新春SP パチスロ甲鉄城のカバネリ 

SPな要素はありません。

直近で花火絶景やヴヴヴの記事を書いたのに引き続き今度はカバネリである。このようなミーハーなパチスロばかりを打ち続けることは、パチンカスとしての死を意味する。量産型「スマホ片手にアニメ見ながらスライド打ちパチスロキッズ」へとその身を堕とした底辺パチンカスである私の遺言だと思って読んで頂ければ幸いだ。

どうして「パチスロではない」のか

カバネリに関して触れる前に。かねてより様々な台をこき下ろす際に私は「この台はパチスロではない」と評する事がある。年も明けた所で改めて、どういう要素を以って私がパチスロでは無いと評しているのかに触れておこうと思う。

結論から述べると「座って1ゲーム目で当たり、2ゲーム目で7が揃って、3ゲーム目で大当たりの消化が始まる」事がパチスロの極致だと私は考えており、これに当てはまらない台はパチスロではないと思っている。ジャグラーはそれを一番美しく表現している台だ。アクロス系のノーマル機は知識が無いと当選が分からない可能性はあるが、同じようにリーチ目察知→入賞→消化という手順はパチスロらしいと思う。

逆に大都技研のノーマルにありがちな「チャンスリプレイを主な重複契機として演出用RTで当落を煽る系のノーマル機」はパチスロらしくないと言えるが、演出RT中のリプレイの隙間を狙って各リールからフラグ察知をしにいく様はパチスロらしいと考える。またそれ以外の当選契機もしっかりと用意されているので、それらのバランスがしっかりと作られていれば面白いパチスロになる可能性はある。

以上の理屈を読めば「AT機は全部パチスロではないのか??」という反発の声が聞こえてきそうだが決してそうではない。あくまで「1ゲーム目で…」というのは極端な例。例えばGODシリーズを愛してやまなかった人たちの中には「今日は1000円でGOD引いたぜ」というような武勇伝を持つ諸兄も多くおられる事だろう。「ノーマルでいう座って数ゲーム」というのは「GODでいう1000円」くらいの感覚に近く、現実にそれを体験した人は数多くいる。また多くのGOD打ちが「【GOD】を揃える」事を常に目標の1つに据えながら打っているくらいには1/8192という数字は現実的な確率で、引ければ夢を見られるような恩恵が詰まっていた。また確定役によらずともGODは基本的には全てのレア役でATの抽選を行っていたので、非常にうすい確率でしか抽選しない低確率状態でもレア役1つで当選する可能性はあった。よってGODシリーズの特に5号機の凱旋、ハーデスは非常にパチスロらしかったと考える。

つまり

  • 通常時から即大当たりへとつながる事がメインルート

  • 大当たりは通常時から狙うに値する十分な確率と恩恵がある

  • 多くのプレイヤーがそれを目指している

  • それが大当たりと同等、もしくはそれ以上の価値がある

これらの要素を複数兼ね備えている台をパチスロらしいと考えている。例えばヴヴヴは
・通常時の直撃大当たりはフリーズ経由のみ。メインルートは全てCZ経由
・フリーズは推定1/400000らしい。恩恵は超革命+Vストック6個。ショボい上に存在すら知らない人の方が多い
・CZを目指して淡々とG数を重ねるゲーム性

といった風にどの「パチスロらしさ」も満たしていない。よってヴヴヴはパチスロではなくお金をいっぱいくれる、もしくはいっぱい持っていくただの機械である。

あくまでこれは私個人のモノサシであるので、これを読んだ諸兄が私と同じ判断基準を持つ必要も無ければ、単純に出る出ないだけで判断するも自由だ。ただ、パチスロを楽しむ過程で「自分にとってどういう要素があると楽しく打てる」「こういう要素が自分の好みである」という自分の趣味嗜好を知っておくと今後のパチスロライフはより充実していくと思うので参考にして頂きたい。

カバネリはパチスロ機ではない

以上の点を踏まえて、本題である「パチスロ 甲鉄城のカバネリ」はどういう台か考えてみたい。既に賢明な諸兄ならお気づきと思うがこの台はパチスロではない。通常時はCZ突破もしくは規定G数による当選がメインでありパチスロらしさはゼロ。当選しても駿城ボーナスは実質CZと同じ役割。7揃いのエピソードボーナスも初回は150枚も取れずそのままST駆け抜けしようものなら獲得枚数の表示すらされない。これだけを見ても褒められた要素が一切ない。ヴヴヴでも書いたが、このようなパチスロが流行る事はパチスロの将来が不安になる現象だと感じた。

そう、思ってたんだ

先日幸運にも高設定をツモったので、10000G回しながらカバネリが世間に受け入れられた要素を探ってみようと思いカバネリと向き合った。そして改めて分かった事があったので、2023年の最初としてはふさわしい機種であるカバネリという台について書いてみようと思った。

通常時は残念ながら…

最初にサゲたので、この後は当然ある程度この台に対してポジティブな意見が出てくるのだろうなと想像した人も多かろう。しかし人生はそんなに甘くないんだな。

この台の通常時はとにかく苦痛の塊。パチスロにおけるありとあらゆる拷問を重ね合わせて完成したような通常時だ。当たらない前兆をひたすら見せられ、当たらないCZ煽りや日常系演出をひたすら見せつけられる。もうすでにみんなが様々な台で体験し飽き飽きとしている要素がふんだんに盛り込まれた台だ。だがそんな苦痛はスマホ1つで解決できる世の中。私のようにパチスロを打つ時に基本的に「ながら打ち」はせずにリールと液晶を凝視している依存症のような人間ならまだしも、大抵の現代的な打ち手にとっては視界にすら入っていないのでどうでもいい事だろう。

しかし大きく減点せねばならない点がある。この台は「ガセ前兆が本前兆より優先される」「CZが天井より優先される」というふざけた仕様がある。つまり規定ゲーム数が謎の演出達によって数十ゲーム伸ばされるのだ。これは苦痛以外の何物でもなく、ガセ演出によって不要だった追加投資を迫られる可能性があるという事。何の仕事をしているか理解できない「チャンス目」とかいう小役が頻繁に成立し、その度になんとか駅のパトロールをしながら敵に逃げられる腑抜けた男女を何回も見させられるこの台は、ガセ前兆の発生頻度が非常に高い。G数解除の濃いゾーン付近では逆にチャンス目を引いて欲しくないというふざけた仕様になっている。特に私が打った高設定台(金トロフィー出現台)は、G数解除が強く1日通して450Gを抜けないという台であった為、このガセ前兆で引き延ばされる数十ゲームの積み重ねで100G以上は虚無な時間を過ごしたに違いない。ほんとにクソ。

ST中に活路を見出す

正直、どうひっくり返ってみても通常時を褒められる要素なぞ1ミリもないのは分かっていた。通常時はもう語る必要はない。代わりに大当たり中にしっかりと目を向けてみた。

まずボーナス中だが、これも特に見るところはない。押し順に従うだけだし、チャンス目を一杯引いたら「芥」だか「茶」だかが貰えるが、貰っても別に大した意味はない。チャンス目はST中に引けよと思うだけで、「茶」は1個あった程度では駆け抜けて終わるだけ。最初の枚数を決めるところくらいはちょっと楽しいけど、連打演出に設定示唆を仕込んでしまったのでスキップできないのは大減点。

やはりこの台で一番アツくなれるのはST中だろう。このST中に何か面白い、アツくなれる打ち方を探せないものかと思った。

まず、ST中は明らかに「演出に対応役がある」ように感じた。演出の名前はわからんので詳しくは説明しないが、「汽笛が鳴ったらリプレイが無い(?)」=「枠上赤7でチャンス目1確?」「カバネが侵入したらベル」=「左下段ベル否定でチャンス目1確」などの法則があるように感じた。こうなってくると、左の出目法則をそれなり掘り起こす事ができれば高確率になっているチャンス目を引いたかどうかが1リールだけで分かる可能性も出てくる。ちょっとノーマル打ちとしての血が騒ぎ始めてきた。

ある程度試行と思考を繰り返してみたが、問題点として
・左からしか押せないので制御と演出だけで、「どのチャンス目の1確か」を見抜くのはほぼ無理?(美馬チャ目だけは1確を見抜けることがある)
・見抜けた所で高確美馬以外は100%ではないので普通にはずれる

というのが挙げられる。左からしか押せないというのは仕方のない事なので諦めるほかないのだが、この仕様であればそれなりな出来の液晶ノーマル機のような楽しみ方が出来ると思う。心の中でニチャァと出来るポイントはノーマル打ちの大好物なので、この辺りを深く研究するライターでも現れれば少しは見直すんだけど、まぁそんなホネのある奴はライターなんかそもそもやらないだろうな。話がそれました。

甲鉄城のカバネリは5号機の○○だった

そして、この試行を繰り返すうちにとある台が頭の中に蘇ってきた。それは5号機の「リノ」シリーズだ。

①トマト成立後の高確率状態において成立するレモンの揃うラインによって重複期待度が変わる
②レモン成立の次ゲームで「7リプBAR」の激アツ目を狙いに行く
③BIGが揃ったりREGが揃ったり止まらなかったりでヤキモキする

というリノで起こる一連の流れはそのままカバネリのST中に当てはまる。

①当選期待度が異なるチャンス目のいずれかを引く
②共闘中なら演出のアツさに期待する。加速、覚醒中なら次ゲームの決着に力が入る
③赤7だったり青7だったり何もなかったりする

なるほど。そういえばリノは高確率中であれば1リール激アツ目があったり変則押しでの法則があったりした台であった。高確美馬が100%になっているように、リノにも成立時点で重複確定になる小役が存在していた。200枚程度のボーナスを連打して重ねていくという大当たり中のゲーム性も酷似している。

こうなってくると、客層まで似たり寄ったりな気がしてくるから不思議だ。リノでは成立を見抜く楽しさを堪能する為に出目を狙いに行くタイプの人と、告知に任せて何も狙わない人と色々な楽しみをしていた人が居たと思う。カバネリも同様に、ST中に液晶で何か起こる度に丁寧にチャンス目を狙うタイプの人もいれば、淡々とスライド打ちに終始して駆け抜けても顔色1つ変えないタイプの人もいる。もはや共通点だらけである。

そう、甲鉄城のカバネリはリノだったのである。

念のために書いておくと、通常時は似ても似つかないシステムだ。天井やCZがあるぶんカバネリの方がマシだと思う人も居れば、トマトのヒキ次第で有利区間に左右されず無限の可能性を秘めているリノの方がいいという人もいるだろう。残念ながら個人的にはどっちもどっちで、どちらも「通常時から大当たりに直接つながる事はなく、CZなりトマト揃いなりを経由しなければならない」という点でパチスロらしさが無いと思う。あれ?通常時も似た者同士じゃん。

カバネリの高稼働をどう見るか

さて、カバネリについての詳しい感想や評価は以上となる。ここからはこの台の高稼働をどう捉えてどう生かすかという点について語りたいと思う。

過去にも流行る台流行らない台は星の数ほど量産され、ホールはその度に買っては捨て買っては捨てを繰り返してきたことだろう。では流行る台とは何なのだろうか?

私は流行らない台から何かを発見するのはすこぶる意味のない行為だと思っている。何故か。この世の9割は流行らない台だからだ。この世の9割に属するショボいホールの店長に「どうやったらいいお店作れますか?」と聞くようなものだ。ショボい人間からはショボい答えしか返ってこないし、ショボい台を打った所でショボい感想しか出てこないのである。常に流行っている様式美的な台、例えばジャグラーや海やハナなどは単純であのスタイルを崩さなければいいだけの話なので例外として。そうでない流行りの台に関してはどういう点がウケたのかを振り返る事は大事だと思う。

例えばカバネリに関して言うと、前述のとおりST中はある程度楽しく打てる要素があると感じている。しかし、これがカバネリヒットの要因かと言われるとそうは全く思わない。何故なら人気機種とあって打つ客の属性が非常にライトな層に溢れており、前述したようなマニアックな要素を楽しんでいる打ち手の率は少なそうに感じるからだ。

私はカバネリヒットの要因は凄く単純な要因だと思っている。それは「気持ち良くなれる演出」である。通常時から別にSTが確定したわけではないのにリールは逆回転するし第2停止でフリーズするしひたすら派手。ST突入時の音も派手、ST中も当たったらとりあえず派手。何枚取れそうかとか、どれほど伸びそうかとかそういうのを一切考慮せずただひたすらに当たる時は派手である。

そういえば過去にも「演出が良い」だけでヒット機種になった台があった。そう、「バイオハザード7」だ。リゼロと大して変わらない通常時が作業、当たっても作業というパチスロとは大きくかけ離れた台の割りには結構ウケた印象があり、この台が評価された点は「演出が気持ちいい」のただ1点のみだ。それでもヒット機種になれるのだからヒット機種と言うのは単純なのである。

なんでも複雑に考えて勝手にドツボにハマるのはパチンコ底辺業界人の特徴である。もともと大して使った事も無い貧相な脳みそでキャパ以上の事を考えるから堂々巡りして目の前にいる答えにたどり着けないのである。良い台の特徴も、業界を良くする方法も、若者客を増やす方法も全部目の前に転がっているのにそれに気づかないのだ。いくらカバネリが良い台でもこれでは宝の持ち腐れである。

おわりに カバネリの評価

さて、底辺業界人に毒を吐いたところでそろそろ終わりにしようと思う。最終的な私の「パチスロ甲鉄城のカバネリ」の評価は「クソ台オブザイヤー2022」である。褒めるところは確かにあるし、色々楽しもうと思って打てば割と打てない事もない。だが、真のクソ台というのは誰の目にも留まらず静かに息を引き取るので話題にも上らないのに対して、このカバネリという台はパチスロがこうあって欲しいという姿からは程遠いのにも関わらず非常に目立っている。こういった台が流行る事は「演出が良ければそれだけで稼働するから買って貰える」というメーカーの怠慢に繋がる。拝金主義のメーカーは徐々にそういった方向へ流れていき、気が付けば本来のパチスロの作り方を忘れ、そういった台は消滅してしまうのではなかろうかと危惧している。

2022年は完全6号機時代となり新たな存在「スマスロ」が登場するという、パチスロにおいては激動の年となったと思う。徐々にスマスロが浸透していくであろう2023年、私はパチスロ滅亡元年にもパチスロ興隆元年にもなり得る分岐点だと思っている。このまま何もなければ滅亡、新たな動きが起これば興隆。2023年も底辺業界および底辺業界人に注視しながらクソ台を打ち倒そうと思う。今回はここまで。

あ、わすれてました。
あけましておめでとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?