スマートでは無い人達が一番気にしている「スマートパチスロ」

ヤーマスの住人「今パチンカスの街ではスマスロの話題で持ち切りよ!」

スマート とは何か

一般社会でお過しの方々の9割は正しく解答できると思うが、パチンカスや業界人は知らない可能性が高いのでまずは「スマート」という言葉の意味から説明する必要があると思う。

まず「smart」という英単語に細いとか痩せているという意味は存在しない。「賢い」「機能的」などが本来の意味である。どんどん巨大化しているスマートフォンを見ながら「どこがスマートなの?」と思っていた人はスマートでは無い。良い意味の単語に思われがちだが実は「生意気」とか「抜け目ない」とかいう悪い意味も持っている単語だし、名詞になると「苦痛」「苦悩」「傷心」、動詞になると「うずく」「痛む」という意味もあるようだ。メンヘラ演者における「スマートフォン」ってこっちの方の意味だったんだと思うと納得できる。

スマートでは無いやり方が大好きな人達

スマスロが本当にスマートかどうかは議論の余地があるが、それははっきりいってどうでもいい事である。なぜならまだ始まっても居ないからだ。実際に触ってみてどうだったか、体験しない事にはスマスロが本当にスマートかどうか知る由もない。

ここで問題にしたいのは「スマスロ導入前に業界がやるべきことをスマートに出来ているかどうか」だ。導入前にすべきこととは何だろうか。私が思う必要な事を数点書き出してみた。

  1. 「スマスロ」というものの導入が始まる事の周知

  2. 「スマスロ」を打つために必要なユニットの使い方の周知

  3. どんな機種がスマスロで出るのかのPR

大事なのはこの3点。重要な事は「誰が」それを行うかである。パチンコ業界というのはめんどくさい事に様々な主体が存在しそれぞれがいがみ合い憎しみ合っている。「誰が主体となって進めるべきか」を間違えると飛んだ総スカンを食らう事になる。そうあの時のように。

ちなみに、「スマスロは有利区間が云々」とか言う話をよく聞くがそれは非常にどうでもいい事である。何故ならほとんどのユーザーにとってそれが打つ動機にならない事、またほとんどのユーザーがそれがもたらす良い面悪い面を理解できないからだ。そもそも業界人すら正しく理解していないモノをユーザーが理解できようか。

①スマスロの導入が始まる事の周知

この3つの中では、現状はさほど重要ではない。何故ならスマスロというのは「パチンコ屋」の中における「20円パチスロ」の「ごく一部」に導入されるだけだからだ。割合だけを考えるなら、スマスロの告知なんかよりも「冷し中華はじめました」の告知の方が何十倍も重要かもしれない。スマスロというのはその程度の存在なのである。ただし、一応業界の人たちは徐々に増やして最終的には全てスマスロ化というのが目標らしい。つまりジャグラーのような高齢者層の割合が高いシマもそのうちそうなるという事。いずれそうなるのならば早いうちからそれなりの規模でやっておくと言うのは悪い事ではない。

問題はその手法である。上のツイートを見るとどっかで見たことあるような顔が勢ぞろいでお出迎え。なんとも圧を感じる画像になっているばかりか、当該ツイートの引用RT欄を見ると揃いも揃って引用RTで「スマスロはじまるよ~」みたいな能天気さ。気持ち悪くて草。

気持ち悪いのは百歩譲って、画像の顔をよく見て欲しい。「こいつがパチスロ打ってるの見た事すらないんだけど」という顔面がそこそこの数ある。4二とか8十一とか。まぁ、人選も別にどうでもいい。「こんな画像1枚作るだけに随分と金のかかりそうな顔面ばかり集めたな」というのが私の感想だ。ざっと計算して100人くらいいる。どの顔を見ても頼まれてタダでやってくれるような漢気のある顔はどこにも見つからないので超激安で見積もって1人1万。全部で100万。たっか。どこがスマートやねん。

この告知画像。下部を見る限り主導しているのは業界団体である。それがそもそもの間違いである。何故か。スマスロが入らない店があるからである。スマスロを導入するかどうかは全て店に主導権があり、店が主体となって様々な告知物や広告を考えてやっていくべきことである。業界団体が主導すると、全てのパチスロがスマスロになって全ての店に導入されるかのような誤解を与える。そしてスマスロが入らない(入れられない店)がより窮地に追いやられていく。

私はスマスロが買えないようなショボい店は別に潰れていいと思っている。だが、「潰されていい」とは思わない。この告知物の下部をもう一度よく見ると、これは遊技機メーカーの業界団体からの告知物である。つまり店に台を売っている連中の集まりだ。抱き合わせ塗れの大手だけでなく、ジャグしか作れないところや、ハナしか作れないところや、クソしか作れない所も全部一緒。Jやハナはまだしも、Daiichiだのベルコだのは頭下げて買って貰う側だろうに。恩をあだで返すような事だけはしたらイカンぜ。

②「スマスロ」を打つために必要なユニットの使い方の周知

北朝鮮ミサイル問題より大事な事。

昨今のパチ屋において「新台だから」という理由で座ってくれる客は大分減ったように感じる。新台の解析などが出し渋られるような状況になった事に加えて、新台に設定が入らないのが当たり前の状況というので拍車がかかり初日に客が飛んでいる様子など珍しくない。

そんな中で新台というものにわけもわからず着席する客と言うのは貴重。そしてスマスロユニットの使い方が周知されていないと、その貴重な客を取りこぼす事になりかねない。パチ屋の客と言うのは、パチ屋という底辺を囲う檻の中で常に優勝したいという本能を持ち合わせているので、肩を揺らして自分を大きく見せたかったり、中身の量はさておき積んだ箱の数だけは誰にも負けないという謎のプライドがあったりする不思議な人が多い。そんな人が操作の不明瞭なスマスロと対峙したらどうなるだろうか。

お店として実際に分からなそうな客がきたらどうするかとか、様々な状況を想定して色々考えている事だろう。だが、スマスロのシマに1人店員を張り付けておくという行為は悪手だと思う。前述したがスマスロは「パチ屋のごく一部、たかだが数台」である。これの為に1人を常に配置しておくのは果たしてスマートなのだろうか?これからスマスロの導入が徐々に増えるとなれば暫くはその体制を維持する事になる。果たしてこれがスマートなのだろうか?店舗の負担が減りますってスマスロのうたい文句にあるんですけどねェ。

本来こういう事こそ業界団体が主導するべきことである。だってスマスロのユニット作ってるの君たちじゃん。自分たちが作った機械の説明を買ってくれた人にさせるってちょっと変だと思う。ちなみに、スマスロ特設サイトなるものが存在しているが非常に面白い出来なので、特にPCで一度開いて見て欲しい。YouTubeに上げた動画が意味不明なでかさで流れるので、例のポスターに鎮座していらっしゃる有名なお顔が昭和の画質で再生される。スマスロのユニットの使い方も載っているので是非開いて見て欲しい。小さなポップアップの中で小さな画像、小さな文字で親切丁寧に書いてあるので老眼の人はまず読めない。演者にあげた100万円、こっちに投資してあげてほしかった。

③どんな機種がスマスロで出るのかのPR

そこそこ大事。ちょっと匂わせたので察しのイイ諸兄なら気付いたと思うが、ここでハッキリさせておく。

スマスロである事が打つ動機にはなりにくい

一般的なユーザーやジャグラーのシマで訪ねてみて欲しい。今が6号機という基準の台しかない事を知ってて遊んでいるかどうか、と。ユーザーにとって打つ打たないの判断基準は「楽しいか楽しくないか」「面白いかそうでないか」「出るか出ないか」「脳汁が出る瞬間があるかないか」であり、その中に「新基準機かそうでないか」という物差しを持つ人はほぼ居ないと言える。逆にスマスロが稼働して人気の機種となれるかどうかは、「バキ」なり「トマト」なり「ヴヴヴ」なり「鏡」が楽しいか楽しくないか、出るのか出ないのかetc それに尽きる。

ちなみに私は、今の所このラインナップで面白そうだとかそそられるような情報を一切見ないのでスマスロは打たないと思う。「スマスロだから打たない」のではなく「面白そうな機種がないので打たない」のだ。最近よく打っているハードボイルドや魔法少女育成計画がスマスロだったら「スマスロは打ちたい」と答えるだろう。

つまりスマスロどうこうではなく、スマスロで出る機種のPRをしっかりするべきであり、それはどちらかというとメーカーの仕事だろう。お店の人がどうこう苦慮したところで「はい、クソ台買いました。ごめんなさい」となるだけ。1週間前なのでもっと情報があってもいい頃だと思うんだけどねェ。

業界人はTwitterやスペースなどで「スマスロ打ちますか~?」などと能天気な会話を繰り広げているが、ユーザーにとっては果てしなくどうでもいい事であり無意味な質問である。「スマスロは有利区間上限がありません!」などというものを見る度に、アッテンボローのように「それがどうした!」と言ってやりたくなるのである。


おわりに

蛇足。

このツイートは某所にてとある業界人が「ゲーセンにあるメダルレスのシステム体験したらメダル投入すらめんどくさくなった」という発言に対する私の意見だ。スマスロはメダルレスなので、メダルがある事によるアレコレが基本的に起きない。だが、それに伴って失われる文化も存在する。

世の中にはスマートになった方が良い事、ならなくても困らない事、そしてならない方が良い事が存在する。客にスマートな遊技性を提供し楽しみの多様性を奪う事に躍起になっておきながら、自分たちはスマートな仕事が出来ないとはなんと滑稽なことか。

折角アッテンボローの名言を引用したので、最後もあの作品の名言でお別れです。

崩壊に直面して人心が動揺する所、
必ずこちらの求めもしない「商品」を
売りつけにくる者がいるでしょう。

ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ



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