16.あなたとつながる

これは私の友人のエピソードだ。

彼はその日、痛飲ののち泥酔していた。飲み交わした仲間と別れ、なんとかA駅で終電間際の電車に乗り込み座席に腰をおろした彼は、よくわからないまま自分の隣に座っていた青年にこう言った。

「俺、H駅で降りなあかんねんけどべろべろやねん、もし寝てもうてたら起こしてな」

そして彼は眠りについた。

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