あったかいお風呂に入る

自分がいるだけでホッとする場所
話したければ話せばいいし
話したくなければ黙ってても居心地が悪くない
そこにいるだけで無防備になれる場所はありますか?

1人が1番
家族といる家
友達の中
職場

多分、居心地のいい
あったかいお風呂みたいな場所は
人それぞれなんだと思う。

そこは絶対に他者から与えられたものではない
各々が頑張って、努力して手に入れた場所
だからこそ、なににも変えがたい
価値があるんだと私は思っている。


前回、私にとっての「あったかいお風呂」
は家族といる家だったと書いた。

多分、今悩んでいる人は
「私に居場所なんてないよ」
「親の理解があるなんて恵まれてる」
って思っているかもしれない
だって私がそうだったから。


最初は両親とも学校に行け!
というか、行かないことがあり得ない
なんで行かないの??
という反応だった

毎朝学校に行く時間になると
母は起こしにきて
(私は行きたくないのだから当然起きない)
のろのろと重い体をあげ制服に着替える
喪服なんじゃないかと思うくらいの
はっきりとした黒と白のセーラー服
その姿で気が重すぎて味のしない
朝ごはんを食べて、家を出る

でも、いざ家から出ると
マンションの階段を降りることができない
ここから先は敵しかいないし
家に帰ることもできない
誰も降りてこないことを願いながら
階段の隅にずっといた

でも、学校は無情で登校しない生徒の家に
連絡するんですよね…
あっさり、親に見つかり
そこまで行きたくないならと家に迎えてもらう
「よかった、やっと諦めてくれた」
そう思いながら家に入るのだ

この時期は、どっちが諦めるかの我慢比べを
毎朝していたように思う
学校にどうしたって行かないし、行けない
両親と喧嘩をしたことのない私のできる
唯一のSOSの出し方だった

こんな日々が続き
諦めたのか両親は、私に学校に行く事を
無理強いしなくなった

でも、両親には私がただ惰眠を貪ってるように見えたのか、それとも違う理由だったのか
父との言い争いの日々が始まった

今では何を発端に毎回言い争いをしていたのか
思い出せない
だだ、顔を合わせると父から小言を言われ
出来ないんだからわかってよ!
の繰り返しだったと思う

ある日また同じように言い争いになり
私は部屋に篭った
もう言い争いもしたくない、学校には行けない
なんで自分がこうなってしまったのか
両親が望む通りにできない自分に嫌気がさした

こんな子供いなければ、両親は楽になるんじゃないか?
今死んでも誰も悲しまないだろうからな
飛び降りたら痛いのかな?
死ぬのに痛いのは嫌だな…
そんな事を考えて窓を開けて
下に見える駐車場を眺めていた

泣く声も聞こえない、静かな私を
不審に思ったのだろう
両親が部屋を覗くと、死にたいと窓の外を見る私がいた

その時、両親は本当に私が死ぬんじゃないか
と思ったそうだ

私は両親からの愛情に期待をしていなかった
自分の期待を裏切り続けた人間を誰が愛せるの?
そう思っていたからだ
でも、両親は違った
泣きながら、ごめんねと言い抱きしめてくれた

ここで初めて、私のどうしようもない思いが
両親に伝わったのだと思う
これをきっかけに、家は私のあったかいお風呂になった

別に、これで全てが解決したわけじゃない
父との言い争いが全くなくなったわけでもないし
私がすぐに学校に行けたわけでもない
だだ、自分の居場所を作ることには成功した

私は恵まれていたと思うし
本当に周りの人に助けられた
でも、居場所は自分で作る
全てハンドメイドのオンリーワンだよ!
作ることを面倒と思って辞めてしまうか
必死にSOSを出して理解を求めるか
それは自分次第だと思う
両親に理解を求められないのであれば
他に求めてもいいんだ

ただ、死ぬことに居心地のよさは
感じないでほしい
死んでも誰も悲しまないなんて嘘だし
幻想だって私は言える
少なくとも、SNSだろうがなんであろうが
私と関わってくれた人が死んでしまったら
私は悲しい
現に私は死ななくてよかったと
心から言える


次は、こんな死にたがっていた私から
ちょっとだけ明るい話をしたいと思う

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