無題

パチンコ界隈で最近よく見る「誰が悪いのか」議論。

「パチンコが回らないのは甘すぎる台を作るメーカーが悪いのか、釘を空けない店が悪いのか」というような小学生が疑問に思うような事をあーだこーだと議論している人たちが居るらしい。

私は幼卒程度の知性しかないので「釘を空けることが出来る人間はホールの人間だけなのでホールが100悪い」と思っておりそれに対して1つの疑問もわかなかったのだが、世の中にはメーカーが悪いという論調の人も一定数いるのが不思議だ。

そしてTwitterのありとあらゆる論調を拝見してもこの意見が1ミリも変わる事がなかった。

大多数の人間が事実を見誤っている事に気づいていない

「パチンコが回らない」という文章は、我々がホールで感じる「パチンコ回らねぇなぁ・・・」という現象を正しく示しているものではない。正しく書き換えると「パチンコが回るように感じられない」とか「回ったように感じて貰えない」が正解である。

回る回らないを紐解くと2種類に分類されると思う。

1つ目は「どうやっても勝てないレベルで回らない」
2つ目は「(変動が良く止まったりして)回ってる感じがしない」

まず、前者。こういった言葉は、いわゆる「ボーダー論」的なものを振りかざして知った気になってパチンコを打っている人たちから良く吐かれる言葉である。私は断言するが、たかだか数時間パチンコを打ってこの台はボーダー超えてるとか超えてないとか、そんな事を正しく計算できる人間はこの世にはいない。ボーダーとかいうものは回転率のみならず他入賞への入り、アタッカーや周辺の道釘の性質など複合的な要素によって大きく変化するからだ。また、その程度の稼働であれば人生をかけて打っても収束させる事は難しいだろう。パチンカスの確率論などその程度のものだ。サイトでボーダーをみて実際に打って「よし、回るな」というレベルで打つような大多数の打ち手に対して「この台は回る」と思わせながら回収をするのがホールの技量というものではないだろうか。

なお、開店から閉店まで毎日パチンコが打てて数名で良い台を埋めるようなプロ連中はこの限りではないが、これは回る回らないというよりはプロとの賢い付き合い方という別の話になってくるのでこれ以上は触れない。


次、後者。「回っている感じがしない」というもの。これはボーダー論というよりは、雰囲気でパチンコを楽しんでいる人たちの意見だ。これに関しては一部は「台のせい」である部分も大きい。保留個数による通常変動の長さや、保留の量によるリーチ確率、ガセ演出の頻度などによって、同じ回転数の台であっても保留の溜まり方や感じ方は異なる。この辺は打ち手に上手く錯覚させる作りが出来ているかというメーカー側の努力によるところが大きい。しかし、この努力がなされているかどうかを知らない、あるいはうまく活用できるかどうかという点はホールの人間の技量によるところである。


謎の原因を持ち出す愚か者たち

この手の論でよくあるのは「回るようにすると出率が甘くなり回収が出来ない」というもの。実に愚かで何も考えてないのが伝わる短絡的な意見である。パチスロ、特にスマスロが好調な今利益とか回収とかを根拠にパチンコを回せないというのはホール側の言い訳にすぎない。未だ稼働が衰えない北斗やカバネリを回収源とすればよいだけの話である。パチスロの甘さは許容できるのにパチンコの甘さは許容できないのはどういう理屈なのだろうか。よって「甘いから」どうこうを回らない原因とするのはナンセンスだ。

更に愚かと感じる事は、地域一番店も二番店も超過疎ボッタ店も全く同じような状況である事だ。つまるところ、パチンコ業界人は人真似、もしくはコンサルのまねごとをしている素人に言われるがままそうする以外の事が出来ないのだ。

加えて「パチンコが回らない」という論調が大きくなる事自体も問題である。「パチンコが回らないモノ」というのが当たり前になると、そうなっている事に対して誰も疑問を持たなくなる。そうなると、なんの罪悪感もなく、無思慮にパチンコの釘をしめてもよいものという風潮に繋がりかねない。また、ガンダムSeeDとかカバネリとかアズールレーンとか若者を狙っているであろうコンテンツをいくら量産しても、そういった情報網に明るい若者は(仮にパチンコに詳しい人間でなかったとしても)寄り付かなくなっていくだろう。もはや誰にも止められない負のスパイラルだ。

一方で、そんな回らない店よりも少しは回る店は今はチャンスかもしれない。薄利で運用しているというだけでもはや貴重となってしまった現在では、心機一転パチンコに力を入れそっち系の演者でちょっと起爆してやれば多少は動くかもしれない、しらんけど。


まとめ

そんなわけで、回らない原因の99%はホールに責任があると私は思っている。そもそも、釘を弄る権利を持っているのは店だけで、それ以外の誰が回る台を用意できようか。SNSで言われている様々な原因は、釘があけられない要因の一端となる可能性はあっても全て間接的なものだ。様々な理由を見つけて指摘してみた所で問題の核心はいたってシンプルである。四の五の言わず、ホールは釘を開けろ

どこのホールもパチスロの設定6をお試しで使ってみる癖に、設定6のような釘で運用した試しがあるホールは(運用ミスを除けば)皆無だろう。試しにやってみればいい。客がどういう反応を示すか。いつだって世界を変えてきたのは一握りの人間による愚かな挑戦だ。ここまで湿り切って腐り切った業界で挑戦を諦めたらそれが終焉の時であろう。


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