【ラーメンズマニア向け小説】箱
〇アイデアを求めて
ノートパソコンと睨み合って早3時間。
シナリオコンクールまであと1ヶ月を切ったというのに、まったくアイデアが出ない。ひともじも進まない。
「ああ、もう!」
頭を掻きむしったところでなにか出るわけもない。長い髪が絡まっただけだ。時計の針の音と壊れかけた扇風機の首を振る音が耳につく。
このところ四六時中アイデアを探した。
映画も舞台も、ちょっと無理して見まくった。
近所を歩いてもみた。向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに。
とりあえ