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TDL→終戦?🤯😫🤦‍♂️

 毎年恒例トレードデッドラインも終わり一息ついた感がありますが、一番注目の大谷翔平のトレードはなかったものの、今年もいろいろ面白いTDLでした。

 一方我らがCLEはというと…。TDL終了後の初戦、HOUのF. バルデスに93球のマダックスで見事にノーヒッターを喰らいました。バルデスおめでとう👏👏👏

CLEのトレード結果を振り返りながら、あれこれ書きたいと思います。

トレード結果

 今年のCLEのトレードは以下の通りです。
(日時は現地時間)

7/26

CLE A. ロサリオ ⇄ LAD N. シンダーガード

7/31

CLE A. シバーレ ⇄ TB K. マンザルド

8/1

CLE J. ベル ⇄ MIA J. セグーラ+ K. ワトソン
(セグーラは即DFA)

ロサリオとシバーレのトレードは先日に記事にしましたので割愛します。ベルに関してはCLE側にとっては完全なサラリーダンプ目的です。今季の不調でオプトアウト行使せずに二年契約を全うする事が濃厚になったベルをMIAに放出し、プロスペクトのワトソンと共にMIAで不良債権化したセグーラを引き取った事になります。

ベル
2023年残り 550万ドル 
2024年 1650万ドル
    ⇅

セグーラ

2023年残り 約217万ドル
2024年 850万ドル
2025年 200万ドル(バイアウト分)

約900万ドルのサラリーダンプ かつペイロールを3年かつより少ない額に分散した事になります(ワトソン分のサラリー除く)。

 一方MIAとすれば復活の可能性のないセグーラとG. クーパー(→SD)+プロスペクトをトレードして、かつてWSHで活躍したベルとR. ウェザーズ(←SD)を獲得した、という所でしょうか。もしベルが万一後半戦爆発してオプトアウトすれば550万ドルで済みますし、リスクはあるものの許容範囲というところなんでしょうかね。双方メリットのあるトレードだと思います。

 ただ既に一部でネタにされていますが、ワトソンがトッププロスペクトとは言え、ただでさえ数多くいるSSこれ以上増やしてどうするの?という事です。しかも伸び悩み+素行に問題があるという…。

J. シンプソンやA. マルドナドなど、3A所属で今季MLBにデビューできそうな投手引っ張ってこれなかったんでしょうか。

全体の評価

 TDLが終わり、The Athleticの評価ではCLEはWINNERにランクインされています。

要約すると「今年はトレードで弱くなったけど、来年以降にはプラスだ」という理由です。

 一方、毎度お馴染み、元WSH、CINのGMだった J. ボウデンの評価はC(ほぼ補強0だったMINと同じ‼︎)、詳しい説明はありませんが、要は中途半端という事なんでしょうか。

 ここに興味深い比較があります。

ある年のTDL

正2塁手を投手のプロスペクトとトレード

オフに獲得した中軸打者(IL中)をサラリーダンプの為、他球団の不良債権化した打者とトレード、獲得した選手は即DFA

怪我がちな外野手を投手のプロスペクトとトレード

リリーフ投手と捕手のプロスペクトで若手センターを獲得

トレード評価 B -(by J. ボウデン)

今年のトレードと非常に似ています()が、記事から分かるように、これは2021年のTDLです。

 その年TDL時点で地区首位のCHWから8.5ゲーム離されたCLEはコンテンドを諦めて売り手に回り、育成に専念しました。残念な事でしたが、ファンも総じて仕方がないと思うと共に2016年以降ずっとコンテンドしていましたから、きちんと若手を育成して、来年こそは、という受け止め方が多かったと思います。

 一方今シーズン、TDL時点で首位のMINとは1ゲーム差、MINも躓きまくっていて補強も十分にできなかった中で、地区優勝は十分に狙えたかと思います。しかし何の先入観もなく、データだけで2021年と今年のトレードを比較すれば、今年の方が売り手に見えるのは自分だけでしょうか。

 どの記事も大きくは書いてないものの、先に引用したThe Athleticの記事にある様に、
"punt on this season"、つまり今シーズンを諦めたと捉えられるのも無理はありません。

 勿論トレードは単純ではなく、ロサリオやベルがチームの足を引っ張っていた事実、彼らの契約、シバーレの怪我のリスク、そうした事を考慮すれば一部で良い評価なのは理解できます。ただ、今年のコンテンドという観点から考えれば今回のトレードは評価は変わってくると思います。いみじくもCleveland. COMのP. ホインズ記者が逆説的に記事を書いています。

各メディアの報道を総合すれば、今回のトレードはある程度シーズンを犠牲にしても将来に目を向けたトレードだった、という評価なのは確かです。振り返れば昨シーズンもある程度コンテンドしている中で補強0でしたが、今回は0どころか戦力ダウンしていますから😭昨年の地区優勝は若手の活躍だけでなく出来過ぎというか、いろいろな偶然の産物という一面も否定できないと思いますが、今回もその繰り返しを期待しているのでしょうか。ともかく、首脳陣としては今シーズン、地区優勝できれば儲け物、というスタンスがあるのは否めないかと思います。

 若手に期待する、というと聞こえは良いですが、過度な期待はしばしば混乱を招きかねないのは世の常です。案の定SNS上のみならず、各種メディアが再三取り上げる程までにクラブハウス内の混乱は広まっています。

たびたび発言していますが、現CLE首脳陣はベテランの価値を非常に軽視するきらいがあると思います。こういった難しい状況こそベテランの力が必要だと思うのですが…。ビーバーが怪我で離脱、シバーレやアメドがトレードされた今、ホセ・ラミレスがその重圧を一身に背負うような状況に不安を感じずにはいられません。現在FAでリーダーシップに定評のあるN. クルーズ(前SD)との契約などはどうなんでしょうか。

組織内プロスペクトの低評価

 今回のTDLで如実になったのは他チームから見たCLE組織内の、特に野手のプロスペクトの評価の低さです。

先日のnoteにも書きましたが、シバーレのトレード後にアントネッティは先発をトレード補強するつもりだと発言しました。

しかしそれは実現する事はありませんでした。S. ビーバーやC. クワントリルなど、怪我中の投手を差し出さない限り、CLEが出せたのはMLB未昇格のプロスペクトですが、CLEの提示したパッケージは売り手の同意を引き出せなかった訳です。

 現在CLEの組織内には先述通りネタにされる程、MLBデビュー済のG. アリアスやT. フリーマン、B. ロッキオ含め数多くの内野手、特に二遊間のプロスペクトが多数在籍します。

しかも2A以上の選手が多くてブロックされている様な状態ですので、整理が必要な状況です。にも関わらず、トレードはまとまりませんでした。

 アリアスら先述の3人はMLB全体でもトッププロスペクトですし、他のプロスペクトも各メディアの評価は低くないのですが、それでもまとまらなかったのは、トレード市場での実際の価値がその評価ほど高くないからではないでしょうか。それはCLEの育成プログラムの特殊性に一因があると思います。詳しくはまた別の機会に触れたいと思いますが、球界全体のトレンドに反してコンタクト重視の育成方針の結果、需要が低い、という事です。実際オフシーズンにトレードがまとまって既に放出されたN. ジョーンズやW. ベンソンはCLE組織内では珍しい、パワーはあるがコンタクト難なプロスペクトでした。

 球界全体で短期的にも、中長期的にもある程度二遊間の需要があるにも関わらず話がまとまらなかったのは個人的にもショックです。全体的にレンタルの先発が少なかったとはいえ、何とかならなかったんでしょうか。

チーム崩壊の危機?

 TDL翌日の8/2、フロントトップのC. アントネッティとGMのM. シャーノフはチームの遠征先のヒューストンに飛び、チームに今回のトレードに関する説明を行うと共に、Bally Sports Clevelandなどのメディアにも出演して経緯を語っています。不満を表明していた一部の選手とも個人的な面談をしたとも言われています。

今日の試合が終わればチームはクリーブランドに戻ってくる予定でしたので、これがいかに異常な事態か、良く分かります。

 種々の報道を読む限り、特にシバーレやベルのトレードに関してはフランコーナにも事前に十分な説明がないまま行われたように思われます。シバーレのトレード以降、昨日ノーヒッターに限らず非常にネガティブな報道が多く、不調というよりチーム崩壊の感さえあります。ファンの間では論争が巻き起こり、選手はやる気を無くし、コーチ陣は感情的になっている…。

 今のフロントがやっているのは(時節柄適切でないかもしれませんが)いわば弾薬・物資を奪っておきながら、「信頼している、頑張って勝て」と言っているようなものです。監督はじめコーチ陣も、選手達も、やる気を失くすのは無理ないのではないでしょうか。

 アントネッティは今回のメディア出演の際にウェイバーにかかった選手やマイナートレードをチェックしていると発言したようですが、個人的に注目していたD. カイケルはオプトアウトしたものの、MINが契約してしまいました😭

マイナーはCLE以外チェックしないので分かりませんが、誰かいるんでしょうか。内部オプションだとC. モリスを先発再転向かZ. カリーみたいな半ブルペンみたいな使い方で投げさせるか、J. キャンティーヨを昇格させる位しかないでしょうかね。Columbusが絶賛投壊中なのが恨めしいです。

 A. ロサリオやJ. ベルの放出は若手への更なる出場機会の提供も目的なので打撃陣への追加があるか分かりませんが、先述のクルーズや、NYMとマイナー契約後3Aで好調で、先程FAになったL. ボイトなどは面白いかもしれません。

 興味深い事にあのB. ナイチンゲールがMINのア・リーグ中地区制覇をフライング祝福していました😇😭

果たしてCLEがこのまま終戦していくのか、はたまた奮起して映画「メジャー・リーグ2」ばりに復活優勝するのか、生暖かく見守りたいと思います。

photo from ザ・シネマ

ヘッダーPhoto from Bally Sports Cleveland

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