太陽が泣いた日

会社で徹夜して仮眠を取り、7時前後に目覚めて自席でぼーっとしていた。8時少し過ぎて、彼のスタッフをしている友人から携帯「今朝、亡くなりました」。

彼が重い病気であることは僕も知っていた。一度は音楽活動を再開し、長年の夢だった翻訳家としても精力的に活動をはじめたばかりだった。

「………わかりました。連絡ありがとう」

とだけ言って電話を切った。始業前のオフィスには、まだ誰も居ない。汚れたビルの窓から見える夏の太陽は、くすんで弱々しく見えた。

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