自分が変わるしかない

ある同僚に、どうしてもトランスをやらせてくれない利用者Aさん(仮名)がいた。同僚は身長が150cmくらいで、トランスの際にどうしてもAさんと頭がぶつかってしまう。それが嫌なようだ。
やがてAさんは、同僚にトランスをされるのを露骨に顔や言葉に出して拒絶するようになった。その後同僚は職場を辞めることになるのだが、そのときにある言葉を吐き捨てた。

私の背が伸びるか、Aさんが変わるしか、私が残る道はない。

つまり、同僚が背が伸びるがどうかは自分でコントロールできないから、Aさんに毎回頭がぶつかることを許容してもらうしかない、ということらしい。

どうやら同僚には、頭がぶつからないような介護技術を学ぶという選択肢は無いようだ。どこに行ってもどのみち壁にぶつかることにはなるだろう。だから、辞めてもらってよかったと思う。

自分が変わることでしか、生きていく道はないのだと再認識したできごとだった。

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