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西洋占星術で観る映画 ポール・トーマス・アンダーソン監督(蟹座)  現実と欲望の相克に生きる

大いにネタバレあります。ご注意ください。

エイミーマン(乙女座)の音楽が輝き、20代の方が観たならば非常に印象が残る「マグノリア」、石油王の半生を綴った「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」など「ダメ人間」の話がお得意なポールトーマスアンダーソン監督です。

蟹座のテーマとして「現実と欲望の相克に生きる」というのがあります。

そして監督の作品であるマグノリアは「欲望の話」で、ゼアウィルビーブラッドは「現実の話」であると思います。

「マグノリア」は最初に「他人に嫌な事をすると、意外な形で自分に嫌な事が返ってくる」という感じのお話の解説があります。そういう哲学的なお話かと思いきや、トム・クルーズ(蟹座)演じる「自己啓発セミナーの講師」役は、「Respect your co○k!!!!」とか言って、本当にありそうな自己啓発セミナーで、リアリティに溢れております。と思いきや、後半「あれ」が空から降ってきて、登場人物全員の悩みが解決されていくというお話です。(ただし一人は除く)
その「あれ」が「まんま」過ぎてリアリティがあると同時に、空から「あれ」が降ってくる訳がないので欲望ともとれます。

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は100年ぐらい前のアメリカの話であり、「石油屋」という石油を掘って儲けている男の話です。オープニングからホラー映画のような不気味な音楽が鳴り、「何が起こるんだ!?」と思ってたら何も起こらず、関西人チックに「オチは?」という感じになりました。エンドロールで音楽はレディオヘッドのジョニーグリーンウッド(蠍座)が担当している事が分かり、納得しました。その石油屋は息子を連れて歩いており、非常に溺愛しています。また途中で出会った牧師と仲良くする為に、その牧師のいる教会に入信します。しかしラストあたりで石油屋は「石油王」となり大金持ちになる訳ですが、成人した自分の溺愛していた息子には「お前は孤児で、石油の採掘作業中に死んだ作業員の子どもだ」と告げ勘当してしまいます。牧師には「お前は無能だ」と告げ、撲殺してしまいます。

しかし、石油屋の「家族への憧れ」や「信仰への憧れ」が透けて見えてしまうようなお話です。その証拠に「血の繋がりのない息子」に対してはとても可愛がっているのです。そういう「欲望」あるいは「愛」の一切を手放し、ひたすら「成功者」として歩んだ男の姿が描かれているストーリーです。

ところで、女性の蟹座はスピリチュアルな事や占いなどは12星座中トップ1,2位を争うぐらいで大好きらしいですが、男性の蟹座は苦手というか信じたくないらしいです。
監督の作品からまさしくそういう「現実の葛藤」が見え隠れします。

正直この記事書くために「ゼアウィルビーブラッド」観ました。他のポール・トーマス・アンダーソン監督の作品も観たいです!

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