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『ロールで見る野営地の描写』

『ロールで見る野営地の描写』

って、書いてあるのですが。
これは野営地の描写を教えるんじゃなくて、まあ
野営地に限らず「キャラクターの居る場所、状況、
そして背景の描写」の書き方……的なものを
メモ書き程度にまとめたので、お教えしようかなと。

(あくまでもこれは一個人の描写の例です。
 これよりいい描写は沢山あるので参考程度に!)

というかお前誰じゃい!となるのもあれなんですが、
自己紹介すると面倒なので、1門の野戦砲と記憶して
おいてください。

【さて、描写まわりのおはなしなのだけれど……】
まず、描写とは何か。
キャラクターの動きや行動。
キャラクターが居る場所、背景。

我々の生きている状態で言うなら「今君が視ている
この文面の内容を読んでいる状態」も描写である。
……つまり動きとか行動とか心情とか全てに言える
総合的なもの。

定期ゲームに限らず、物書きであれば(というか)、
定期ゲームを嗜んでいる方たちなら息をするように
キャラクターに対して行っていることである。

ただ、この描写というのは『確定ロール』という
ものを生んでしまう事もある。言い回しというか
書き方次第ではそうなってしまうのだが、
これはキャラクター(自分ではなく相手の)に
対してそうしてしまう為にひと悶着起きたりする。

だが!この背景描写に関してはある程度確定ロールを
しても問題ない。……ある程度は!

話がずれてしまったので、描写周りについての本題。


スバリ 『描写まわりの文面をこさえるのが苦手!!』
そういう人に向けたノウハウをお教えしようという
事である。

【1.視点で描写は変わる】
さて、描写の文面を書く際に苦手意識……というか、
少し書きにくいと感じてしまう一番の原因(と、私は
個人的に考えているもの)はこうではないだろうか。

『キャラクターの【視点】を追い切れていない』

描写とは、キャラクターの『視点』が大事となる。
自分のキャラクターが視ているもの。
「目の前の出来事」を描写すればいいのである。

ただ、それだけが描写ではないので、以下の
異なる『視点』を種類として紹介する。


・一人称視点で視る世界(自分のキャラクター)
⇒そのキャラクターから見え得る『視界』の情報。

・三人称視点で視る世界(自分以外のキャラクター)
⇒周囲のキャラクターが見え得る『周囲』の情報。

・上空の視点で視る世界(プレイヤー)
⇒神の視点となり全てを見下ろした『全体』の情報。


一人称、三人称、そして神の目線(天の声)。
この3つを覚えておけば描写を、あなたはスイスイと
書けるようになると思う。
……え?書けない? それはきっと次の段階を読んで
書けるようになると思うのだが、どうだろうか。

【2.描写から見る差異】
先ほど紹介した描写の種類には、
『視界』『周囲』『全体』の情報が段階で分類されている。
今から以下のような例題を出すので、実際に挑戦してみて
欲しい。


――――――――――――――――――――――――――――――

問.次の状況を描写で行う場合、どの視点で行うか?

1.キャンプの状況描写

2.廃墟の状況描写

3.談笑している状況描写

4.装備品を確認している状況描写

――――――――――――――――――――――――――――――


※問題としては「わざと」不親切に作ってあるが、自分の考えられる
 範囲内でいいので描写を書いてみよう。

 書けただろうか?


 書けたのであれば、これより先を読んでもらいたい。
 もちろん、書けなくても読んでもらいたい。

――――――――――――――――――――――――――――――
【描写における、メモ】

・上記の問いで重要となるのは「自分」「周囲」「全体」の情報を
 意図的に(露骨に)記載していないことにある。
 どの状況でも、視点による描写によっては変わり得る状況に
 なるからである。

・これでは難しいかもしれない。ので、頭の中でも紙にでもいいから
 「まず最初に想像した情景」をアタリでもいいから出力してみる
 (『絵』や『イラスト』としてかかなくてよい。あくまでもメモ)

・メモに起こすのも難しい?であれば最初からこうすればよかった!
 ⇒キャラクターから見え得る『視界』の範囲内でいいから、まずは
  描写してしまおう。 え?実は盲目キャラなんです? 

・ということで重要なこと。描写は見る視点でまるっきり変わります。

―――――――――――――――――――――――――――――――
【ということで、4つの例題の描写例を提示】

まず、上記の問題に関してこう考える。


・自分のキャンプの様子。今自分はどこにいる?

・廃墟を歩く。周囲の様子はどう?

・談笑している。全体の状況はそれだけ?

・装備品の確認。手にした武器をどの視点で視る?

1
自分のキャンプの様子は、自分だけが知っている。
ので、自分がどこにいるのか?キャンプだ。
自分の見ている視界をメインに、描写を書いていこう。


2
廃墟、廃墟って言ってもどういう建物なんだろうか?
まず歩く前に、自分はそこに至るまでに建物を確認して
いたはずだ。何階建てなのか。
そして周囲の様子。もし先客が居たらどうなるだろうか?


3
「誰が」「どこで」『談笑している』のか?
前者2つの要素をそれとなく書き、そして談笑している
様子とプラスアルファで全体の状況を上空から見てみよう。
きっと、何かが起きるぞ。


4
自分の装備は自分で考えなければいけない。
何が装備品なのか?
とりあえず、銃でも持たせてみようか。

―――――――――――――――――――――――――――――
【ということで、描写例。】

1.キャンプの状況描写(自分のキャラクターの視界情報のみ)

今自分のいるキャンプの様子は極めて静かなものだ。
テントが1つ右手にあり、左手に木箱が幾つか置いてある。
目の前に焚き火。火は灯っていないが、点火は可能だろう。
奥は森が続いていて、上を見上げれば星空が見える。
まだ鬱蒼としていない部分でキャンプを張れたのは幸運か。


2.廃墟の状況描写(廃墟での周囲状況描写)

探索先の廃墟は入る前に見た時、3階~4階建ての施設のようだった。
実際に意気揚々と内部に入ってみれば、中に誰か居たようで、刹那。
銃声が木霊する――――上階からだ。単発による射撃が3回、
応射10回以上。少なくとも銃器を持った先客2名は居て、お互いに
会敵したと考えた方がいいだろうか。
それ以上の銃声はしなくなったため、何方かが事切れたと考える。
内部構造は団地のそれで、決して広くはない。上階に行けば
見つかって撃たれてしまうだろう。


3.談笑している状況描写(全体的な視点で見た描写)

数名のゴロツキがドラム缶に木材を入れ、火をつけて暖を取っている。
全員、身形が違うし性別もバラバラだが何かを話し合っているようだ。
そしてそこから少し離れた茂みに、銃を持った人がいる。彼らの仲間、
ではなく、彼らに銃口を向けており奇襲を仕掛けるつもりなのだろう。
ふと、北の方から爆発音と銃声が鳴り響いた。ゴロツキ達は驚いて武器を
手に取り、音のする方向へ走り去っていく。
彼らを狙っていた者は、茂みから出て、音のする方角を見ている。
そう、目と鼻の先には、既に戦場が広がっているのだった。


4.装備品を確認している状況描写(自分のキャラで見た描写)

手にしている銃を確認する。薬室内にまず弾薬が装填されているか。
コッキングレバーを引き、真鍮製の銃弾が入っている事を確認すれば、
後はマガジンを装填すれば問題ないはずだと確信する。
着ている防弾ベスト一体型のリグのポーチからマガジンを1本抜き、
中に入っている弾の状態を見てみる。手に取った重さで推測してみると
30発入りのマガジンに30発きっちり詰まっているようだ。
内部のバネが傷んでなければいいのだが、と不安になりながらも
銃に装填し、安全装置を確認する。 安全装置はセーフティの位置に
かかっていたので、連射できる位置に回した。

―――――――――――――――――――――――――――――
【ということで】
4つの描写を例に書いてみたが、少しずつ異なっているのが分かるだろうか。
1つ目は純粋に視界情報、2つ目は建造物や屋内で起きている出来事を
キャラクターが認知している周囲情報。
3つ目は2つ目に似ているが、上空から全体の様子を見て描写しているような
第三者視点による全体的な視点での描写となっている。
最後はキャラクターの行動を主体に盛り込んだ描写。3つ目でも描写として
書いてはあるが、それよりも詳しく個人の行動描写を書き込んでいる。
(随所にキャラが考えていることをほんのり書いてみたり。)

あなたが書いた描写はどうなるだろうか。
ここで大事なのは、最初に書いたこと『視点』である。
また、背景描写や情景、状況描写は割と『確定ロール』になるのだが
そこは仕方ない(し、そうしないと亜空間で何かしてることになる)。

また、背景描写等だけがロールになりうるかと言われれば半々である。
キャラクターが動く行動描写はロールになるが、背景描写はあくまでも
「キャラクターの居る舞台を彩る舞台装置」である。
勿論、時と場合によってはそれ以上の役割も持つが、まずはそこを
意識していくといいかもしれない。

背景描写
→舞台装置。キャラクターの居る場所の情報となり、そこを起点に
 キャラクターの行動が左右されることがある。
 ステージがなければアクターは動かないという訳ではないが、
 ステージが存在しないと無法地帯になる可能性が高い。
 所謂行動指標の設定にも使われる。(状況描写の方がよりよい)

状況描写
→ステージとキャラクターを取り巻く環境や現況を指す。
 何かアクションを起こした結果、この状況描写で出力されると
 考えてよい。
 つまり、「砂漠であなたは水を飲んだ」と描写したら
 「水を飲んだあなたは喉の渇きが潤った」とか、
 「しかし水はもう空っぽだった」とか。そういったもの。

行動描写
→キャラクターが動く状況描写を特に指す(という感じか)。
 「あなたは敵の攻撃を避けながら斬撃を繰り出すだろうか」、
 「周囲に雷が落ち始め、あなたはそれを自在に操り始める」など。
 一番多い描写はこれに該当するのだが、場合によっては上記の
 状況描写も併用する。2つで1つと考えていいだろう。

……といった感じで、今回のアドベントカレンダーの裏を担当させて
頂いたので、筆をおくことにする。

メモ書き程度のものだが、何かの役に立てば幸いである。
(後日があればだが、イラストでもつけて説明できればいいなと
 思ったけどそれはそれで反響があれば、ということで。)  以上!

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