ザッツこいちゃん第5回ゆnovation「朗らかに」(から考えるさとり世代)
好きなんですよ。このアルバム。
ゆnovationさんで「朗らかに」でございます。
ゆnovationさんと言いますと、大阪在住の鍵盤ハーモニカ奏者でありましてそんでトラックメイカーという方なんでございます。鍵盤ハーモニカって学校で習う楽器…ってなイメージが強すぎてなかなかプレイヤーのイメージはありませんよね。そんなとこもまさにイノベーションってわけだ。
最初はなんかtofubeats(さん)がむっちゃおすすめしてんなぁくらいの感じで聴いたんですけど、これがまぁすごい良くて、つい好きになっちゃいました。
鍵盤ハーモニカが当然のように音を鳴らしてるってのはもちろん新鮮だし、鍵盤ハーモニカ聞きなれていなくてもすごい上手なのが分かります。
アルバムの構成も良いし、フルートとか、音のレイヤー感も今っぽくて最高!!(素人目ではあるけれども)
なんですけど今回のアルバムで個人的にびびり倒しちまったのはなんといっても歌詞。
検索したかったことも2秒後に忘れるような
映画もとばしながらでないと観れないような
とぎれとぎれの今をただ流し込むような
今の方が、幸せな気持ちで過ごしているな
(#5 ある程度ある)
正直僕は映画を飛ばしながら見たりとかしたことないですし、見てられないからとばしちゃおうと思ったこともないんですけど。友達にAmazonプライムで孤独のグルメを1.3倍速で延々と流しながら暮らしてる女子大生がいるんですよね。1回聴いただけでその子を思い出してしまって、あぁなんかすげーリアルだな。と思えたんです。今思うとその入り方が良かったのか、妙に歌詞が刺さる刺さる。
特別に重点を置かず、ほどほどに組み合わす
上にのぼるよりできるだけ長く続ける
あー。
身を削り身に着けたことも5年後にはガラクタに
身の丈に合うものだけが続いてゆくように
ミニマルを目指すなら
「今より」をあきらめて
「今の方が幸せ」の気持ちで過ごしてゆく
うーむ。
切り刻まれてるわけなんですよ。この時代と、さとり世代が。
さとり世代とは(wikipedia)
これは現代の若者気質から作られた言葉であり、2010年代に若年世代であった者たちが物欲にこだわる煩悩から解脱し、あたかも悟りを開いているかのように見えたところから生まれた言葉。範囲は、一説として1987年から2004年生まれを指すことが一般的である。
ってなわけなんですけどこの曲のすごいのは単なる共感ソングじゃなくて明るい曲調の中で皮肉とか諦念みたいなものが鮮烈に切り出されてるっちゅーところ。
やりたいこともないわけじゃないが、別に自分がやるほどのことでもないし、新しいことってめんどくさいし、身の丈ってもんがあるし。
そんな言い訳かつ真理がどっさり詰まってんですなぁこの曲は。
そして最後の曲「wannasing」こちらでゆnovationはひとつの答えを提示してくれている。
こちらもとんでもなく、良かった!!
切って貼ってmix upするだけだって
クリエイティブ 素敵だね!
ママが毎朝作るお弁当だってそう
(#7)wannasing
出来上がったものにクオリティの差があろうとも、その創作行為自体はどんな小さなことでも否定されるもんじゃないってゆnovationちゃんは言ってくれてる気がする。
きっとそういうことの積み重ねが「朗らか」な生き方なんだって気づいたんだろう。ゆnovationちゃん、それってラブなんだぜ。
しかしそこでママのお弁当が出てくるところに本当にセンスを感じます。「今日はこんなごはん作ってみようかしら。」それで良いじゃねーか!ママのお弁当あんま食ったことねーけど!
こいちゃんチョイスは以下になります。
#1「朗らかに」#4「town fair」#5「ある程度ある」#6「難波ナイトアウト御殿」#7「wannasing」
浪速の女子大生である(ってことは後から知って驚くと共に納得しました)ゆnovationちゃん。紹介しつくせないくらいリアルすぎてちょっと怖い歌詞と圧倒的にポップな鍵盤ハーモニカをぜひ聴いてみていただきたい。
そしてこちらはクリエイティブされたばかりのできたてほやほやのママのお弁当です。ぜひ聴いていただきたい。
しがないネットラジオを朗らかにやってる男子大学生3人にも「クリエイティブ、素敵だね!」って言ってほしい。だってそれってラブなんだもの。