見出し画像

祈り

いつも考えていたことだった。

私はユンギさんが見せた涙にも、彼が兵役に行くことにも、変な意味や解釈を付け加えたくない。彼がこのタイミングで猶予を取り消したことに深い意味付けを与えたくもない。真意はいつも本人にしか分からない。そもそも意味すら無いのかもしれない。

タトゥーは好きな時に公開してほしかった。
もちろん公開しない自由だってあった。
ユンギさんの心はユンギさんのもの。
SNSを眺めるたびいつも心の中で唱えている言葉だった。タトゥーを見せてくださいとか、どこにあるの?とかそんなことは私だけは聞くまいと思っていた。
理解せずただ受け入れることと、相手に何も求めないことがユンギさん流の人付き合いのしかたらしい。
「人だから泣くこともある」
それが昨日の彼を見て私が思ったことだった。

とても短い期間だが、4年ほど彼を見てきた。
今の私を形成した要素は、おおよそユンギさんのアティチュードから学んだことだ。
テテが泣いている時彼は黙ってテテを見つめていて、ある日はナムジュンと一緒に泣いていた。
ある日は泣き続けるジョングクを笑いながら慰めていたっけ。そういえば独特なジョークで彼を励ましていた時もあった。

彼にとって私の沈黙が慰めの1つになることを祈りながら、昨日私は黙って画面の外から彼が泣き叫ぶのを見ていた。私が泣いた時、彼の書いた詩と彼が静かに話した色んな話が私の慰めになったから。

彼はきっとこう思ってるはずとか、こう思ってるからこうしたんだとか、憶測で彼の気持ちやアクションを定義したくない。ただ、私は1人で泣きながら見送って時が来たら1人で泣きながら彼をまた迎えるだけだ。ユンギさんから学んだ通りに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?