![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66229199/rectangle_large_type_2_7364c66cc50e399323c81830439fe95b.png?width=1200)
Bebo (Roberto Perez)に捧ぐ
本当はこの記事を復帰後第一弾としたかったのですが、ルール5ドラフトの関係で第二弾となってしまいました。
先日この日本語記事をリツイートした所、なぜか零細アカウントとしては結構な反響を頂きました。CLEは今オフ開始時点でJ. RamirezとR. Perezが来季のオプション契約を持っていましたが、結果としてこの内Ramirezに関してはオプションが行使され、契約延長の話が出ている一方、Perezはオプション破棄されてしまいました。
当初はTDLの結果や今季の総括を最初に取り上げるつもりでしたが、 2年連続GG獲得していながら日本では未だに殆ど知られていないBebo (Perez)をTwitterのアイコンにしている自分として、退団してしまうかもしれないBeboへの感謝を込めて彼のこれまでの貢献を振り返りつつ、今後のCLEについても触れてみたいと思います。
①Beboのこれまでの働き
一応プロ入りから書いてはみたものの()、かなり同じになってしまったので、Wikipediaさんを引用したいと思います🙇♂️
彼の経歴はWikipediaに譲る()として、Top Prospectでなかった彼にとっての転機として挙げられるのは
⑴2016シーズン
⑵2019シーズン
だと思います。
まず⑴に関して、このシーズン9年ぶりの地区優勝に向けて好位置につけていたCLEでしたが、正捕手のY. Gomesが怪我で離脱した為、TDLでJ. Lucroyの獲得を試みましたが、Lucroyは拒否権を行使してTEXに移籍したのは日本でも良く知られています。その穴を見事に埋めたのがPerezで、チームのWS進出に大きく貢献しました。
しかしその活躍が認められて契約延長したものの、2017、18シーズン不調で放出さえ囁かれて迎えた2018-19オフ、チームが年俸削減の為に正捕手のGomesを放出した事により正捕手としてシーズンを迎えます。
その結果は打撃では自己最高の成績、守備ではGGとフィールディング・バイブル・アワード(FBA)初受賞という最高の結果でした。
飛躍を遂げ日本でも知られる様になったPerezですが、それ以降彼の弱点の一つである怪我に泣かされます。2020年は約50%(32試合)、2021年は約30%(44試合)しか出場できず、2020年は2年連続でGGとFBAを受賞したものの、2021年は自慢の守備でも散々でした。
2017年に2020年まで延長されたPerezの契約には2021年(550万ドル)と2022年(700万ドル)のクラブオプションがついていました。2021年のオプションは行使されましたが、2021シーズンに獲得したペレスと同タイプ(好守打弱)の控え捕手、A. Hedgesの年俸が328万ドルですから、総年俸約5000万ドルの内、捕手が約1/5弱を占めました。その上先述通りPerezが離脱した事によりR. RiveraやW. Ramosらを獲得・起用しなければならず、更なる出費を強いられた事を考えると、今回のオプション破棄も致し方なかったと思います。
彼の功績として良く挙げられるのは若手ピッチャーの育成だと思います。Gomesと合わずに燻っていたT. Bauerを飛躍させたのも、S. BieberやA. CivaleらがMLBデビュー後すぐに定着して活躍できたのも彼の助けが大きかったという事は良く指摘されます。実際BieberやCivaleはその事をインタビューの際に語っています。
②CLEの捕手事情
先述通り2021シーズンのCLEはPerezとA. Hedgesの2人の捕手でスタートしましたが、Perezが離脱した為、マイナー契約のReedや、W. Ramosといった面子が代わりがわりにその穴を埋めていました。元々マイナー組織の捕手の選手層が薄く、かつその殆どがローレベルの選手だったからです。
TDLでセラーに回って以来、CLEはMLBのみならずマイナーでも積極的に若手を起用・昇格させました。その中で若手捕手の内最も成長したのはBrian Lavastidaです。
シーズン開幕をA+で迎えた彼は2Aの主力となり、3Aまで昇格しました。今オフにルール5ドラフト対象になりましたが無事プロテクトされ、来季中のMLB昇格のみならずレギュラー定着を期待される一番手だと思います。
一方、2018年ドラフト1巡目にして将来の正捕手としてずっと期待されていたNaylor弟ことBo Naylorは2Aで燻ってしまいました。奮起を期待したいとは思いますが、Lavastidaに抜かされてしまった印象は拭ません。
とはいえ中長期的にみならず、短期的にもこの2人の昇格を期待せざるを得ないのが現状だと思います。今季3AでずっとプレイしたG. Collinsは先述の様にチャンスがあったにも関わらず結局昇格できず。9月初めにHedges以外のプレーできる捕手がいなくなった時はA+でプレーしていたGianpaul González がMLBに呼ばれた位でした(プレーせず)。
ただプロスペクトランキングで評価されている通り、Lavastidaは捕手としての守備に難があり(特にレシービング)、Naylorは今季の不振を受けて果たしてこのまま捕手として育成すべきかどうか、疑問視されています。
もし彼らが捕手としてMLBに定着できない場合、現状更に下のレベルからの成長を祈る他ありません。Trade RumorでCLEがTORのA. Kirkに興味があるのは良く知られていますが、何にせよ今後マイナー組織含め捕手のデプスの強化は必須でしょう。かつてトッププロスペクトのF. Mejia(現TB)をコンバート、さらには放出してまでペレスの次を担う捕手として期待されたE. Haaseが今シーズンDETでブレイクしたのは本当に皮肉な話です。
③Bertoを放出しても大丈夫なのか?
オプション破棄決定直後のインタビューでCLEの責任者、C. Antonettiは捕手の補強の必要性と、Perezとの再契約の可能性に触れました。
2018年オフ以降、エース級の投手を毎年放出しながら競争力を保ってきたCLEのピッチングスタッフの育成の中核を担ってきたPerezはかなりの注目を集めていると予想されます。特にピッチングスタッフに不安のあるビッグマーケットのチームはかなり注目しているのではないでしょうか。
先日ワールドチャンピオンになったATLがMILから FAになったM. Pinaと契約しました。ペレスと同じ様な守備型で、1歳半程年上、打撃の安定性はペレスより上の彼に2年800mを提示しました。
Perezの場合健康面がネックですが、個人的には恐らく Pinaとほぼ同程度の額にはなるかと思います(4m/2年+OP位?)。シーズン終了時のインタビューで言っていた様にCLEに愛着を感じてくれているとは思いますが、金銭面始め他チームより勝る条件を提示するのは難しいと思います。
もしPerezが退団した場合、来季は現状A. Hedgesが正捕手となりますが、先述のLavastidaが開幕メジャーデビューしない限り、Antonettiが言った様に誰か別のMLBでプレーできる捕手を獲得する必要があります。ただ今オフは稀に見る捕手不足のFA市場となっています。
来月1日に期限を迎える労使協定交渉の不調と、それに伴うロックアウトが噂される中例年より動きの早いオフシーズンになっていますが、中でも捕手を巡る動きはFA・トレードどちらでも盛んです。詳しくはまた別の記事で取り上げたい(間に合わなかったらごめんなさい)と思いますが、CLEも迅速な動きが求められる所です。
2019年オフにK. Plaweckiをノンテンダー、E. HaaseをDFAして以降、CLEの捕手の戦略は Perezとの契約が残っている内にNaylorの成長を待つ、というものだったかと思います。しかしコロナ禍もあり、結局成長を待てずに Perezのオプションを破棄する事になりました。2017年に契約延長した際は格安エクステンションだと喜んだものですが、いろいろな事情や時勢の中で高額オプションになり、それがネックでトレードさえ決まらなかったのは何とも言えない話です。
Perezに代わり正捕手になるHedgesは2020年にM. ClevingerのトレードでSDから移籍してきましたが、今になって思うとこうした事態をある程度想定した動きだったのかもしれません。しかし彼も来年オフにはFAとなりますので、いずれにせよ捕手の補強・育成は待った無しの状況と言えるでしょう。
④終わりに
2016年にブレイクして以来、自分にとってBeboはJose Ramirezと並ぶ圧倒的推し選手でした。2019年に正捕手になり、ブレイクしてGGやFBAを受賞したのは本当に嬉しかったものです。
今年のTDLでトレード話が出た時は本当に悲しかったので残留した時は嬉しかったものです。
分かっちゃいたけど、やはりホセラミとBeboのトレード話はキツいな。失礼しました🙇♂️🙇♂️🙇♂️
— 元住民A (@zipchuckfield) July 25, 2021
同時に来季のオプションは後半戦かなり活躍して7mでもトレードできる位でないと行使はされないだろうな、とは思っていました。
まだ来季の動向が確定していないのでこれ以上は何も言えません。今はただ彼との再契約を願いつつ、今後の行方を見守りたいと思います。
(Photo by Jason Miller/Getty Images)
追記:MLB.COMの引用記事のヘッドラインが文字化けしており、申し訳ございません。編集し直しましたが改善されません(恐らく記号関連かと思います)ので、このまま我慢してご覧頂ければと思います、よろしくお願い致します。
追記 :11/30にBeboはPITと一年$5mで契約しました。
その前に今季GGを受賞したJ. StallingsをMIAにトレードに出していますので、来季はまずはBeboが正捕手としてプレーしそうです。PITの動きは素晴らしいと思います。
再建中のPITとしてはGG獲得して価値高騰中・でも年齢的に若くないStallingsをトレードして、単年でBeboを獲得というのは非常にナイスな動きだよね。若手ピッチャーの育成考えたらプラスの影響は大きいだろうし。 https://t.co/NbdCJmNyxv
— 元住民A (@zipchuckfield) November 30, 2021
非常に残念ですが、Beboの今後に幸あれ、と願うばかりですし、またいつか戻ってきて欲しいと心から願います。ありがとうBebo❗️I miss you❗️
From a 33rd round pick in 2008 to a 2-time Gold Glove Award winner, Roberto Pérez made his impact on our franchise.
— Cleveland Guardians (@CleGuardians) December 1, 2021
Thank you for all the baserunners caught stealing. Thank you for the memorable pair of homers in the 2016 World Series. Thank you for everything in between, Bebo. pic.twitter.com/LQd2L2mEXA
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?