L革命機ヴァルヴレイヴ~パチスロの退化~

今回も一切打つ気は無かったのだが、「ハイエナしにいったらお金無くなったので、知らない誰かに拾われるくらいなら代わりに打ってほしい」と、ヴヴヴを4台代打ちさせながら死んだ魚の目をしていた友人に懇願されてしまったので仕方なく打つ事になった。グヘヘ。

まずは「スマスロ」の打感から

ヴヴヴとか以前に、今回がスマスロを触るのが初めてなのでまずはここから書こうと思う。

結論から言うと、スマスロにスマート感は一切ない。良いと感じた点は、遊技中に貸し出しを連打しているとリールが回っていてもクレジットが増えていく点。逆にリールが回っていてもクレジットが落とせる点。すぐ辞められる点。払い出しを待たずにBETを受け付けてくれる点。これくらいだ。あれ?案外多かった。

メダルが無いから手が汚くならないとかそんな話はどうでもよく、長時間打っていれば自分の手汗手あかでベタベタになっている。汚いのは一緒。「休憩のたびにクレジットを落とす」「カードを抜く」「食事休憩は結局店員を呼ぶ必要がある」「なぜか自分で休憩中の札を置く」「自分の台に別の人が勝手に座る率が上がった」「出てると思ったら実はそうでも無かった」「端数の処理に困る」などなど。メダルを無くした代わりに割とめんどくさい別の事が必要になった感が否めない。スマートでは無い人達が考えたんだろうなとすぐに分かる出来だ。まだスマスロを触った事がない諸君は「人生で一回もスマスロを触らなかったスロッター」の名誉ある称号を墓場まで持って行って欲しい。私はたかだか数千枚のメダルの為にスマスロに身を打ったという汚名を着せられ、恥辱に塗れた人生を送る事となってしまった。

総評すると「10年前につくれたレベルの完成度」。

スマスロそのものの感想は以上。期待通りの良くも悪くもなくつまらない出来であった。さて、ここから先はパチスロ「L革命機ヴァルヴレイヴ」の初打ちの感想を書いていこうと思う。

はい、0点

普段この手の「初打ちした感想書いてみた」系の記事では、まだ打った事がない人達に対してちょっとでも共感を持ってほしいので、軽く台の仕様を説明しながら色々と書き連ねている事が多い。だが、この台に関しては語る事すら恥を感じずにはいられない出来なので多くを語りたくない。気になる人は自分で調べて欲しい。

まず、「6号機のAT機」感がぬぐい切れない。モード、G数管理、G数短縮。まるで、ヒキが介入する余地をほぼ許したくないように感じられる。折角スマスロという新しい枠でパチスロが作れるようになったのに、やっている事は従来機と大して変わらない。

CZという名の「CZのCZ」→ボーナスという名の「CZ」→3戦突破「CZ」→AT。6号機の諸悪の根源「CZのバーゲンセール」をこれでもかと詰め込んである。もちろんデータ上は全て「大当たり扱い」だ。やったね。

従来機と違うのは出玉だけか、、、と言いたいのだが出玉に関してもよくよく見てみるとやってる事は一緒。完走したらAT初当たりからスタートするという、最近はどのメーカーもやってる二番煎じ。吸い込みが激しいから完走するだけで5~6千枚出るというだけの話だ。

これに加えて通常時は一切魅力的に感じられない演出の数々。SANKYOの演出はパチ、スロ関係なく他のメーカーと比較しても群を抜いてつまらないしくだらない。「学園モノなのにロボットで戦う」とかいう、原作を知らないと意味不明な世界観をしているのに、SANKYOの演出が加わってより意味不明感が増している。前兆に入れば無駄に増える青字とニンゲンヤメマヌカとかいう気持ち悪い演出の繰り返し。レア役引いたゲームで20短縮したかと思ったら、演出を経由してブーストチャンスに当選したのでさぞ大き目な恩恵を受けられるかと思ったらやっぱり20しか短縮しないなんてのがザラ。演出考えている人間は全員バカなんだと思う。

あ、ハラキリチャレンジ中だけは面白いというか気持ちいい。たかが10Gの為にブラックアウトするのはどうかと思うけど、たかが10Gの為にギャーギャーうるさい幼女戦記とかいう台も出てしまったので許してあげようと思う。

もう一ついい点がある。高純増高継続率という事もあり一瞬で出玉を錬成する事ができるが、これがドル箱でメダルを詰める方式であれば中々にしんどい作業だなと感じた。以前9枚増のパチスロ機「けものフレンズ」で完走させた際に目算を誤りドル箱を取りに行く必要が発生したり、あふれ出るメダルを箱に映す作業が面倒だったりと、色々億劫に感じる事があった。ヴヴヴも言ってみればけもフレと似たような「ショボいG数を高継続で積み重ねていくので液晶上では大した事が起きていないように見えて、高純増なので実はすぐにメダルが増えてる」現象があるのでスマスロとして生まれたのは良かった事なのだと感じた。

総評すると「産廃呼ばわりされた量産型6号機のあらゆるクソを集約させて完成したクソの最終形態」である。
0点としたが、ちょっと探したら褒められる点が見つかったので5点あげようと思う。

パチスロの将来が不安になるパチスロ

はっきり言って、ヴヴヴに対する「打つ前の予想」と「打った後の感想」はそれほど乖離が無い物だった。打つ前にこの台の事前の知識は殆どなく「やたら出る事があるらしい」「やたら吸い込む事もあるらしい」というこの2点ほどしか知らなかった。にもかかわらず「打つ前の予想との乖離が無い」=「打つ前から前述のような酷い評価で終わるであろうクソ台であると予想できた」のはどうしてだろうか。

それはSNSなどから容易に分かる事であった。

このツイートはヴヴヴの新台初日~二日目くらいのツイート。万枚が~とかコンプリートが~のような話ばかりで盛り上がっていたようだったが私にとってそんな話はどうでも良かった。全国に何台あるか分からないような設置台数の中で、ある1台が万枚出ようがコンプリートしようがどうでもいい出来事だ。自分がそんな恩恵に与れるほどの幸運の持ち主とは思ってはいない。出玉面で言えば「万枚突破率5%」という触れ込み、つまり本当に20台に1台万枚出ているのかどうかの方が気になった。勿論そんな事はなかったようなので、適当に景気のイイ話を適度に盛って話すというのは情弱ビジネスでは非常に有効的な手段であることが判明しただけで、ヴヴヴというパチスロにおける重要な情報、すなわちパチスロ機としてどの程度優れていて面白い台なのかというお話はどこにも転がっていなかったのである。

私が感じた疑問と言うのはそこにある。5号機末期から「高射幸性」というワードに付き纏われたパチスロ業界はそれらの台との別離を余儀なくされ、「クソ台」「つまらない」「でない」と三拍子そろった6号機へと移り変わっていった。パチスロから離れた人間も多いだろう。逆にそんな時代になってもパチスロを打っていた人間は「真のパチスロ好き」なのではないかと思う。ヴヴヴに代表される「スマスロ」をきっかけにパチスロに戻った人もいるだろうか。そういう人は「パチスロ愛好家」ではなく「ギャンブル愛好家」であると私は思う。きっとスマスロが描く荒波の噂を聞きつけて、これなら打ってみる価値がありそうだと思ったに違いない。勿論私個人はどちらの愛好家も等しく客として扱われるべきであり、どっちだからどうだとかどっちだからダメというような事を言う気は更々ない。

6号機時代になってしばらくたつが、私は遂に3000枚くらいの出玉で大喜びできるくらいの小さな人間になってしまっている。ノーマルで6をツモっても2000枚浮いていればヨシとしてしまっている。慣れというものは恐ろしいものだと感じる。5号機が撤去されBIGの枚数も徐々に減らされてしまい、200枚も取れないボーナスを「ビッグボーナス」と呼ばなくてはならない時代にも何も思わなくなった。

その調子で徐々に体が慣れてきた頃に唐突に「万枚!!」「コンプリート!!」などという話が入ってくるようになった。ハッキリ言って「6号機を生き抜いたパチスロ好き」には順応できる人の方が少なかろう。スマスロで戻ってきた人たちは打ってない期間は6号機より激しい別のギャンブルをしていただけなので荒波のパチスロになったというよりは、他のギャンブルと同じ感覚で金を突っ込める時代に戻っただけだろう。

では、今後はどうなっていくのだろうか?同じような万枚製造機が量産されるようになるのだろうか?左右は5000枚凹んでいても万枚出ればなんでもいいのだろうか?ビッグボーナスが150枚でもスマスロが万枚出ればどうでもいいのだろうか?ハッキリ言って時代が戻っただけで、進歩したようにはまるで見えない。ヴヴヴという台だけを見ても、やってることはカバネリ同様パチスロではなくメダルゲーム。パチスロという機械のゲーム性は死に、出るか出ないか。その1点のみで語られる時代が完全に到来してしまうのではないかと危惧している。

私の知り得る4号機時代まで遡ってみてもそうだ。「出る出ない」という評価基準は常にありながらも、その出玉の振れ幅というのは時期によって大きく違う。4号機時代にも低設定でも技術介入でどうにかなる台もあれば、6だけぶっ飛んだ爆発設定になっている台もあった。液晶の性能なども向上し演出も面白くなっていった。少なくともパチスロは短い期間でも変化があった。

6号機時代という出玉面を考えると辛くなるという時代は、逆に「パチスロとしての面白さを見出していく」には良い時代だったと言える。リゼロという台が出た当初は多くの人が遊んだが、徐々に「特定G数まで絶対に何も起きないし起こせない」「当たればデキレ、外れたらヒキ弱の白鯨攻略戦」「6は勝手に出るけどつまらない」などという様々な酷評へと至った。にもかかわらず、見せ方が異なるだけでやってる事は大差が無い「バイオハザード7」では「脳汁がやばい」とか「気持ちよすぎる」とか、リゼロとは別のベクトルでの高評価が多かった。パチスロとしてこれはどうなのかと思った時期もあったが、ほどなくして「やっぱりこの仕様はクソ」「なんなら6はリゼロより出ない」などの評価に落ち着いた。逆にパチスロの打ち手にとって演出というのはかなり大きなウェイトを占めているのかと驚いた。

冬の6号機時代ですらパチスロの楽しみ方に変化があった。では一大イベント、#スマスロはじまる が到来した今、パチスロというゲームにどのような変化や進化が生じていくのだろうか。タイトルに「退化」とつけた。「いや退化はしていない。進歩、進化していないだけ」といちゃもんを付ける人がいるかもしれないが、時間だけ経ってなにも変わらないのは退化と同じだ。

少なくともヴヴヴのような「従来機にありがちなものをかき集めた仕様の、他の台よりちょっと出るかもしれないだけの、退屈している間にお金が消え失せている台」がちやほやされるような状況においては、「パチンコ業界にとっては明るいかもしれないが、パチスロファンにとっては終焉の始まり」といえるかもしれない。

今回はここまで。
私はジャグラーがスマスロとして出るまで耐えられるかの勝負だと思っている。

もし読みが当たったらもっとほめて。

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