花火絶景 ~赤ドン2~

「絶対に打つまい」「打ったら負け」と思っていたのだが、友達にどうしてもうんちしている間だけ打ってくれと頼まれたので数千Gほど回してきた。なんて長いうんこなんだ。

打つ前に知っておくべき事

初打ちがまだの人も多くいるだろう。この台の評判は既に通路寸前の様相を呈している状態を見ればお察しである。だが、結論から述べると私の評価は「まぁまぁ」だ。打てない事もないし設定が入る状況なら狙ってみようと思わない事も無い、くらいの評価だ。絶望的なクソだと断じた「戦乱カグラ」や「けもフレ」より全然良い。まだ打ってない人が世間一般におけるこの台の評価と同じ着地点に甘んじてしまわないように、初打ちの前に知っておいた方が良い事を挙げる。

この台は大花火や花火百景の後継機ではない

後継機だと思って打つととんでもない落胆と絶望が待っている。リール配列とボーナスの消化手順をこれらの2機種に似せただけの、全く別の台だ。

通常時は周期抽選もしくはレア役での抽選によって「高確率ゾーン」を目指す。この高確率でリーチ目役などを引いたりして当たりを引くのが主な当選契機。他にゲーム数解除と周期天井、ゲーム数天井が存在する。低設定を打っていればどれも満遍なく体験できる。したくはないが。

通常時は小役などによるポイントを100ポイント獲得で1周期到達。高確率BもしくはCZか大当たりに当選する。レア役はポイント獲得の優遇だったり次回BIG期待度が上がったり何もなかったりする。

以上の説明でこの台の解説の9割を終えた。

パチスロが大好きな諸兄ならもうお気づきだろうが、この台は純粋なAT機だ。リゼロや番長ZEROやバジリスク絆と同じカテゴリーである。間違ってもジャグラーやパルサーのような純ノーマル機ではないし、ガメラやハードボイルドのようなノーマル機ライクに遊べるAT機ですら無い

通常時に成立するリーチ目役は高確率中に引かなければ押し順ナビで消されて何も起きない。極まれに成立する押し順不問のリーチ目役でそのままボーナスが直撃する事こそあるがおまけのようなものである。リーチ目役の合算自体は1/130程度の確率だが、高確率中で無ければ意味が無い。

よってこの台は内部状態やモードによって支配、管理されたただのAT機なのである。この事を知っておかないと台に対する期待感(出玉感とかではなく、楽しいかもしれないという期待)が一気に削がれるので注意。流行りのAT機に抵抗がある人は触らない事をお勧めする。

絶景とは「絶望の景色」の略か??

この台における最大の「これいる?」要素が「打ち上げチャンス」。チャンスとは言っているがこれに到達した時点でボーナスは確定。BIGに昇格させる為のボーナス準備中のような状態であり、大当たり告知後は殆どここを経由する。

規定G数以内にBIGが揃えばBIG、揃わなければほぼREGというゾーン。このゾーンがあるお蔭で「この台は大抵REG」という印象を与えられた。何しろ打ち始めから5連続REG。BIGの期待度もでるが50%が何回出てもBIGが揃わない。赤カットインも揃わない。

非常に良くないのが「ドンを狙え 後○回」と書かれた左上の表示。回数を追うごとに絶望感が増していく。REGはほぼ60枚しか取れないとあって、BIGと10倍もの差がある。60枚ぽっちでは、優遇されているらしい1周期目すら回せない。まさに「絶望の景色」と言える。

AT機のくせにめんどくさいBIGとあり得ん少ないREG

前述のようにこの台はれっきとしたAT機である。そう考えると途端にめんどくさく感じるのがBIGの消化だ。他のAT機であれば押し順と精々第一停止だけ色目押しに従うだけの簡単消化というのが流行り。だがこの台は技術介入という要素によってBIGの枚数が400枚~600枚と大きく荒れる。

AT機の癖に途端にめんどくささを要求してくるのだ。確かに打ち始めた最初の方こそ消化手順に懐かしさを感じて「こんな風に遊んでたな~」とか「こういう勢いで一気にメダル出てくる台だったな~」という感覚にはなった。だがこれも最初の1回だけ。プレミア級を引かない限り当たる事があり得ない時間が存在する通常時に対して、ミスした場合にこれだけの枚数のブレが起こり得る大当たり中を消化させるのはストレスからのストレス派生だ。

うんともすんとも言わない絶景チャレンジ

BIG、REG問わず終了後には絶景チャレンジという連チャンを賭けたCZに突入する「絶景チャレンジチャレンジ」に突入する。いわば「チャンスのチャンス」というやつ。まわりくどいなぁ。

小役で絶景チャレンジ抽選、レア役でチャレンジ確定。絶景チャレンジは40%で大当たりとなっている。当たらないどころか絶景チャレンジにすら移行しなかった。おまけ程度の認識で過度に期待しない事。そうそう簡単に600枚BIGが連するはずがありません、現実をみましょう。

なぜ「まぁまぁ」なのか

さて、ここまでを読んで頂いたほとんどの方が何故こんな酷評しながらこの台を「まぁまぁ」とコイツは言っているのか、と思った事だろう。

まず、CZに該当する「大花火ステージ」と「花火百景ステージ」が良くできている。音や演出は当時の思い出をよみがえらせるには十分だし、演出法則も大分踏襲できている。また同じCZながら大花火ステージは大花火のようにリーチ目待ち。百景ステージは百景のプチRTを生かした連続演出を、通常時1枚役からの抽選によるボーナス当選という形で、「リーチ目が出ずとも当たる」という花火百景の性質を受け継ぐことが出来ている。大当たりに繋がる重要な部分では大花火シリーズのDNAを受け継いでいるのだ。

一方でこれらのCZはCZなので通常時における滞在時間が少ない。改めて思ったが特に大花火は今考えても通常時が非常に秀逸な出来だと思う。であるならばやはりガメラ、ハードボイルドのように通常時から常に一定の確率でのボーナス抽選をして欲しかったと言うのが多くの人の意見なのではなかろうか。周期抽選、G数解除などもってのほかだ。

また、「まぁまぁ」としたもう一つの理由として「BIGの出玉感」がある。やはり色々言ったところで1ボーナス600枚というのはインパクトがあるし、純増も7枚以上あり増え方は当時のボーナス中を彷彿とさせる早さ。薄い確率ながら連チャンも見込めるとあってBIGを引いた時にはなんだかんだで嬉しさはひとしお。

しかし注意点として、BIGの枚数こそ再現できているが、機械割は当然再現できるはずもなくそうそう都合よく繋がってはくれない。通常時も当然長くなりがち。しかも仕様上ハマるほどBIG比率が上がってしまう作りとなっている為、1BIG分を使ってもう1周遊ぼうとすると飲まれたころには期待値が発生し止められないという状況もしばしば。当然即ヤメ台がゴロゴロ転がる事になり見た目もよろしくない。

以上、全体的には褒められた出来では無いのだが要所がそれなりに抑えられている台であるため評価を「まぁまぁ」とした。

どうするべきだったのか

SNSなどでも「これ大花火でも百景でもない」という声が非常に多く聞かれたし、私も同様の感想を持った。これを解決するには話は簡単で、「台のタイトルを変えればいい」のである。この「花火絶景」というタイトルや様々なアピールポイント、売り文句を見れば多くの人は「あの大花火!?」「花火百景好きだったなー。UFOがさ~、ロケットがさ~」という当時の思い出を思い出し、その思い出を胸に抱えたままこの台と向き合う事となる。この思いは「ユーザーが勝手に抱いたもの」ではなく「メーカーが抱かせた」ものであり、それを裏切った形となると悪いのはメーカーである。私のように好き好んでクソ台を打ち、その恨みつらみをわざわざこういった形でお気持ち表明するようなユーザーの方が稀有で、多くのユーザーは「期待外れ」と一蹴して終わりだ。

特にこの台はリリースされるという噂が聞かれるようになってから実際に置かれるまで随分時間が経っていた。時間が経てば台に対する期待感や早く打ちたいという気持ちが大きくなってしまう。様々な要因でユーザー側の期待感はメーカーの思うそれよりも勝手に大きくなってしまったのではないだろうか。そしてこの台はその期待にはあまり答えられなかったと言える。

せめて「ドンシリーズ」としてリリースし、その中で大花や百景の演出で楽しめるという触れ込みであればユーザーからの目線も少しは変わっていたかもしれない。今からでも遅くない、「赤ドン2 大花VS百景」というタイトルで出しなおそう。

まとめ

そんなわけでそろそろまとめの時間である。「え?もう終わり?」と思った人は普段からよく読んで頂いている稀有な読者である。お礼申し上げる。

ハッキリ言ってこの台で語る事は少ない。他の機種であれば概ね5500字ほどの文字数で記事を書いているが、この記事は4000字にも満たない。冒頭の1文でもお分かりのように、最初からこの台に対する私の熱量は大して高くなかった。導入前のちょっとした記事で大まかな仕様を知ったら熱量は増すどころか冷める一方だった。なので案外悪くない点を見つけることが出来、当初の予想を上回る形となった為「まぁまぁ」に落ち着いた。

台の仕様も特別深く掘る必要もないというよりは、そもそもが浅いので深く掘れない。ただ漫然と普通のAT機のようにアニメを見ながらスライドで消化する程度の台だ。レア役はこぼしてもチェリーは1枚、山は3枚。代用絵柄も用意されているので枚数的な損もしにくい。突発的当たってリーチ目びっくり!みたいな現象も1日1回くらいしか起きない(確率的にも)。CZに全エネルギーを集中させる為通常時をのんべんだらりと過ごそう。

バカほど酷評できるようなオブザイヤー級のクソでもなければ、ハッとするような素晴らしく出来の良い部分があるでもなく。記事にした事を若干後悔したあたりで4000文字到達です。ごきげんよう。

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