ドイツのライムギパンについて語る
私はドイツで食べられているライムギを主原料としたサワー種のパンが大好物だ. 私の食べ方のこだわりについて少々語りたいと思う.
まずパンの焼き加減だが, これはライムギの含有量が多いほど焼き時間を短くしている. 例えば. ロッゲンフォルコーンブロートは焼かずに食べる. こうすることで酸味とライムギの香りをダイレクトに感じられ, 独特のむっちり感とずっしり感を楽しめる. ロッゲンミッシュブロートは焦げ目が付かず表面が少しサクッとなり, 内側が温まるように焼く. こうすると, ライムギの香りに香ばしさが加わる. 小麦が少し加わることで焼いたとき全体のまとまりを感じられるようになる. そして最後にカンパーニュ(これはドイツのパンではないが)になると, しっかり焼いて小麦の香りを引き出し, 軽さを出すと美味しい.
次に合わせるものについてだ. もちろんドイツのソーセージやハム, ザワークラウトやマスタードを挟んでサンドイッチにしたり, 北欧のようにスモーブローにするのも最高だが, ここではチーズとバターに焦点を絞って話していきたい.
ライムギが多めのパンにはハードチーズ, セミハードチーズがよく合う. ライムギが多いほどより熟成期間が長く硬質のチーズを合わせるといい. 一般的には濃厚だったり, 香りの強いチーズが合うとされているが, 私はこちらのほうが好きだ. 私なりに合う理由を考えてみると, ドイツの大型パンのようにストレートな発酵の風味を与えるものはその発酵の過程でライムギ, 小麦の旨み(本当は発酵により生成される様々な成分のことを言うのだろうが, 便利なのでこの言葉を使おう)を引き出すことに全てがかかっている―発酵に全てがかかっている―ように思える. 同じように着飾らず, 言わばミルクの旨みを引き出すハードチーズ, セミハードチーズは, ライムギパンに相性抜群と言えるのではないか.
カンパーニュやバゲットには白カビやウォッシュが合う(フォンドールは有名な食べ方だ. 当に天国に昇るような幸福感が得られる. 一種の麻薬ではないかと疑ってしまうほどだ) フランスのリーンなパンには香りを受け止め調和する特性があるのかもしない. また, 焼きたてのバゲット1本にハモンセラーノやプロシュートなどと, ロックフォールやブルー・デ・コースなどを挟んだものはその香りのハーモニーで頭がクラクラするほど美味しい. もちろんシェーブルチーズを乗せてカリカリに焼いてサラダにして食べるのも美味しい. カンパーニュやバゲットは個性的な香りと最高のハーモニーを奏でると言えるだろう.
次にバターについてだが, これは種類に限らず発酵バター1択だ. もちろん, たっぷりと乗せることを忘れずに. (余談だが, 不思議なことにイタリアのパンにはオリーブオイルが合うのだ. これがテロワールというやつか.)
いろいろと語ってきたが, まだドイツパンについて知り尽くしているわけではないし, チーズに関しても然りだ. もっと勉強して, いずれは現地で学びたいものだ.
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