ファミスタ回胴版!! ~パチスロは野球である~

(野球要素はありません)

ここ数カ月、私はパチスロを打っていない。いや、正確には「私の金」でパチスロを打っていない。理由は単純で、自分の金を使ってまで遊びたいと思わせてくれる台が無いからだ。一方で私のパチスロに関する技術、主にスマホを弄りながらスライドプッシュを繰り返すだけの単純作業に関する超高度テクニックを高く買ってくれる友人たちの代打ちという形では週に1回くらいの頻度でパチスロを打っている。

そんな私に自分の銭で遊んでみたいと思わせてくれる台がついに登場した。パチスロ ファミスタ回胴版!! である。今回は導入初日に7000Gほど回してきた感想や打感を書き綴ってみる。

なお、毎度のことだが新台を先入観なく打ってみたいという人はまず打ってからお読みいただきたい。それなりの量のネタバレを含むことを承知の上で読み進めて貰いたい。



まずは結論から

私のnoteは構成などを吟味してプロットに基づいて書いているのではなく、頭に思いついたままにキーボードを叩いていくスタイルなので書きながら話が右往左往するのが目に見えている。なのでまずは結論から書いていこうと思う。

ファミスタ回胴版!! はパチスロオブザイヤー2023を獲得致しました

以上


すごいなユニバーサル、どうやったんだ?

とりあえず頭に浮かんだ順に良い点を挙げていくことにする。

①筐体


ひたすらユニバーサルをバカだアホだと罵り続けた原因となっていた四角い形をしたカチャカチャうるさいオモチャのようなボタン。これがついに廃止となり金ドキで採用されていた丸い形のボタンに変わった。やったね。その他の部分も良くなっており、特にリールのサイズや見え方もMAPPYの頃とは見違えるほど良化している。私は技術介入機の初打ちの時にはその台や筐体が持ち合わせている「特有のタイミング」を模索する所から入るのだが、この台はまるで何回も打った事があるかのように、初回からすんなりとビタ押しが連続で決まった。この辺りは個人差もある部分だがMAPPYより見えやすく成功しやすいように感じた。感覚的にはSAMMY系の打感に近い。

②ゲーム性


技術介入機によくある「ボーナス中に目押しでART(AT)やゲーム数を獲得して、ARTとボーナスをループさせながらロング継続を目指して出玉を増やす」という点では目新しさは感じられない

私は、従来のこのジャンルの台には1つの問題点があると思っていた。それは、ART中はボーナスを目指すというその1点しか存在しない事だ。例えばボーナス中に300G という大量のG数を獲得できたとする。しかし、ボーナスが引けなければその300Gという大量のG数は増えることもなく駆け抜けて終了する。こういった台のARTは純増が低い事もあって300Gを消化したとて増えていないことなんてザラ、酷い時はボーナス消化直後よりも減っているなんてことも。こういった「技術介入後は単調になりがちだったゲーム性」を「攻撃フェーズ」という、「G数を更に獲得できるかもしれないというチャンス」を追加する事で解消している。

いやいや、MAPPYやピンクパンサーはART消化中でも上乗せしたでしょ、と反論されるかもしれない。しかしこれらの台にあるART中の上乗せ抽選は1Gで完結するような仕様になっている。一方ファミスタの攻撃フェーズは最低でも6G(恐らく)継続しリプレイを引かなければ終了抽選すら行われない。もちろんART中なのでリプレイ確率は上昇しているが、ここで上手に小役が引ければボーナス中に獲得したG数も合わせて100G以上を一気に貰える事もザラ。私は1回の攻撃で8点のビッグイニングを作る事にも成功した。

また、上記の2機種のART消化中の上乗せは突発的、もしくは周期的に訪れる事に対して、ファミスタの攻撃フェーズはボーナス消化後には必ず突入するのに加えて、周期的にも突入しうるし、ART最終ゲームの救済的にも訪れるのが大きな違いである。

こういった「数ゲーム間をかけて上乗せを勝ち取る」「様々な要因から突入しうる」という仕様は技術介入機においては珍しく、さながらAT機の上乗せ特化ゾーンのように見える。

ファミスタという題材通り、この上乗せは野球の攻撃に見立てて演出が進むが、ここの出来が秀逸である。どんなにヒットを重ねても点数にならなければG数は貰えないので、2アウト満塁から点が入るかどうかといった野球そのものにも存在する「ドキドキ」感、残塁した時の「あともうちょっとだったのに」感、リプレイをひいてしまったがフライが切れていってファールになった時の「あぶなかった」感、平凡なフライを打ちあげてしまい万事休すかと思われた時に外野手が取り損ねてエラーで出塁する「ラッキー」感。これらの「野球とパチスロに共通する感情」をこの短いゲーム数で上手く表現しているのである。また攻撃フェーズ終了後から何らかの形で攻撃フェーズに復帰した場合、前回の続きの打者からの攻撃になる。こういった所も野球らしさが現れている。

また、野球がベースにあっても本来の題材はゲームであるという点もしっかりと意識されているようにみえる。ファミスタといえば「ピノ」という選手が最も有名であろうか。1塁まで2.5秒で駆け抜けるという驚異の俊足を持つという設定の打者であり、ファミスタ回胴版にも登場する。彼はゲーム中ではゴロを転がすと高確率で内野安打で出塁するという特技を持っているが、回胴版でもゴロを打っていればリプレイであってもほぼ1塁でセーフとなる。原作ファンであればニコッとしてしまうような作り込みまでされているのだ。

こういった「ファミスタというゲーム的な面白さ」と「パチスロの液晶演出なりの面白さ」と「パチスロの出目がもたらす面白さ」の3つが絶妙に絡み合って最高のARTをもたらしてくれるのだ。こういった面白さを内包していることにより、普段は淡々とパチスロを打つだけの私が攻撃フェーズになると液晶を見て、リールを見て、手を止めながら打球の行方を追ってしまうのであった。

なお7000G打った結果、攻撃フェーズ中におけるある程度の演出法則が分かった。ネタバレを食らいたくない人は③まで読み飛ばして欲しい。

ある程度直感的に分かるようにする為か、打球の動きで結果が分かりやすくなっている。
外野手前→ヒット
外野手の間や横を抜ける→ツーベース
フェンス直撃→スリーベース

特にアツい打球はファールぎりぎりの1(3)塁線へのフライ。ボールがこの飛び方をした時には最低でもフェンス直撃スリーベースかと思われる。スタンドインする事も多々あった。またボーナス成立時はホームラン確定と思われる。

また、即死を回避する為かアウトを取られた次ゲームはリプレイでもアウトになる事はなかったように記憶している。


③技術介入

こういった複合的な面白さを持ち合わせていても、あまり遊んでもらえないのが技術介入機の宿命でもある。技術介入という存在が敬遠する要素の1つにもなりうるからだ。

ファミスタ回胴版は技術介入時の出目によって難易度が変わるという、少し変わった仕様をしている。一番成立するのが上段受けになるビタ押しではあるのだが、2コマになる中段受け、枠内ならどこでもオッケーになる下段受けもそこそこの頻度で成立するのでビタ押ししか許可しないという狭量な台ではない。技術介入は2連の赤7を狙う事でも上乗せの抽選が受けられ、3/4で上乗せするので苦手な人は赤7狙いでもゲーム性を楽しむことができるだろう。

こういった「実はあなたが思っているほどこの台は○○ではありません」という情報はなかなか周知されにくい傾向が強いと思う。多くのプレイヤーは、自分の打ちたい台に関する知りたい情報を手に入れる事には努力する一方で、自分が興味のない台に対しては勝手に入ってきた情報以外を知ろうとする人は稀だ。こういう台を打つインフルエンサーは、こういう台を打つ人向けの情報発信は熱心に行うものの、興味がない人の興味を引こうとすることは基本的にしない。演者だかライターだか知らないが、そんなニッチな界隈の需要だけで満たされているような取るに足りない存在で満足するなかれ。

話がそれたが、技術介入もディスクアップほどの100-0方式ではなく自分の技量に合わせて楽しめる仕様となっているので、スマスロに疲れた人たちは少しの休息を求めて打ってみて欲しい。


④リール制御

(ネタバレを含むので閲覧注意)

よくも悪くもユニバーサルのパチスロだなといった印象を受けた。BAR狙いはHANABIの法則とほぼ一緒であり、右下段切れ目スイカハズレで当たる所も踏襲している。非常に分かりやすい見た目をしている。MAPPYと異なり、左枠上BARからの小役ハズレが(恐らく)BIG確定となっている所が非常に良いと思った。しかし、HANABIと異なり上段ビタから4コマ滑って7を引き込んで小役ハズレ=7BIG確定 のような制御がなく(そもそも引き込めない)、BARが枠下に吹っ飛ぶ=小役というのが少々つまらないと感じた。まだそんなに打っていないので新たな発見があるかもしれないが今の所HANABI以上に狙ってて楽しいという場所では無いと感じた。

F図柄狙いはこれまでのユニバ系にはあまり存在しないような配列に見えた。しいて言うならサンダーに近い制御や法則かなと感じたが、サンダーの方にあまり明るくないのであまり語らないようにしておく。右にブベバやバチェナこそ存在しないが、順押しリプレイ右上がりテンパイはリプレイハズレ目となっていたり、左上F、中中7で2確だったりとパチスロオタクが好きそうな出目が出やすい。スイカも狙う位置が少々変わるだけで上段Fから揃ったり中段Fから揃ったりと、どちらかというと制御厨に狙って欲しいというつくりをしたのかなという印象をもった。左はどの停止形からでもリーチ目は出るし、滑ってもビタ止まりからでもリーチ目が出たりと法則の追及し甲斐がありそうな雰囲気が漂っている。

この台は無演出でチェリーが出現する台なので、チェリーが近くにない赤7近辺は基本的には押しにくい箇所となっている。しかし、5.9ディスクアップの青7のようにチェリーを下段に狙う事で滑りを使った引き込みを用いて枠内に止めることが可能だ。その場合に気になるのは、BARの上のチェリーを下段に押した時に、4コマ滑れば中下段に2連7の1確目が止まりうるのだが、果たしてこういった制御は搭載しているのだろうかということ。あまり狙わなかった箇所なので次回実戦時には狙ってみようと思う。


⑤演出

その他の技術介入機やユニバーサルの他のノーマルタイプの延長線上で、それらを知っていれば演出自体の法則は分かりやすい。

SNSや掲示板などを見た所、私がこの台に抱いた印象とは結構かけ離れた意見が多く(要するにクソ台扱いする人が多い)首をひねっていたのだが、演出面に関しては多少同意できる部分はある。強い演出じゃないと当たらないというのは割とそう。ジョギング演出で当たる事はほぼ無い。一方で、私に言わせればMAPPYも同様。パワードアかレバオンルーレット以外で当たる事なんて稀だ。MAPPYの方がそもそものボナ確率が軽い=当たる回数が多い=当たる演出を一杯見られるという点からくる感じ方の違いだけだと思う。ボーナス確率はディスクアップと大差ないので、引けない時は1000Gくらいハマるだろうしその過程で強い演出待ちになってしまうのも致し方ない部分はある。

それに通常時の意見こそ酷評されがちだったがART中、特に攻撃フェーズの演出に関しては好意的な意見が多く見られたので、全部が全部だめというわけでもなさそうだ。ハマりがエグイとか出ないとか、そういう短絡的な意見に惑わされないようにして欲しいと思う。


おわりに

そんなわけで数か月ぶりのnoteはファミスタ回胴版について書いた。それなりに勝った事もあって良い印象の初打ちとなったが、次回以降の実戦でその印象は大きく変わるかもしれないし、最終的な評価がどっちになるのかもわからない。技術介入機は細く長く稼働させているお店が多い印象なので、この数か月の判断で増やしたり外したりが無いように願っている。

では、今回はこの辺で。

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