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【ドラフト】『神河:輝ける世界 大考察(序文)』

こんにちは、ぞんびです。

年明けから一か月ほどが過ぎ、心機一転みなさん新しい年で様々な新しい活動をしている頃でしょうか。MtGで新しい活動といえばそう新セットですね。もうあと目前に『神河:輝ける世界』(以下NEO)の実装が迫りました。20年近くぶりに再訪となるこのセットは、元のテイストは残したまま様々な刷新と改善も迎えており、神河が元々最も好きな世界の一つである筆者も心がうきうきしております。
そのうきうきもキープしたまま、ここでは恒例となる『リミテッド大考察』としていくつかMTGAのリミテッド目線の記事を書かせていただこうと思います。


カード個別評価白編はこちら
カード個別評価青編はこちら
カード個別評価黒編はこちら
カード個別評価赤編はこちら
カード個別評価緑編はこちら
カード個別評価多色+その他編はこちら

前提事項
以下、この記事シリーズの前提やテーマとなる部分となります。
・MTGAでのプレミアドラフトを前提としています。
・BO1、対人ドラフトとなるためBO3やクイックドラフトとはいくつか話が変わります。
・実際NEO環境のドラフトが始まる前にカードリストやギミックと向き合い『こうなるだろう』『これらはどうだろうか』と予測交じりの考察をしていきます。
・この記事での用語として以下を使っています
  専門性:カードの強さが、特定のギミックに強く依存しており、そのギミックを強く補強していること。そのギミックに関わるカードを多くとレア取るほど強くなったり逆に単独で存在していても弱いことなどを示す時等に使用。
  越境性:カードが複数のギミック/アーキタイプを跨ってサポートしていること。これが高いほど、『どのようなアーキタイプやデッキを目指していても採用しやすいカード』と言え特にピックの序盤に取りやすく、取っても後続の選択肢が狭くなりづらいです。
・この記事をまず『序文』として、NEO環境全体の分析やギミックの振り返りなどをしていきます。その後、各色のカード評価を個別に行っていきます。環境全体観や各ギミックの影響を先に把握し、存在するアーキタイプなどのイメージを固めないと正確なカード評価につながらないからですね。

今回の神河はとにかく要素が詰め込まれていますね。旧来の要素に加えて新要素も種類が豊富であり、1セットからはみ出てるんじゃないかと思うほどですね。
まず今回の考察記事序文ではセット全体のメカニズムに対して大まかにリミテッドでの影響を述べていきます。そしてその後カードプール全体を見て僕が気付いたこと/違和感とおもったこと/気を付けるべきと感じたことなどを纏めていこうと思います。この記事の目的である、『環境分析』をする際のとっかかりを可能な限り並べようということですね。


1:神河 伝統と進歩

まずは例によって基本的な情報を抑えていきたいと思います。
神河全体のテーマとしては『伝統と進歩』と言い表せると思います。セット全体の雰囲気として旧来の神河のものを残しつつ新しい要素を取り入れているのもそうですし、メカニズムにもそれは波及しています。
昔に存在していた大きなテーマである『スピリットとそれ以外』というものは残念ながら撤廃されました。その代わりに新旧及び変種系のメカニズムが大量に出ており、過去の神河3つ分くらいのボリュームになっていますね。
パックの情報としては、今回は久しぶりに『コモンの土地』がドラフトのパックに含まれます。そして両面カードもあり専用の枠が確保されています。
内訳は以下のようになります。
1枚:通常/両面どちらかのレア以上のカード
3枚:通常のアンコモン
1枚:両面カードのコモンかアンコモン
9枚:通常のコモン(土地は出ない
1枚:基本地形あるいはタップインの2色土地
となります。多色土地がコモンにあるのはやはり大きく、イニストラード2セットなどに比べると多色化が非常にしやすくなっているといえます。マナアーティファクトや基本地形サーチを行うアーティファクトもあるのでより一層ですね。
あとでアーキタイプ解説のところで述べますが今回は2色のアーキタイプがどれもふわふわしていて専門性が低めに見えます。そのため2色にこだわらずに3色になったりする可能性も常に意識しておく必要がありますね。


2:新規メカニズム エンチャントとアーティファクト

神河の伝統と発展を表現する要素として今回採用されているのは、エンチャントとアーティファクトそれぞれのサポートです。今までどちらかを押し出したセットはありましたが、その両方は初といっていいかもしれません。(ウルザブロックはあくまでもエンチャントブロックとしてデザインされているため)
そして漫然と取り上げられているわけではなく、わかりやすく理由付けされて整理もされています。すべての色を『伝統(エンチャント)』『発展(アーティファクト)』のどちらに親和性があるかで分け、色ごとにサポート対象を切り替えていますね。
青は最も発展に意欲的な色であり最もアーティファクトが得意です。赤は二番手ですね。一方で緑は最も伝統と過去を大切にする色であるためエンチャントが得意であり、白は二番手となります。そして黒はその両方に対して中立な立場であり両方均等に扱えます。
まずこの色ごとの偏りを押さえておくといいでしょう。それぞれ得意なものをサポートするカードの枚数だけでなく、そもそもその種類のカードも色によって割り当てが大きく変わっていますね。(緑にはアーティファクトが1枚しかないなど)
そしてもう一つの特徴として、先述の通り『伝統と発展両方をサポートする』メカニズムも実は用意されています。枚数が少なく名前がついてはいませんが『調和』と公式記事で説明されたためこちらでもその用語を使います。主に黒に割り当てられており、『アーティファクトかエンチャントどちらかだけでも効果を発揮するが両方だとより強い』あるいは『両方持っているときのみ強い』カード群となっていますね。白黒が調和の色となっていますがほかの黒がらみの色でも使うこと自体は可能です。ただし、エンチャントは色がついているため赤や青のエンチャントは少なく、アーティファクトは逆に色がないため緑や白いデッキでも簡単に入れれるので必然的に黒白/黒緑のほうが調和をしやすくなるでしょう。
これらサポートカードの存在と色による偏りは評価/ピック/プレイをする際に避けては通れない思考のとっかかりになります。赤緑であればアーティファクト支援カードの評価を下げる、青緑でエンチャント支援カードを使うなら緑のカードを積極的にとる、などですね。意識しておきましょう。


3:新規メカニズム 改善

今回新しく用意されたメカニズムです。『カウンターが置かれているか、装備がつけられているか、オーラがつけられている』クリーチャーを”改善されている”クリーチャーと呼び、それらに対する効果を持つメカニズムですね。
装備は必然的にアーティファクト、オーラはエンチャントであるためエンチャント/アーティファクトの間を取り持つメカニズムであるともいえます。
全体的な特徴は何とも言えませんが、戦闘的な効果が多いですね。赤緑に主に割り当てられていることもそれを助長しているといえます。
装備/オーラ/カウンターどれも全体的には十分な数があり使いやすいものもそろっているため赤緑の2色であれば自然と使うことができるでしょう。カウンター設置が最も信頼できるサポートであり、エンチャントやオーラはどちらも弱点があるといえます。カウンター設置が赤と緑に多少あるのでそれをメインで使いやすいのはいいですね。
一方でそれ以外の3色はどれも改善と相性が悪いメカニズムを抱えています。赤or緑+青or白or黒という組み合わせになる際はどうしても装備やオーラで改善をしなければいけないパターンが多そうです。あまりこだわらないほうがいいでしょう。
注意点としては、カウンターや装備品は誰のものでも改善扱いになりますがオーラだけは自分がコントローラーであるもののみ改善扱いになります。除去オーラが裏目にならないための配慮でしょう


4:新規メカニズム 換装

『装備品』と『クリーチャー』が一体となった新規メカニズムですね。実際のところはマイナーチェンジといった感じですが。
すべてアーティファクトクリーチャーであり基本的にはクリーチャーとして振舞います。が、換装コストを支払うことでクリーチャーに装備することができます。よくある『ゲーム後半にマナの使い道を供給する』タイプの能力ですね。
色による偏りはほぼなくどの色にも配られています。どれもクリーチャーとしての質も水準程度はあるためマナのない序盤は普通にクリーチャーとして戦力になり、中盤以降クリーチャーの戦力質を向上させるという使い方がスムーズにできるでしょう。メカニズムとしては強力だと思います。換装ばかり取ったとしても互いに換装しあえるためあまり深く考えずに使えそうですね。
装備コストはたいていが重めであり、換装するタイミングや直後に妨害を受けると大幅なテンポロスにつながりやすいことはいつも以上に注意が必要です。幸いインスタントのアーティファクト破壊は数が少なく軽量インスタント除去も数は少ないですが警戒は必要です。クリーチャーとしての用途がメインと割り切ったほうがいい場面も多いでしょう。


5:新規メカニズム 変身する英雄譚

これも既存のカードタイプの発展ですね。今回は過去にも何度か登場した英雄譚ですが、今回は両面カードとして登場しています。
神河のすべての英雄譚は『エンチャント・クリーチャー』である裏面を持ち、その最終章の効果として追放され変身した状態で戦場に戻ることとなります。
まず注意点としては、一度戦場を離れるので召喚酔いの影響を受けてしまうことですね。それに加えて変身するまでの2ターンのタイムラグのことを考えるとテンポ的な盤面への影響力は低いといえると思います。マナコストに対してのサイズだけを見ると概ね良好なのですが実際には+2マナとみるべきであり、そうすると働くターンに対して陳腐化していると思います。クリーチャーの頭数として戦闘を任せるのではなく、英雄譚としての1&2章の効果を目当てにしないとカードとしての評価がしづらいと考えています。


6:再録メカニズム 忍術

かつて神河に存在した能力が採録されています。
これに関しては既に別個で解説記事を書いているのでぜひそちらをお読みください。

リミテッド目線の補足としては、忍術は青黒緑に存在し赤白にはないことですね。直接の影響は薄い要素ですが、覚えておくに越したことはないと思います。


7:再録メカニズム 魂力

これも採録メカニズムです。『マナコストを支払いこれを手札から捨てること』をコストとして呪文のような効果を発揮するメカニズムですね。感覚としては『クリーチャー/インスタント』の組み合わせの分割カードといった感じです。
これもパーマネント部分もインスタント部分も手ごろで扱いやすいカードが多く自然と扱えるカード群だと思います。インスタントの数の水増しになっているためかセット全体の純粋なインスタントの枚数は少なくなっているように感じますね。
魂力は土地/エンチャント/アーティファクトにしかついていない能力です。土地はレアにしかないのでカウントから除外するとして、エンチャント化アーティファクトにしかないというのは、それらのサポートカードが軸になりがちな神河では重要ですね。エンチャント/アーティファクトのカウントを減らさずに呪文の枠を確保できる(しかも大半がクリーチャー)ということでありかなり大事なのかな、と思います。


8:各アーキタイプについて

今回もいつも通り2色ごとのアーキタイプが存在します。
存在しますが、いつも以上にその垣根は低く、言ってしまえばアーキタイプの中でのつながりが薄いエキスパンションであると判断しました。アーキタイプごとのサポートカードといえるものもかなり少なめだと思います。有効色ですら少ないのは近年珍しいかもしれません。
そもそも半分くらいがアーティファクトかエンチャントにかかわるアーキタイプであり、それらのカードタイプはまんべんなく存在しているのでその時点でかなりアーキタイプごとの専門性が下がることになりますね。それら以外にもアーキタイプ同士の親和性が高いものが多く、渾然一体としています。(カウンターを乗せるエンチャント、が赤緑と緑白両方に越境しているなど、属性+効果の種類で越境しているカードが多い)
唯一侍だけが専門性がかなり高く独自のカード評価基準を持つことになりそうです。

では、アーキタイプごとに見ていきましょう。


白青:機体
クリーチャーをタップして搭乗することで一時的にクリーチャーになるアーティファクトである機体をサポートする組み合わせです。機体は搭乗が必要である分マナレシオに優れたものが多く、準備が整い次第積極的に攻撃する攻めよりのアーキタイプでしょう。
狐の腕利きはその攻撃性を強く後押ししてくれるコモンであり集めやすそうないいコモンです。搭乗の際にパワーを高くカウントするトークンも生成でき、ほかの色より明確に機体に乗りやすいですね。その一方でその他の機体参照カードはアーキタイプの中でも少ないほうであり、何を集めればいいのかわかりづらいかもしれません。そもそも機体はデッキを組む際にはクリーチャーとしては0.5枚程度しかカウントできません。機体をかき集めるというよりは青白のテンポのいいビートを目指し、その一環としてテンポに優れる機体を使うことになるでしょう。
機体はすべてアーティファクトであるためアーティファクト支援も受けれることは覚えておきましょう。

青黒:忍者/ローグ/忍術
忍術とそれを持つ忍者/ローグを擁するアーキタイプです。
忍術で出てきた忍者は本来の適正マナコストよりも1マナ程度軽くなっており、攻撃に参加している状態であることを加味すると2ターン早くアタックできています。とはいえクリーチャーを戻している分を加味するとトータルのテンポは失っていることが多いですね。
手札に戻すことにも意味を見出したり、各種忍術に付随する能力でそのテンポを埋めることができればトータルのテンポはよくなるでしょう。
この環境随一のテクニカルなメカニズムであり、適切な対処を学ぶのも難しいと思います。相手に対して圧をうまくかけていきたいですね。
ポイントとしては黒側はほとんどアーキタイプとしての忍術に貢献しない点ですね。忍術効果もアンコモン以下は純粋なダメージレースに影響するものがほとんどであり、また忍術の種になる回避能力を持つコモンクリーチャーもやや使いづらいです。手札に戻すためのトリガーとして使ったり、ほかの色でも特に支障なく使える、ととらえてよさそうです。

黒赤:アーティファクトの生贄
生贄といういつもの戦術をアーティファクト路線で行う感じですね。コモン目線で見るとアーキタイプ用といえる『生贄に捧げるカード』『生贄に捧げたときに誘発するカード』は特に少なく、関連カードをとにかくとってデッキにするスタイルは通じなさそうです。
アンコモンの軸となるカードはどちらも優秀であり、先にアーティファクトを集めておく→アンコモン見つけ次第本格参入となると思います。
コモンである勤勉の神と地下街のたかり屋はどちらも使いやすく赤黒ミッドレンジ路線の逃げ道も確保してくれますが前者は赤青と食い合いやすいのを意識して早めにとるかもしれません。後者は流れてきてくれないかなぁ。


赤緑:改善
改善を軸としたアーキタイプであり、その特性上ビートダウン系のカードが多く存在しています。ただし前述したとおり装備やオーラで改善を満たすのはテンポを結果的に損なってしまいがちになります。1~2マナで使えるカウンター設置カードを意識して重点的にとる必要があると思っています。古の牙を継ぐ者が改善する最大の理由になるカードでありほかの色と被りにくそうなのもありこれをかき集めれるかと改善で使えるかがこのアーキタイプの命運を握りそうです。同じくかみ合う樹海の保護者はすべての緑のデッキで使うのがつらいところですね。
オーラ類のカードはこのアーキタイプ以外ではやや使いづらいためそれらを前提にしたアーキタイプにもなるかもしれません。

緑白:エンチャント
伝統よりの二色の組み合わせであるため、エンチャントそのものがテーマとなっています。エンチャントはサポートカード自体は少ないですが緑と白のカード群のクリーチャーは結構な数がエンチャントなので支援を受ける側の確保は十分簡単だと思います。
色としてのまとまりはいまいちのようにも思えます。白の除去が今回ある程度優秀なので除去+緑のクリーチャーという古い組み合わせに回帰するかもしれません。
エンチャントには英雄譚も含まれており、それらをサポートする専用のカードもあります。とはいえ、『唱えたとき』を誘発条件とするカードしかなく、第三章で戦場に出た場合には誘発しないことには気を付けましょう。
全体的に専用のレアは強めであり、レア以上から参入するアーキタイプかもしれません。

白黒:調和
黒が調和の色であり、また白もエンチャントと機体を擁することからこの色の組み合わせが調和と割り当てられたようです。
幼き日々と祝福刃の鼠が両方ともコモンの調和カードでありながらダメージレースを大きく有利にするカードとなっています。エンチャントやアーティファクトを使いながらこれらでライフ面で有利に立つ中速帯のデッキになるのかな?という感じですね。除去+戦闘支援も得意な色なのでシンプルなライフレースは最も得意になるのではないでしょうか。
また、アンコモンとは思えないドロー力がある土地である道路脇の聖遺をたやすく扱えるのもこの色の強みだと思います。
実際に組むときは、除去類も可能な限りエンチャントやアーティファクトで補っていきたいですね。

黒緑:墓地
おそらくもっとも漫然としたアーキタイプです。多色のアンコモンも戦場に出たときにカードを回収するだけであり、継続的な支援カードではありません。切削自体も大したものはなくアーキタイプとしての成立が最も難しく見えます。
朗報としては墓地回収は魂力と相性がよく、黒には魂力がないものの緑には豊富かつ強いものがそろっていることですね。回収カードは緑がコモンであり黒はアンコモンであるため、緑からシフトする、あるいは黒の除去を先行してとることになりそうです。更生の季節+ねじれた抱擁は強いシナジーに見えます。改善の緑も使えますからね。やっぱり緑がメインでは。

緑青:マナ加速/魂力
今までのエキスパンションの例から外れ、対抗色なのに今回最もまとまりがあるように見えます。マナ加速カードがすごく豊富にあり、加速から緑/青の重くて強いカードを使うという動きがスムーズにできそうだからですね。
マナ加速もエンチャントやアーティファクト、クリーチャーなど種類が豊富であり先に取れたサポートカードに合わせて使うことができそうです。
この組み合わせでもやはり構成の季節が強く、多色のアンコモンである巨大な空亀を使いまわすだけで勝ってしまうのではないでしょうか?
元々マナ加速系のデッキは好きなので最も期待しているアーキタイプでもあります。

青赤:アーティファクトが戦場に出ること
ややふわふわしたテーマですが、おおむねアーティファクト支援と思っていいでしょう。
ポイントは、『戦場に出る』という誘発条件は忍者と相性がいいことですね。回収先や、忍者が出ることによる誘発が見込めるなど青黒以上に忍者を使ったテクニカルな動きができることを期待しています。
コモンに戦場に出た際に相手のブロックを阻害するアーティファクトクリーチャーが2種類おり、それらを軸にアタックを通す+忍術で使いまわしていく動きがメインになるのではないでしょうか。

赤白:侍/単独攻撃
神河のトラディショナル部族である侍がアーキタイプですね。侍のみを支援するカードはほぼなく『侍/戦士が単独で攻撃に参加する』ことで誘発する能力がメインです。その性質上、攻撃的な戦闘がメインのアーキタイプになりますし、また侍以外では単独攻撃能力が誘発しない関係上侍以外、このアーキタイプの能力を持たないカード以外を採用すればするほど弱くなることが予想されます。
永岩城の模範と皇国の鎮圧者はどちらもこのアーキタイプの重要カードですがほかの色で使うことはやや難しいためこの2種類が流れてくるタイミングを見極めてかき集めるドラフトになることが予想されます。
その一方で、レアや神話レアから侍を志すカードはあまりなく、先述したように神話レアドラゴンなどの侍じゃないボムレアの扱いもやや苦手であるため初手から突っ走ることはあまりできなさそうです。
また、戦略としては単独攻撃をやめて全軍突撃するタイミングの見極めも必要ですね。たいていの場合は1ターンだけなら全軍突撃のほうがダメージが出るため。支援カードをブロックに回すとシナジーが途切れてしまう欠点もありますが、攻撃面をその使い分けで引き出して先に相手を妥当したいです。


9:神河の気づきコーナー

ここからは気づきコーナーです。簡潔に、神河ドラフトの環境について気付いたことを書いていきます。


・生物が神河の中心
メカニズム/アーキタイプのほとんどがまずクリーチャーの数を大事としています。機体、換装はクリーチャーがいなければ真価を発揮できませんし、忍術もクリーチャーが多ければ通しやすく、少ないと防ぎにくいです。改善ももちろんそうですね。
その一方でアーティファクト/エンチャント参照はクリーチャーの数が減る結果になりやすいので相反してるといえます。神河はそこを英雄譚クリーチャー、アーティファクトクリーチャー(と換装)、魂力(呪文の枠とクリーチャーの枠を兼ねる)などでごまかせるデザイン構造になっています。
この辺りはカード評価やピック中のバランス調整に影響する要素ですね。


・除去の品質
各色以下の特徴があります。
白:攻撃抑制オーラ、レンジストライク、パワー4以上の追放、アーティファクトとエンチャントそれぞれに対する除去、とバリエーションは豊かでそれぞれもある程度の強さがあります。
しかしそれぞれ狭めの範囲だったりとどこかに穴が開きやすいです。同じ種類の除去を取りすぎなかったり、ほかの色とバランスを取りたいです。
青:コモン除去の中ではタミヨウの完成化が4マナ瞬速の万能除去であり優秀です。とはいえインスタントのバウンスが重かったりするため使い勝手はいまいちかもしれません。この辺りは試してみたいです。
黒:コモンでインスタントの確定除去がないという久々の緊急事態ですね。とはいえ除去の種類自体は多く、それぞれは悪くない強さ以上があります。ねじれた抱擁は特に強く、様々なシナジーも期待できますね。ほかの色のインスタント除去が弱めな関係で、しっかりと相手が構えていそうな除去とタイミングを察知すれば安全につけれるでしょう。
赤:二種類の軽量火力が明らかに使いやすいです。とはいえその2種類しかコモンになく、アーティファクトではなくタフネスが5以上あるクリーチャーを作られると途端に手が出なくなりがちです。赤と相対するときは意識する部分ですね。幸いオーラによる強化はどれも使いやすいです。
緑:追加効果はないもののシンプルに強いインスタントの一方格闘除去を持っています。使いやすい接死がいることもありお世話になる機会が多いでしょう。また、エンチャントとアーティファクト両方を除去できる古代への衰退はほぼ確定除去といってよさそうです。その分でいつもより一段階除去が強いですね。


・サイズ感
改善系の効果で補うことを前提としているためかどの色も中堅サイズがやや低くまとまっています。そのなかでは4マナで出てくる未来派の歩哨と毒血勢団の影歩きはひときわサイズが大きく、これらが実際どれだけスムーズに扱えるかが環境のサイズ感を決定づけるでしょう。
赤は除去的にもクリーチャーサイズ的にも大きさが足りない印象があり、2色目やゲーム速度を調整して対応する必要がありそうです。
ゲーム速度がもし遅いようなら雷鋼の巨像を使える色が強くなる可能性もありますね。さすがにとんでもないサイズ感です。

・飛行
全然いないです。特にコモンに中堅サイズのものが青にしか見当たらず、飛行でのダメージレースは青の特権の可能性すらあり得ます。次点は白ですね。その二種類はシンプルに使いやすい飛行なため、それらを使うアーキタイプが上位になるようであればゲームプランとしてしっかり地上で殴ることを想定したほうがよさそうです。あるいは緑の竹林の射手は大変扱いやすい飛行対策なので点数に反映させることになりそうです。



以上、長くなりましたが【ドラフト】『神河:輝ける世界 大考察(序文)』を終わりとさせていただきます。要素が多くて全貌の把握が難しいエキスパンションですが、各色のカード評価もしていくことで理解度を深めていきたいですね。ぜひ最後までお付き合いください。


最後に宣伝ですが、意見交換やドラフトを一緒に観戦したり交流する場としてDiscordのサーバーをこの度立ち上げました。

もしよければどなたでもお気軽に来ていただいて一緒に活動やご意見いただければMTGAのドラフトを楽しみやすいと思います。この記事を読んでいただいたことをきっかけにドラフトを始めてみたいという方もぜひ!

リンクはこちら。

また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。つい先日、なんと50名を超える参加をいただき勢いもあります!

こちら以下公式アカウントになりますので良ければご覧ください。

https://twitter.com/mtgastreamer

それでは、ドラフトの世界でお会いしましょう。



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