アンチョビののったピッツァについて

アンチョビといえば,  パスタやアンティパストによく使われる印象があるが,  アンチョビのピッツァはどのような特徴を持つのか.  見ていこうと思う.

そもそもアンチョビとは

アンチョビはカタクチイワシを塩漬けにして,  長期間発酵,  熟成させたものである.  この工程によって,  強い旨みと塩味を持つことが特徴で,  カタクチイワシの独特な風味も相まって,  調味料として利用されている.  中にはオイル漬けになっているものもあって,  こちらは塩気がそこまで強くない.  また,  アンチョビを作る過程でとれる魚醤のことをコラトゥーラと呼ぶ.  こちらも旨みの詰まった液体で,  アーリオ・オーリオなどに加えると味のクオリティがグッと増す.

アンチョビののったピッツァには,  アッチューゲ,  シチリアーナ,  ロマーナなどがあり,  アッチューゲはマリナーラにアンチョビをのせたもの,  シチリアーナはそこにさらにオリーブとケッパーがのったものである.  ロマーナはマルゲリータにアンチョビをのせたピッツァだ.
ピッツァにアンチョビをのせることで,  旨みと風味を加えることができるが,  それに加えて,  トマトソースとのマリアージュがあるのではないかと私は考える.
イワシやアジ,  サバなどの青魚はトマトとの相性が良い.  恐らく,  魚の風味とトマトの酸味が合うのだろう.
こうした点から.  ピッツァにアンチョビをのせることは非常に理にかなっているといえるのではないか.
また,  シチリアーナはプッタネスカソースと同じような食材構成をしている.  このようなことからも,  ピッツァにアンチョビをのせることが長年の人々の経験に基づいたマリアージュといえるのではないか.

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