが止まりません。いや行ける範囲でもちろん行きますけども。手数料というものの必要性を丁寧に説いていただかないといつか一揆をおこしかねない心境になっています。軽率に推しを増やしがちなためしばしば理想(遠征)と現実(資金)のギャップに苦しめられますが、最後まで粘る執着は悲しいかな持ち合わせておらず当たったらラッキーの精神で生きています。何事も楽しめる範囲で楽しむのが一番ですからね。そんな精神なのに残高はどうにも増えない、長めには生きたい人生初の七不思議。

 私の職場でも異動の季節となり、直属の上司から先輩から近しい人の異動が決まり、日々じわじわと心がやられています。お別れというか残されることに至極弱いので残りが明確に見えてきたこの頃にもなると仕事中突然心臓が痛くなってきます。一年単位でごっそり人が変わることは学生時代にもなかったため、ここまでの一期一会は予期しておらず体が慣れていません。心臓どころか体中がきりきり言い出す始末。しかも結構推しだったお偉い方々も総じて異動になってやるせなさがひどいです。大きめのひとり言を言いながら仕事をしていて、飲み会の時には優しくも芯のあるお言葉をくれた幹部、スケジュール管理がまめで出張の予定と領収書を綺麗にそろえて出してくださる幹部、飛行機に乗り遅れたり前日に出張を入れたりするけどめちゃくちゃ謝ってくださって足が長くてシルバーヘアがサラサラの幹部。ペーペー一年目にまで優しくてフレンドリーで神だと思っていました。(届かない告白)お子さんと同世代だからなだけだと思いますが。この一年周りの人から若いと言われ続け、最近では己に無限の可能性があるのではないかとさえ感じてきました。「若い」一回で一か月若返るシステムだったら軽く五歳は若返っていると思います。誰よりも後輩になれてしまう。大学生もう一回しましょうかね。この時期はお礼やこれからの挨拶で人の出入りが多いせいか机の隅に日々お土産が積まれています。もはや物産展レベル。私は実は非常勤さんに甘やかされているためおこぼれでもう一個もらえたりするんですよ。業務用サイズのミレービスケットやら芋けんぴやら一斗缶いっぱいのあられやらをのんびり取り分けるお仕事もしばしば発生しています。なんて平和な世界。社会人になる後輩たちに少しでも安心を与えられるような情報を提供しております。

 先日何気なく最寄り駅の自販機をみたらゆずれもんがホットの五マスドセンターを占めていて思わず二度見しました。ゆずれもんがこんなにもフィーチャーされる自販機がこの世に存在するとは、日本の未来は明るいですね。世界が羨む恋をしようじゃないか。

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