不満や怒りを溜め込むと腰痛になる。

いつも頭痛の記事ばかりだったので、今回はちょっと変わった腰痛でお悩みの方。

【30代女性】
主訴:腰痛

知人からのご紹介で初めてのご相談でした。

腰痛だと通常は「ココが痛い」、「腰を反らすと痛い」等の訴えから身体のチェックをしていく流れが多いのですが、今回は通常とは違って、問診をしていくうちにどんどん仕事や人間関係、プライベート等、ありとあらゆるところから不満がどんどん出てくる。
腰は常に痛いという表現のみで、ひたすら不満が出てくる。

当たり前ですが、問診でほぼ問題点や悩まされている症状の根本原因が特定できてくるのとても重要視しています。
もの凄い勢いで話すものだから、こちらはひたすら傾聴。
この時点で、日常のストレスがハンパなく多いというのが想像できる。

合間合間で食事内容を聞き出しつつ、そこからの腰痛への関連性を探っていると、腰痛というよりも怒りに繋がるような(ようは血糖の乱高下)内容がチラホラ伺える。
ここで中途半端にアドバイスをしても多分聞き入れられないから傾聴を続ける。

驚くなかれ、3時間かかりました。
これだけの時間をかけるのは普通の病院や整骨院などではまずあり得ない。
しかも問診のみ。施術は一切行っておりません。

でも、腰痛が良くなったと喜んで帰られたのです。

僕にとっても良い経験となりました。

不満や怒りを抱えると腰痛につながる?
なぜ腰痛が良くなったの?
そんな疑問を抱きましたが、ちゃんと研究もされているんですよね。

怒りの存在、激しさ、表現に加えて、怒りの標的は、慢性的な痛みに対する心理的適応をよりよく理解するために重要かもしれません。

このような情報も

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19146872/

痛みと怒りの両方の調節の根底にある重複する神経回路をサポートするように概説されています。これらの回路は、怒りと痛みの反応性との間に観察された正の関連性の潜在的な神経基盤を提供します。これらの連結された脳領域の活動を調節する内因性オピオイドの役割が調査され、怒りの痛みに関連する影響を理解するための意味が説明されています。

腰痛って、筋筋膜の異常、柔軟性の欠如、お腹周りの硬さ、昔の手首のケガや足首のケガ、腎臓の異常、砂糖や人工甘味料、グルテン等原因が様々で、決まった解決策が無いのです。

その証拠に、腰痛で整形外科を受診して、何年も通っているのに治らないケースが多いのです。
レントゲンを撮っても、MRIを撮ってもそこに映り出されるものは腰痛の原因のほんの一部しか写りません。
また、そこ(腰)に原因が無い事がほとんどです。※高齢者に多い腰椎圧迫骨折等はレントゲンでも確認できます。

余談ですが、腰痛に限らず、関節痛などの痛みの原因は痛みを感じている箇所だけではなく、その箇所以外に痛みの原因が隠れていることがほとんどです。痛みを感じてる箇所には原因が無いというのはある意味当たり前でもあるので、痛みを感じている部分だけ見ていても解決しないことは多いのです。

今回のケースのように、怒りが腰痛につながるケースでは原因が特定されにくいため慢性化しやすいです。

この方はこの時以来こられることはありませんでしたが、良くなったのかな〜とふと思い返したりします。

僕がなにか特別なことをしたわけではないのだけど、ひたすら傾聴していただけで、施術する事もなくその場で腰痛が楽になったという、これまでに経験したことのない衝撃的な場面だったので、思い出しては気になったりするのです。

そういう経験をしたことで、施術だけ、食事や栄養だけで何事も解決するという発想がだいぶ薄れてきましたね。10年ぐらい前までは施術のウデが全てと思い込んでいましたよ^^;
もちろんどちらも大切ですよ。このような場合だと、多くはマグネシウム不足、貧血(隠れ貧血)、低血糖、精製糖質(特にパンや甘いもの)過多となっている事が多いので、そこの解決は必須です。
また、頭蓋骨から背骨が硬くなっており、そこを緩めていく事で心も緩んでいきます。
でも、このような痛みがある場合は、施術や栄養療法だけでは効果はあまり期待できないかもしれません。
食生活を含めた生活環境一つひとつを見直していかないと解決は困難です。


一つの事を専門的に、職人的に極めることも素晴らしいけど、様々な視点から問題点を見つけ出して解決策を提案できると、より多くの方の不調を解消に導けるのではないかと思う今日この頃です。

これを考えると様々な分野を学ぶ必要があるので、今世ですべてを学べるのか!?と考えたりします(笑)

できる事をやり続けるだけです。

しかし、よく3時間も傾聴できたもんだ。
意外な才能に気づけました(笑)

それで来てくださる方々の人生に役立てば幸いです。

日々勉強。

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