『ふだん使いの言語学』訂正事項

『ふだん使いの言語学』(新潮選書)の記述に誤りが見つかりました。お買い上げいただいた皆さま、お読みいただいた皆さまに深くお詫び申し上げるとともに、以下のとおり訂正させていただきます。

p.20〜21で、「じゃない」という表現に「否定」と「事実確認」という用法があることを解説した部分です。否定の「じゃない」と事実確認の「じゃない」では発音が異なることを以下のような例で示しています。

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しかし、事実確認の「じゃ↓ない」の例として出した「これ、コーヒーじゃ↓ない」は、発音の表記が実際とは異なっていました。「コーヒー」のアクセントは「コーヒ↓ー」のようになっており、それに影響されて後続する「じゃない」のアクセントも変化するため、全体の発音は「コーヒ↓ーじゃない」のようになります。

以上の理由でこの部分の例示は不適切であるため、次のように例を変更したいと思います。

p.20 後ろから二段落目

たとえばお酒だろうと思って飲んだものが水だった時、「これ、お酒じゃない!」と言えば、この「じゃない」は否定の「じゃない」だ。同じ状況で「これ、お水じゃない!」と言えば、それは事実確認の「じゃない」だ。

p.21 冒頭の例示

否定の「じゃな↓い」=「ではない」  例:(お酒だろうと思っていたものが水だったときの)「これ、お酒じゃな↓い!」
事実確認の「じゃ↓ない」≒「だよ」「でしょう?」  例:(お酒だろうと思っていたものが水だったときの)「これ、お水じゃ↓ない!」


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