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1209環境でアライブxインフェが優勝するまで

1209環境そのままにゲームが出来る「熱波亭」の第3回。チームのメンバーの支えもあって優勝することができましたGと申します!(人生初決勝、初優勝でした〜!)改めてチームメイト、運営の皆様、対戦してくださった皆様に厚く御礼申し上げます。(さっさと内容が読みたい人は目次まで飛ばしてください)

熱波亭には第1回から参加していて、通算戦績は以下の通りです。
第1回 使用:アライブヒーロー(44枚)
→ベスト8
第1.5回 使用:アライブインフェ(47枚)
→初戦優勝者に勝ち(2-1)
第2回 仕事
→0回戦敗退
第3回 使用:アライブインフェ(60枚)
→優勝
(こうしてみると改めて、日に日にデッキ枚数が肥えていっているのがわかりますね。)

熱波亭初のチーム戦となった第3回熱波亭は、開幕直後のデッキ分布から既に波乱でした。tier1の【炎星】と【水精鱗】が順当にトップシェアになるかと思いきや、【インフェルニティ】が【炎星】に次ぐシェア2位に位置します。大会結果の発表後も、優勝・準優勝チーム共に水属性一色で、環境トップとされる【炎星】が0だったことは、ゲートボール界隈では衝撃の目で受け止められたはずです。おそらく(手前味噌ではありますが)中でも60枚構築のレシピは特筆して奇抜に映ったことでしょう。旧Twitter上でも「知らないデッキが優勝してる。60枚構築なんて当時聞いたこともない」と取り上げてくださる方がおり、「60枚」でエゴサしていた私はついついニチャアしてしまいました。私は頑なに【アライブヒーロー】を使い続けていたつもりなのですが、自分自身【アライブインフェ】と呼んでいたり、デッキ分布では【インフェルニティ】に属していたり、なかなか思うようにはいかないものですね(出来たらアライブヒーローとして初めてのレシピになりたかった)。そういうわけで、かかる奇抜な構築主の思考過程を記録しておくことは、ともすれば硬直的な思考へ陥りかねないゲートボールという「停止したはずの時間」において、アバンギャルドの可能性を提起できるのではないかと気が大きくなって書いたのがこの記事です。
※追記:デッキ名については、熱波亭運営の方は相当向き合ってくださって、なんと【インフェルニティ】プレイヤーとして著名なガラムさんに確認を取ってくれたそうです!恐れ多いことに【インフェルニティ】認定になったとのことで、今まで【インフェルニティ】プレイヤーを自認したことのない私は大層驚きました。10年越しにインフェデビューです。

さて、学術論文はちょいちょい書いたことがありますが、普通に物を書くのは『シン仮面ライダー(2023年3月)』の鑑賞レポ以来です。生暖かい目でしばし拙文にお付き合いください。

以下、おしながき


○デッキ選択


第1回熱波亭で【アライブヒーロー】を選んだのは、まずデッキそのものに対する習熟度と、シンプルな殺傷力の高さのためでした。

(他のプレイヤーも)1209環境が久しぶりで調整不足が否めないことを考えると、昔とった杵柄で習熟度の高いデッキを選ぶことは、デッキそのもののポテンシャルとは異なるベクトルで合理的な選択理由となり得るでしょう。現に第1回の上位入賞者は、多くが当時から使用していたデッキを選択しています。

また殺傷力の点では、アライブヒーローは〈戦士族×2〉でエクシーズできる〈H-Cエクスカリバー〉や〈機甲忍者ブレード・ハート〉でワンキルを目指すシンプルなデッキコンセプトが魅力でした。同様に殺傷力の高い【ゼンマイ】などに比べると、対面によるプレイの分岐が多くないことは差別化ポイントです。

練度の差が壁になることは容易に想像ができ、結果的にその差が如実に現れたゲームが動画に残っていることは、その一つの結実と言えます。楽しめればいいかな、と参加した熱波亭で、なまじ決勝トーナメントにあがってしまった成功体験は、これから寝不足の日々へ私を引き摺り込んで行きました。

○構築の変遷


第一期 アライブヒーロー

第1回熱波亭時のレシピ

第1回熱波亭より先、秋葉原の福々トレカで行われていたコラボ大会でも【アライブヒーロー】を使用しました。そからの変更点は、〈E・HEROアナザーネオス〉と〈禁じられた聖杯〉の採用です。
福々トレカの反省点として①攻め手を〈H-Cエクスカリバー〉〈機甲忍者ブレードハート〉〈ミラクルフュージョン〉に依存すると罠を踏み越えきれない。②〈E・HEROバブルマン〉を特殊召喚する以上、手札の魔法罠を全伏せする必要があり、〈大嵐〉〈ブラック・ローズ・ドラゴン〉を重く受けやすい。が挙げられました。
前者に対して【アライブヒーロー】ができる対応は①〈デュアルスパーク〉〈ヒーロー・ブラスト〉を採用しミッドレンジに寄せる
②〈マスク・チェンジ〉を採用し、〈M・HEROアシッド〉でのバック破壊を狙う。
の2択があり、使い慣れた①のプランから始まりました。〈E・HEROアナザーネオス〉の採用により、〈ダイガスタ・エメラル〉からの蘇生でライフカットの選択肢を増やすことができるほか、炎星の〈デモンズ・チェーン〉に強く出られるというこの環境特有の強みも存在します。但し〈ヒーロー・ブラスト〉に限っては、相手ターンに〈E・HEROアナザーネオス〉を回収してしまう都合上、ハンドでモンスターがダブついてしまったり、〈タスケナイト〉の発動条件を阻害したりということが発生したため早々に抜けていきました。
〈禁じられた聖杯〉は主に水精鱗の〈ブラック・ローズ・ドラゴン〉〈発条機雷ゼンマイン〉〈A・O・Jカタストル〉といった、(枠数に厳しさのある)メインのエクストラでは対処が難しいカードに対応することを目的として投入しました。〈BF-精鋭のゼピュロス〉との相性が見込める〈デモンズ・チェーン〉も一考の余地がありましたが、〈サイクロン〉が3枚ある環境ではむしろ〈ヴェルズ・オピオン〉にも強く出られる〈ブレイクスルースキル〉の方が優先度は高いと感じました。ブレイクスルーより聖杯が優先されたのは、炎星との打点勝負の可能性や、サイチェン後の〈ライトロードハンターライコウ〉〈スノーマンイーター〉などにも対応できること、即効魔法特有の速さなどを総合的に鑑みて、デッキコンセプトに合うと思われたためです。

8000削れば勝ちなので、序盤は〈ヒーローアライブ〉→〈E・HEROエアーマン〉→〈E・HEROオーシャン〉と続け、〈超融合〉と〈リビングデッドの呼び声〉のセットが理想形です。前線は維持しつつ、相手の前を退かすことで早期のワンキルを目指しているので、罠の選択は相手のモンスターセットエンドでも退かしてワンキルできる〈強制脱出装置〉と、相手の場だけを掃討できる可能性がある〈聖なるバリア-ミラーフォース〉になっています。

第1回での熱波亭戦績
①【水精鱗】×○ET○
②【炎王】○○
③【4軸炎星】○○
④【水精鱗】(やまなしさん)××
⑤【4軸炎星】(Mameさん)××
⑥【水精鱗】(やまなしさん)×ET×
序盤の快勝が嘘のように失速していく様はさながら旧枢軸国です。

特にやまなしさんとの対戦の敗北から学ぶことは多く、先の〈ブラック・ローズ・ドラゴン〉の重さに気づけたのも、【水精鱗】側のリソース管理、こちらが用意すべき妨害に求められる質を高める必要性といった課題にぶつかったのも、やまなしさんとの対戦の中に見出したものです。第3回では冗談混じりにご本人へ「やまなしさんにもう負けたくなくてこの1ヶ月ずっと遊戯王のこと考えてました」とお伝えすると、「そんな俺のせいみたいに笑」とお返しくださるという一幕もありまして、第1回大会以後は文字通り、夜を徹する勢いでヒーローのことに頭を擡げる日々を過ごすことになりました。彼の罠の超え方、特に第2回決勝でも見せている〈ブラック・ローズ・ドラゴン〉を勝ちに繋げる出し方、リソース管理、時間管理、ご本人の人当たりの良さも含めて、学ぶ上で1209環境に欠かせないプレイヤーです。

第二期 アライブ黒インフェ

インフェルニティを混ぜ始めた頃の構築。
〈ZERO-MAX〉が入ったり抜けたりしていた。

【アライブヒロビ】の反省点は(プレイ面はさておき)以下の3点に集約されます。
①ヒーローにアクセスできない
→エマコアライブ準制限でデッキの安定感が低下しています。〈未来融合フューチャーフュージョン〉も使えないので、シンプルな動きをするデッキの反面で、それが成立しないことは泥試合を招きました。
②妨害の質が低い
→殺意に全振りしているため多少は目を瞑りますが、罠の剥がし合いで相応の勝負ができなければ、ライフカットにたどり着けません。前を退かすことでワンキルの成功率はあがるので、シンプルに妨害の質が高まればワンキルの機会も増えるだろうと、安直な発想を重ねていきます。
③全体除去を重く受けすぎる
→やむを得ず〈E・HEROバブルマン〉のssを強いられる場面は少なくないことが。手札全伏せに対する〈大嵐〉などを不可避にします。多くのデッキは伏せの枚数を調節することでこれに対応しているわけですが、この環境には温存したカードをハンデスする〈氷霊神ムーラングレイス〉という脅威があります。【アライブヒーロー】はハンドレス状態も少なくなく、打たれたとしてもゼピュロスやタスケナイトと言った手札から捨てたいカードが多い部分を、むしろ強みに変えられないか、ということは並行して考慮していました(これがインフェルニティ採用の遠因になります)。

そこで①〈E・HEROエアーマン〉以外を起点とした動きの採用→〈ダークグレファー〉〈終末の騎士〉+〈E・HEROバブルマン〉でエクシーズでき、〈増援〉を共有しているので動きに幅が出る。エアーバブルの枚数が温存できる分、単純な息切れをしにくくもなります。
②妨害の質→〈神の宣告〉に匹敵する万能妨害で、〈エフェクトヴェーラー〉や〈冥府の使者ゴーズ〉にまで対応できる〈インフェルニティバリア〉と、フリチェ除去が強い1209環境において破格の性能を持つ〈インフェルニティブレイク〉を有し、どちらも容易にサーチ可能で素引きも強い。
③全体除去体制→〈インフェルニティバリア〉のサーチによって一定程度の耐久度を発揮できる。
それぞれ【アライブヒーロー】で気になっていた構築上の欠点は、同じくハンドレス状況をゲームの基軸にしている【インフェルニティ】と相性が良く、また【インフェルニティ】側としても、容易に4エクシーズでき〈ラヴァルバル・チェイン〉へのアクセスを可能にする【アライブヒーロー】との相性は悪くありません。エクシーズ軸の【インフェルニティ】が苦手としやすい火力の部分は、まさに【アライブヒーロー】の強みとするところです。

この構築に固有の採用カードとして〈D・HEROダイヤモンドガイ〉があります。〈E・HEROエアーマン〉からサーチ可能で〈ダークグレファー〉や〈闇の誘惑〉のコストにでき、〈ZERO-MAX〉などのコストを無視できる可能性を秘めていました。当時はデッキの約半数が通常魔法になっていたこともあり積極的に使っていましたが、やがて通常魔法である〈ナイトショット〉が速攻魔法〈サイクロン〉に代わり、召喚権を別のカードに割く必要が大きくなるに従って、事故要因としての部分が無視できなくなり暫くののち抜けていきました。

この初期構築の課題には①爆発力不足(思っていたほどバリアブレイクが用意できない②手札事故(頼みの綱の〈インフェルニティ・インフェルノ〉はアド損する上に遅い、の2点がありました。特にインフェルノの遅さとアド損は致命的で、【3軸炎星】のような動きながらアドを取れるデッキがあるにも拘らず、動くためにアド損が要求されるのではデッキ選択の意味がありません。

バリアブレイクをサーチするだけなら必要枚数ギリギリのインフェルニティ要素でよいだろうと思っていた当初でしたが、先行バリアブレイクの可能性を少しでも高めるために求められたのが次の構築でした。

第三期 アライブ白インフェ(リベンジャー型)

デッキが分厚くなり始めた頃、当初は一時休戦や墓穴の道連れが搭載されていた

当然予測できることとして、インフェルニティ要素が混ざることによって起きる手札事故がありました。この頃はモンスターの枚数が18枚前後で、手札にモンスターを4枚以上引いてしまう確率を10%未満、且つ〈ダークグレファー〉込みでモンスターの引きすぎを解決できる割合を高めるギリギリの枚数が56〜58枚程でした。〈大嵐〉などのパワーカードを引ける確率やトップデーモンやトップバブル、トップミラクルといった派手なプレイができる確率は落ちますが、全体のプレイが平均化されることを自分なりに目指す方向へ舵を取ったわけです。どんぶり勘定ですが、3/40(7.5%)の確率で起こせるトップデーモンかトップミラクルならば、9/60(15%)でいずれか1つを起こす方が結果トップ勝負に強いことになりますし、そもそもこの構築、この環境ではトップデーモンができたとしても返せる盤面には限りがあります。トップ勝負になることより、序盤のゲームメイクで躓かない方が強そうな気がします。

この頃は先行バリアブレイクを主眼に置いた構築にしていて、〈インフェルニティ・リベンジャー〉〈A・O・Jカタストル〉〈墓穴の道連れ〉〈一時休戦〉の採用を検討していました。

バリアブレイクを成立させるためには1枚の〈インフェルニティ・デーモン〉を2度ssするのが基本で、1度ssした〈インフェルニティ・デーモン〉を墓地に落とす手段が必要になります。場に〈インフェルニティ・デーモン〉〈インフェルニティ・リベンジャー〉効果未使用の〈インフェルニティ・ネクロマンサー〉が成立した場合に、〈A・O・Jカタストル〉を経由すればもう一枚罠を追加できるために採用されました。【炎星】【水精鱗】がメインシェアの環境ではカタストル自身の効果にも有用性が見出せます。〈インフェルニティ・リベンジャー〉自身も耐久力の高いカードで、〈タスケナイト〉と併用すれば相応のターンを誤魔化し切る期待が持てる点を高く評価していました。【インフェルニティ】のプレイヤーとして名高いタイチさんも2012年の選考会ではリベンジャー型を採用していた為、これを基本路線にしていく意志が固まっていきます。

〈墓穴の道連れ〉は、手札が1枚の状態で不要な闇を捨てながら、相手の返し札と情報アドバンテージを奪った上で、〈ラヴァルバル・チェイン〉によるトップ操作からのトップデーモンに繋がります。先行で相手の〈大嵐〉を捨てる成功体験を味わってしまった日には一生抜きたくないカードになるから良くありません。〈成金ゴブリン〉と異なり、〈インフェルニティ・デーモン〉の効果がタイミングを逃さないことや〈インフェルニティバリア〉の的を絞ることがデッキと好相性で、先行バリアブレイクを目指したこの構築では重用されていました。しかし、使っていくに従って、【アライブインフェ】の手札事故は手札に〈インフェルニティ・デーモン〉と〈E・HEROバブルマン〉が残ってしまった場合であると気づき、その状態で〈墓穴の道連れ〉を打っても〈E・HEROバブルマン〉だけが墓地に行くジレンマに衝突します。ハンドレスになっている間は発動すらできなくなり腐ってしまうのが懸念され、あえなく不採用となりました。

〈一時休戦〉は、〈墓穴の道連れ〉と同様、予約したトップデーモンを能動的に発動できる点が強みです。また、【アライブヒーロー】の懸念だった妨害の薄さも、副次的効果によって1ターン無視して良いのは魅力でした。ETに突っ込む可能性も高いデッキだったため、最後までお守りとしての採用を考えていましたが、そもそも予約したデーモンをアド損しながら引きに行くプレイ自体の評価が下がり、不採用となりました。

というのも、予約したデーモンを引きに行けるプレイが期待できるのは原則先行1ターン目に限られていて、予約したデーモンを引かなければならない状態は〈ラヴァルバル・チェイン〉までしか辿り着けず、〈インフェルニティ・デーモン〉で1妨害を作るのがやっとの場合です。もしそうした動きができる手札なのであれば予約デーモンを引かずとも、蘇生札等で動けているはずですし、動けないから苦し紛れに1妨害を用意しているのに、相手に+1アド与えているのであれば、相手はその1枚を以てこちらの盤面を攻略できる機会が増えすことができてしまいます。ならば初めから貴重な〈ラヴァルバル・チェイン〉を消費してまで行うべきプレイではないでしょう。

〈インフェルニティ・リベンジャー〉自体も悩みのあるカードです。このカードを採用することで〈煉獄龍オーガ・ドラグーン〉が採用でき、先攻の制圧力が高まります。また、〈ワン・フォー・ワン〉の採用で〈インフェルニティ・リベンジャー〉へのアクセスを増やすと〈インフェルニティ・ミラージュ〉の採用の道が開け、併せて〈ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン〉の採用によりバリアブレイクの追加が容易になっています。展開できた時の爆発力を有しますが、やはり安定感を引き換えにしているところがありました。特に後攻でどう妨害を超えるのか、事故率の低減をどう実現するのかが意識されます。この頃から、単体でも機能し奈落にかからない〈終末の騎士〉の有り難みが〈ダークグレファー〉に優先していきました。

第四期 アライブ白インフェ(ビートル型)

この頃が一番ヒーロー要素が薄まっていて好きになれない構築。ここには載っていないが〈D・D・R〉や〈フォトン・ストリーク・バウンサー〉が採用されていた。

今思い返すと迷走を絵に描いたようような構築です。事故を回避したいと言っているのに〈インフェルニティ・ビートル〉を採用し、〈D・HEROディアボリックガイ〉まで採用されているのは〈D・D・R〉の存在のためです。〈D・HEROディアボリックガイ〉自体がダークグレファーのssに対応しているのはもちろん、除外した〈D・HEROディアボリックガイ〉を〈D・D・R〉でssする過程で手札にだぶついたモンスターを処理しながら〈フォトン・ストリーク・バウンサー〉で1妨害を立てることができます。この時期が一番インフェ要素を強めていて、4エクシーズの重要性が減じた為〈E・エマージェンシーコール〉も枚数を減らしています。この構築は全ての採用理由が事故らなくても1妨害を成立させることに終始し始めていて、結果的に「事故ってないけどアド損しながら1妨害を立てるだけ」に陥っていました。ディアボD・D・Rセットは隙があれば他のデッキでも使いたいくらい好きな組み合わせだったのですが、言うほど強い動きになれなかったこと、エクストラの枠を圧迫していること、そして白型に共通して言えることですが、この環境の〈煉獄龍オーガ・ドラグーン〉が先攻以外でさほど強く無い(こちらの成立コストに対して捲る手段が多すぎる)ことまで含めて、白型は順当に諦めていきました。

第五期 アライブ黒インフェ(簡易マスク型)

この頃出たのが1.5回熱波亭で、自らの拙いプレイを除けばかなり安定した動き出し、罠との向き合いができていました。大会の仕組み上やむを得ませんでしたが、優勝したきょろろさんの【ヴェルズ】に初戦で勝利していることだけは付言しておきたいです…!一応…!

1.5回熱波亭頃の構築。当日はこれに加えて〈魔界発現世行きデスガイド〉がピン挿しされていた。

デッキ枚数をなるべく薄めに保ちつつも、当初の目標だった「サーチできる追加妨害」だけを目指した黒型アライブインフェです。初期のものに比べると、インフェルニティの枚数の減少、〈ダークグレファー〉ではなくて〈終末の騎士〉のフル投入、〈簡易融合〉の増量、〈マスク・チェンジ〉〈魔界発現世行きデスガイド〉〈サンダー・ブレイク〉(リストにはありませんが〈ブリキンギョ〉も)の採用が挙げられます。
インフェルニティの採用枚数を動ける最小限に絞ったことで、手札に闇属性を抱えるケースも減少、それに伴い安定感も備えた〈終末の騎士〉へ鞍替えしています。

〈簡易融合〉はこのデッキにおいて最強格の展開札です。〈フォトン・スラッシャー〉のように腐ることなく4エクシーズを可能にします。〈レアフィッシュ〉を採用すれば容易に〈E・HEROアブソルートZERO〉につながり、〈カルボナーラ戦士〉であればワンキル補助になります。〈簡易融合〉の採用により可能になったのが〈E・HEROスチーム・ヒーラー〉の採用です。アライブなしで前に水ヒーローを成立させることができ、〈ミラクル・フュージョン〉の種になります。〈超融合〉を採用する場合はやや強引に、〈E・HEROスチーム・ヒーラー〉を素材として相手のモンスターの上からワンキルを狙うこともできます。何よりこのカードの強みは〈マスク・チェンジ〉との共存です。課題だった後攻は、このカードと〈マスク・チェンジ〉からの〈M・HEROアシッド〉によって克服が可能になりました。〈E・HEROバブルマン〉から〈マスク・チェンジ〉を狙う場合、〈E・HEROバブルマン〉ssのために〈マスク・チェンジ〉をセットした段階で発動機会を逸してしまいます。可能ならば早々にバリアブレイクを成立させたいため、このタイムラグを埋めるためにも採用しました。〈E・HEROセイラーマン〉と比較すると、あちらは〈奈落の落とし穴〉にかからないことを強みにしていますが、このデッキの場合、〈E・HEROスチーム・ヒーラー〉を出す場合には99%〈マスク・チェンジ〉を前提にしているのでこの差異は問題になりません。レリーフがかっこよかったのでこちらにしました。チームメイトのドロンパさんはここでアシッドを見ていたおかげで【マスクヒーロー】での出場を考えてくれたそうですから、結果的には優勝の最大の功労者かもしれません。

〈魔界発現世行きデスガイド〉は単体での性能の優秀さに加え、減らしたインフェの枚数を補うように能動的に〈インフェルニティ・ネクロマンサー〉にアクセス可能という、言わずと知れたパワーカードです。特に〈ヒーロー・アライブ〉と同時に引けている時は凶悪で、相手は〈エフェクト・ヴェーラー〉をはじめとする妨害を当てるのが困難になります。〈ヒーローアライブ〉からの〈E・HEROエアーマン〉に打てば〈魔界発現世行きデスガイド〉の3エクシーズが成立し、〈魔界発現世行きデスガイド〉に打てば4エクシーズに繋がります。エクシーズ体に〈エフェクト・ヴェーラー〉当てたとしても、墓地には何らかの形でインフェルニティが溜まっている可能性が高まり、〈ZERO-MAX〉から妨害を用意しに行くことができます。
また、単体で〈虚空海竜リヴァイエール〉になれることから、〈闇の誘惑〉や〈インフェルニティ・ブレイク〉の無茶撃ちを許してくれる点は評価できます。特に〈インフェルニティ・ブレイク〉は序盤でせっかく落としたインフェルニティを素引きしたブレイクで除外しなければならない場面に遭遇する機会が多く、そのようなケースに保険をかけてプレイに臨めるのは想像以上に大きかったです。当初は召喚権のぶつかり合いや、4エクシーズがしたい時に噛み合わない点が気になって採用を渋っていましたが、それを補って余りある活躍を見せてくれました。
〈ブリキンギョ〉はまさにその4エクシーズを立てるために活躍してくれるカードでした。旧来から【インフェルニティ】のみならず、2015年ごろの【アライブヒーロー】でも採用されていたモンスターです。〈ブリキンギョ〉に〈エフェクト・ヴェーラー〉を当てられても、手札が〈E・HEROバブルマン〉のみの場合相手は実質無駄撃ちしていることになる他、素引きした〈インフェルニティ・デーモン〉を4エクシーズや〈ヘルウェイ・パトロール〉に依拠することなくアクティブにできるのが強みです。第3回熱波亭直前まで〈エフェクト・ヴェーラー〉も苦しく無いつもりでいましたが、下級炎星の餌食が場に残るのが敗北に繋がるのを怖れ、最終的には不採用となりました。

この頃には、不要な手札を処理しつつ相手の妨害になりうるカードとしてようやく〈サンダー・ブレイク〉にたどり着き始めていました。〈強制脱出装置〉と異なり、相手の後ろに干渉できるため、罠を超えたり【炎星】の炎舞に触れたり、採用以後一気に安定感を得た印象で、〈インフェルニティ・インフェルノ〉が抱えていた問題の全てに答えてくれました。中盤以降出番が少なくなりがちなのが悩ましく、最終的には〈強制脱出装置〉を採用しましたが、常に高い採用価値を持っているカードだと思います。

第六期 アライブ黒インフェ(誘発簡易マスク型)

第3回熱波亭での構築

チームメイトのりりぃさんから「インフェってもっとバリアブレイクしてくるイメージだった」と言われ傷ついたところからがこの構築のスタートでした。バリアブレイクを達成するための条件を簡略化すると以下の2つに要約できます。
①〈インフェルニティ・デーモン〉〈インフェルニティ・ネクロマンサー〉の両方にアクセスできること(手札墓地は問わない)
②何らかの形で蘇生アクションを取れること

例)手札が〈ダークグレファー〉〈インフェルニティ・デーモン〉〈インフェルニティ・ネクロマンサー〉〈ZERO-MAX〉の場合
展開→ダグレ→ネクロ切ってヘルパト落とす→ヘルパト効果でデーモン起動ブレイクサーチ→ダグレとデーモンでチェイン→チェインでデーモン切ってタスケナイト落とす→ZERO-MAXでネクマン蘇生→ネクマンでデーモン蘇生→バリアサーチ
最終盤面→チェインネクロデーモンバリアブレイク墓地にタスケナイト
この展開は一つの理想形で、タスケナイトで次のターンが帰ってくればチェインがもう一度使える上、タスケナイト+デーモンでダイヤウルフ、1枚破壊してからネクマン効果を起動することで妨害をさらに追加することもできます。

そしてこの展開を実現するには〈終末の騎士〉ではなく〈ダークグレファー〉である必要があり、〈ダークグレファー〉を戻すのであれば、改めて闇の採用枚数を増やす必要を生みます。一度は46枚まで減ったデッキ枚数が60枚にリバウンドしたのはこうした背景にありました。そこで改めて〈ダークグレファー〉による手札事故を避けるための方法を考えていきます。候補に上がったのは〈ダーク・アームド・ドラゴン〉〈冥府の使者ゴーズ〉〈トラゴエディア〉〈D・HEROディアボリックガイ〉でした。〈ダークグレファー〉のss効果を使うことができれば〈E・エマージェンシーコール〉(ヒーロー・アライブでも可)と〈ミラクル・フュージョン〉を引いているだけで8000のキルラインに達します。

〈ダーク・アームド・ドラゴン〉
一番好きなカードで破壊力もある。しかし通常召喚不可のせいで、単体では手札からいなくなることができないため、事故要因としての面が無視できず不採用。同時期に〈カオスソルジャー-開闢の使者-〉も採用されていましたが、同様の理由で不採用に。〈フォトン・スラッシャーの採用はこの時の名残で、フォトスラ+終末=エクスカリバー+開闢でのワンキルを想定していました。結果〈フォトン・スラッシャー〉の採用は強かったのでOKです。

〈冥府の使者ゴーズ〉
場に〈リビングデッドの呼び声〉などが残ることも多く、不要な伏せのためにうまく活かせないケースが多発。レベル7も特筆した恩恵にならず強い場面も限られたので不採用に。

〈トラゴエディア〉
〈冥府の使者ゴーズ〉に比べてss条件がゆるく1800ないし2400の守備力は一定の信頼を置いて良い数字のように思われます。通常召喚も可能なので、中盤以降引いてしまっても、場の〈インフェルニティ・デーモン〉と〈ラヴァルバル・チェイン〉をリリースすることで〈トラゴエディア〉を召喚し、〈インフェルニティ・ネクロマンサー〉で再度妨害を追加することもできます。レベル周りの小回りが効いていて、環境のメインレベル3〜4帯を手札の闇を処理しながら奪取した上で、自身も3〜4エクシーズの素材になります。

〈D・HEROディアボリックガイ〉
手札が〈E・エマージェンシーコール〉〈ダークグレファー〉の状況がしばしば起こり、召喚権がダブついたためにやむなく〈E・HEROバブルマン〉と4エクシーズということがありましたが、〈E・エマージェンシーコール〉で引いてきた〈E・HEROエアーマン〉からこれをサーチすることで最大3体戦士族を並べることが出来ます。〈簡易融合〉があればワンキル成立なので、今回の候補の中では唯一デッキないのギミックに絡むものでした。勿論強い場面では強いわけですが、それ以上でもそれ以下でもなく〈D・D・R〉は既に反省の後だったため、試すことなく不採用となりました。

こうして〈トラゴエディア〉の採用を決めたあたりで、〈エフェクト・ヴェーラー〉〈増殖するG〉〈D.D.クロウ〉の採用を検討し始めました。

2012年のタイチさん【インフェルニティ】でも、〈ワン・フォー・ワン〉〈インフェルニティ・リベンジャー〉と共に〈エフェクト・ヴェーラー〉は採用されていました。この環境では、【インフェルニティ】でも〈エフェクト・ヴェーラー〉を投入する価値があると判断されていたのでしょう。素人感覚ではあり得ないチョイスだったのですが、このデッキから〈エフェクト・ヴェーラー〉を撃たれたのごろうさん(【ヴェルズ】)は、撃たれることも勘定に入れていたかのようにプレイされていたので、やはり歴戦のプレイヤーは先入観に囚われないものなのか、と却って驚かされました。

もう一つ元ネタになったのは、1203環境でくらうどさんが使用していた【罠0ヒーロービート】です。残念ながら二次史料しかないので、本当はどういう構築だったかうろ覚えなのですが、私自身1203環境のゲートボール大会に出た時はこの罠0構築で優勝経験がありました。1203環境では【甲虫装機】によってボードアドバンテージを取られないよう、場に何も残さないプレイが強かったため、意図的にノーガード状態を続け、【アライブヒーロー】に対しても手札誘発から〈冥府の使者ゴーズ〉〈トラゴエディア〉を引き込む形です。誘発の枚数が厚いため後攻が従前ほど苦ではないのが魅力でした。1209環境でも【炎星】【水精鱗】とボードアドバンテージを稼ぎ出しやすい仮想敵がいたため、デッキ枚数が増え出したあたりから誘発型を考慮に入れていました。踏み切らなかったのは、環境トップの【炎星】にダメージをトリガーにアドをかせぐ〈暗炎星-ユウシ〉がいたことと、ハンドレスとの噛み合わせの悪さでした。

(ユウシはさておき)しかし調整を重ねる中で、そもそもハンドレスになることすらできないまま、有用な妨害も整えられず、終わるゲームも少なくないのでは?という壁にぶつかります。後手の【炎星】に対して罠を越えられなかったゲームは多くがこれに該当していました。そこで【アライブインフェ】でも採用しやすいのが、自ターンにも発動できる〈増殖するG〉と〈D.D.クロウ〉です。どちらも苦手な水精鱗に強く、打ちどころがないデッキがほぼありません。【水精鱗】の〈サルベージ〉に好き勝手されない数少ないカードが〈D.D.クロウ〉で、〈貪欲な壺〉にも強く出られます。闇属性であることも〈ダークグレファー〉を考えると長所として捉えられます。

枚数比は安定せず、ヴェーラー:増G:クロウ=3:2:1の時もありました。〈エフェクト・ヴェーラー〉はこれらの中で唯一自ターンには打てない誘発で、使いにくさが目立ちます。それでも後攻で握った時の安心感が他の誘発とは異質で、〈増殖するG〉で引き込みたいカードが他にないため採用してみました。ETの先行〈ガガガガンマン〉に対策できる唯一のカードでもあり、抜きたくても抜けないカードです。第3回の時は、〈D.D.クロウ〉を強く打てるデッキに対して採用したかったですが、今回はサイドからの投入にしています。この枚数比は構築の中で最後まで安定しなかった部分です。〈エフェクト・ヴェーラー〉では担えない役割(①ダメステまで打てるタイミングの広さ②炎星と殴り合える可能性③モンスターでなく速攻魔法)がある点で3枚目を先述の〈禁じられた聖杯〉に変えています。2本目以降の〈スノーマン・イーター〉や〈ヴェルズ・オピオン〉にも立ち向かえて好感触です。

最後に細々とした構築面での採用・不採用です。

〈トラップ・スタン〉
〈M・HEROアシッド〉をはじめとするカードを通すために採用したカードです。今回の構築はお互いに思考時間を要求される場面が多くなりそう(相手がこちらの盤面を突破しないといけない)だったので、最初からETを覚悟しながら構築していきました。〈神の宣告〉(+〈神の警告〉)でも無理やり動きを通しに行けますが、ET前は〈ヒーロー・アライブ〉や〈簡易融合〉などライフコストを懸念してサイチェン時に抜きたいカードも多く、〈神の宣告〉までメインに入れると抜きたいカードを抜ききれないことを懸念されます。〈神の宣告〉を採用していた時は発動機会の多い〈魂の氷結〉も併せて入れていましたが、機能しないときに引いてストレスを溜めるのは嫌だったのできちんとデッキの中で役割を持てるカードだけを残しました。準決勝の対【ヴェルズ】戦で勝てた試合はどちらも〈トラップ・スタン〉に対して撃たれた〈神の宣告〉によるライブ差を詰めきれたおかげでしたから、デッキ枚数の分厚いこのデッキにとっては2枚目以降の〈大嵐〉としての役割が大きいです。

〈スカル・マイスター〉
〈ソウル・ドレイン〉だけで【水精鱗】を対策し切れる自信がなく、☆4の闇とスペックに恵まれたこのカードと散らして採用しました。結果的に決勝でも強く撃てたカードです。

〈転生の予言〉
【水精鱗】はもちろん、対面の可能性は少なくても【アライブヒーロー】【インフェルニティ】にも撃てて、尚且つ自身の〈E・HEROバブルマン〉〈インフェルニティ・バリア〉〈インフェルニティ・ブレイク〉を戻してリソースを回復できる点が好感触でした。実戦では試せませんでしたので評価未定です。

〈イビリチュア・メロウガイスト〉
対【水精鱗】の2本目以降、〈E・HEROノヴァマスター〉と入れ替えで投入します。よく考えると〈スノーマン・イーター〉や〈ライトロードハンター・ライコウ〉を被弾するリスクがあるので怪しい采配です。

〈妖精の風〉
うまいことチェーンを組むとライフを取れます。1000以上削れると〈機甲忍者ブレードハート〉と〈マスク・チェンジ〉or〈ミラクルフュージョン〉でライフを取り切れるので好きなカードです。引いた試合がなかったので要検討ですが、環境に〈捷炎星-セイヴン〉がいることを考えると過信は禁物かもしれません。

○第3回熱波亭レポ(うろ覚え)

予選


①後【インフェルニティ】○×○
お互い動けず、蘇生で〈インフェルニティ・デーモン〉を奪った方が勝つ試合展開になりお互い1本ずつ。3戦目は相手が先行展開しきれないところを後攻から押し切りました。
②後【炎星】×○○
3本目は相手の〈強欲で謙虚な壺〉から炎星2体が並んだところに、後攻から伏せた〈オーバー・スペック〉をスタンバイに撃つ。その後はヒーロー要素がきちんと機能しライフを取り切りました。
③先【xセイバー】×○×
何もわからず、何も動けず、一応2本目はチェインデーモンからデーモンを2体追加して1800×4、メイン2にガンマンで1本取りました。何一つ有効な手立てがなかったです。
④先【ヴェルズ】×○ET×
〈ヴェルズ・オピオン〉1枚で大半のカードが機能を止めるのでかなり苦しい対面です。1・2本目はお互いのゲームが成立した順に順当にゲームが終わった形だったと思います。3本目のETはほとんどEDに近い状態ではじまりました(遅延すれば先行後攻決め直しにもつれ込めましたが、フェアにやろうよということにしました)。こちらは〈大嵐〉で3枚吹き飛ばして場を蹂躙し手札1枚に追い込みました。【ヴェルズ】側は次のドロー込みで「相手の伏せ1を割る+〈ヴェルズ・ケルキオン〉」をペアで揃える必要がありました。揃いました。
⑤先【ゼンマイ】××
嵐マジシャンシャークとこちらの手札事故で何も始まらないまま畳みました。マッチ全体で10分も経っていません。

個人チーム共に予選2-3(普通ならばお通夜です…)
ゲーム内容的に完敗の気分だったのは③で、④⑤はお互いのドロー次第では別のゲームになっていた可能性を考慮すると、このまま帰るには口惜しい結果です。第3回熱波亭は参加チームが想定より少なかったことやオポーネントの都合も噛み合って、決勝トーナメントに挙げていただけました。奇しくも決勝で激突するのは、予選を2-3したチーム同士でしたので、勝負事というのは何が起きるかわかりませんね…。

決勝トーナメント


①スキドレバルバ(ヒコさん)×○-?
緊張でほとんど何も思い出せません。お互い1本ずつ気持ちよくなった覚えがあります。メイン2〈強欲で謙虚な壺〉から〈カードカー・D〉を選んで召喚しても何も起きないという学びを得て帰宅した気がします。3本目に入る前にチームの勝敗が決したので、せっかくだから3本目も試合をさせていただきました。一生〈ライオウ〉が越えられず、3回のトップデーモンを決めてもなお倒せず、ついに4エクシーズも枯れ果ててぐちゃぐちゃになりました。

②【ヴェルズ】(のごろうさん)×○ET○
予選で負けているので絶対に勝ちたい試合です。1戦目は〈ヴェルズ・オピオン〉が成立し、引いていた〈禁じられた聖杯〉と〈マスク・チェンジ〉での巻き返しを図りました。のごろうさんはギリギリまで1伏せと2伏せを悩み、1伏せを選択。この〈マスク・チェンジ〉への警戒が奏功する形となり、ゲームの形勢を傾けることができず負け。
2本目は〈トラップ・スタン〉に対する〈神の宣告〉、その後の動きに対する〈神の警告〉を合わされていました。残るライフ2000と1伏せに対してこちらは〈ダークグレファー〉と〈E・HEROバブルマン〉です。〈増殖するG〉を撃たれています。この状況で取れる選択肢は2つありました。
A:結果的に相手は1ドローする。グレファー+バブルで攻撃する。裏目は1伏せが〈激流葬〉〈聖なるバリア-ミラーフォース〉だった場合。
B:結果的に相手は2ドローする。グレファー単体で攻撃し1700削った後、メイン2に〈ガガガガンマン〉を起動する。1伏せで〈ダークグレファー〉が消し飛んでも〈E・HEROバブルマン〉で2ドローすることができる一方、1枚多く引かせてしまうことで〈エフェクト・ヴェーラーのリスクを高める。

引いているかわからない〈エフェクト・ヴェーラー〉ではなく明白な眼前の1伏せを警戒したこと、ガンマンに〈エフェクト・ヴェーラー〉を撃てたとしても相手は限られた手札で2400の守備を超えなければならないこと、〈ダークグレファー〉が散っても2ドローでゲームに変化が起こりうることからBを選択。結論から言えばどちらを選択してもたまたま勝てる状態でしたが、未だに思い出して手が震えます。

最終戦もまたほぼETを覚悟してのスタート。予選と状況は同じ2本目を私が取っている状態。この3本目ののごろうさんは、それほど引きには恵まれていなかったようでした。ガバ伏せに対してこちらはまたしても〈トラップ・スタン〉そしてまたしても〈神の宣告〉、加えて〈神の警告〉。お互いカットもしているのにこんな偶然は起こるんですね。結果的にはこのライフコストが重くのしかかり、ライフ差を覆すことができずリベンジを果たすことができました。

③【水精鱗】(でぃんさん)後×ET○ED🎲勝ち後○
動画卓にお選びいただきましたので、是非是非ご覧いただきたいです。

1戦目は嵐アライブミラクルと、理想的な手札だったのですが、結果的に返しきれず代償から敗北しています。あの状況からの逆転劇はやられている側にも拘らず思わず感嘆してしまいました。本当に見事なプレイです。動画の中でも嘆いていますが、〈アビスフィアー〉で出てきたモンスターも全部叩けるバンドだったので、私は〈サイクロン〉を温存するべきでした。

2本目は逆にでぃんさんが〈大嵐〉を握る展開です。途中でETに入ります。動画では分かりにくいのですが、私は後攻1ターンで〈スカルマイスター〉を引いています。そのため、〈海皇の重曹兵〉で〈E・HEROエアーマン〉を選択された際、それを止めることもできました。〈スカルマイスター〉以外の手札は2体のバブルマンなので、発動すればトップでモンスターを引かない限り動き出すことができます。それでもゲーム全体で、〈E・HEROエアーマン〉が破壊されること以上に致命的なシーンが現れる可能性を考慮してひとまずスルーしています。結果的にこのスルーによって、【水精鱗】側が〈E・HEROアブソルートZERO〉を〈水精鱗アビスパイク〉1枚で解決できなくなっており、この試合を畳むのに繋がりました。

3本目はサイコロで6を出し後攻を取れたことが勝敗の9割を決していました。〈インフェルニティ・デーモン〉で〈ジェネクス・ウンディーネ〉を攻撃するプレイだけは怪しいですが、〈アビスフィアー〉が見えている以上、その後の〈ラヴァルバルチェイン〉が成立する確証は必ずしもありませんでした。多くはありませんが【水精鱗】側も〈ガガガガンマン〉を採用していた場合ライフ差をつけることができず、ボードアドバンテージで無理をしているこちらが不利に働きます。それならば、なるだけライフとモンスターをもぎ取るべきです。

結果的に〈ラヴァルバルチェイン〉が成立しゲームを攻略不可能なものに持ち込むことができました。これは決勝に至るまでこちら側の構築が殆ど未知の内容だったことが奏功したのでしょう。「その使い方」をされない限り、ED1ターン目に〈アビスフィアー〉を起動するメリットは少なかったはずです。読まれていたなら必死で〈ラヴァルバルチェイン〉は妨害されていたはずなので、寝不足し続けて構築に悩み続けたこのひと月の勝利ということになります。

○回顧と展望


最後までご覧いただき誠にありがとうございました。今回の検討で、【アライブヒーロー】、【インフェルニティ】に共通の構造的欠陥を指摘してきました。前者は手数と妨害の質が課題でしたが、〈マスク・チェンジ〉の採用で大部分を改善できるはずです。方向性としてはチームメイトのドロンパさんの構築をベースに研究が進んでいくと思います。
【インフェルニティ】はそれ単体として構築することを殆ど考えていなかったのでわかりませんが、火力の問題を解決するためにヒーロー要素を混ぜたり、〈H-Cエクスカリバー〉を積極的に狙っていくことは間違っていない気がします。個人的にはリベンジャー型で出すべきシンクロは〈煉獄龍オーガドラグーン〉ではなく〈閃光竜スターダスト〉ではないかと思っていて、虚無スタダの構えを狙っていく方が環境的には強そうだなと。

いずれにせよ対戦成績を考えるとチームが噛み合った要素が大きく、個人戦で高い勝率を狙うならば安定したデッキパワーが求められます。偶然にもここまで【炎星】の優勝がありませんが、やはり【炎星】の安定感とデッキパワーはこの環境で群を抜いています。【水精鱗】や【ゼンマイ】、そして【インフェルニティ】や【ヒーロー】が「局所的な状況」においては爆発力で【炎星】を上回るポテンシャルを秘めていたから、第3回までたまたま優勝していなかったということなのだと感じています。【炎星】側が上振れた時に理不尽なワンキルができるようになったら、熱波亭環境は【炎星】一強の元に終わるのでしょう。

ここでは改めて、熱波亭を運営してくださった皆様、チームを組んでくれたドロンパさん、りりぃさん、チームメイトが足りなかった時にリツイートしてくれた方々、そして対戦してくださった全てのプレイヤーに心からの感謝を述べ、擱筆としたいと思います。

試みにフリーカンパもしてみたいと思います。参考になったなという形で、お賽銭投げてくださる方がいらしたら嬉しいです。

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