Thank you, Good Luck Mr. Amed Rosario‼️
昨年正月にnoteにたくさん投稿したいと言っておきながら、CLEファンにとって記憶に残る素晴らしいシーズンだったにも関わらず昨季はあまり投稿できず、今季も気づけばオールスターも終わってTDL(トレードデッドライン)が近づいて参りました。いくつか下書きも書いていたのですが、確認したら結局昨年のTDL前の投稿以来、約1年振りの投稿になります。心より反省しております。
せっかく大谷翔平のトレードについて書いたのですが、S. ビーバーの怪我と大谷残留決定という事でボツになってしまいました。そこで再開一発目としてCLE界隈で一番ホットなこの話題について取り上げたいと思います。
トレード成立
既に報道にある様に7/26(水)にCLEの正遊撃手だったアメド・ロサリオ(いろいろな表記がありますが、この記事ではこれで統一します)がLADにトレードされました。
ロサリオに関しては他にもいろいろな方が説明されていますので、説明は割愛させて頂きます。
参考 URL:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アーメッド・ロザリオ
今季彼は守備ではDRS -14、打撃でもOPS+88(CLE在籍時)と不調で、番記者始め数多くの識者から起用を疑問視されると共に、ファンからの怒りを買っていました。そのため数多くのファンはこのトレードに拍手喝采を送っています。
自分もCLEファンの一人として彼にがっかりさせられたのは数知れませんので、彼のトレードを喜ぶファンの気持ちも分からなくはありません。しかし彼がCLEに来て以来、自分の想像に反して()意外にも活躍してチームを引っ張ってくれた部分は評価していますし、感謝もあります。まずは今までありがとう、という言葉を伝えたいと思います。
と同時に、このアメド・ロサリオの問題というのは彼がトレードされた現在においてさえ、今のCLEにとって深刻な問題をはらんでいると考えます。前々から取り上げたかったテーマですが、noteを書けないままトレードされてしまいました。謝罪の気持ちも込めて書いてみたいと思います。
Amed Rosario 問題
そもそもなぜ彼が今まで正遊撃手として起用され続けてきたのか、簡単な時系列を追ってみたいと思います。
WIKIにもある様にアメドは元々NYMのトッププロスペクトでしたが、MLBデビュー後攻守共に粗さが目立ち、2020年オフにF. リンドーアがCLEからトレードされた際、同じポジション(SS)の為に押し出される形でその対価としてCLEにやって来ました。翌2021シーズン、当初は同じ理由で一緒にNYMからトレードされたA. ヒメネスがリンドーアの代わりに正遊撃手として起用され、彼は外野にコンバートされる予定でした。
しかしヒメネスが絶不調でマイナー降格し、その代わりとして起用されて以降、今回トレードされるまで正遊撃手としてプレーする事になった訳です。
彼がいろいろ難があるのに起用されてきたのは彼の積極性、アグレッシブさだと思います。彼に懐疑的な番記者達でさえ彼が攻撃の導火線になっていた事を認めています。
守備に関しては擁護のしようがありませんが、攻撃に関してはアメドは良くも悪くも意外性の塊のような選手なんだと思います。進塁打を打つべきシチュエーションでブンブン振って併殺打を量産したかと思えば、誰も打てなさそうなピッチャー相手にヒットを打って突破口を作る。実際先の引用記事にあるようにアメドが突破口になって負け試合をひっくり返した事は何度もあります。STATSだけでは測れない価値が彼にはあると自分は思います。
そして彼の様な選手はいわゆるオールドスクール的な監督である、T. フランコーナの好みだという事です。CLE監督就任以来、フランコーナにはM. アビレースやM. マルティネスなど、ファンには今一つ理解できない好みの選手がいましたが、アメドもその一人なんだろうな、と思います。
もし彼以外適当な選手が皆無ならファンとしても不承不承ながら納得せざるを得なかったでしょうが、彼が加入した時も、そして加入してからも代役候補が数多くいました。CLEは伝統的にインターナショナル含めドラフトで獲得する内野手はSSでプレーできる選手を獲得する傾向にありますし、2020年のM. クレベンジャー、そして先述のリンドーアのトレードで内野手のプロスペクトを複数獲得した結果、組織内に大量のSS候補生を抱える事になりました。
にも関わらず結果的に誰一人彼からポジションを奪えずにここまで来てしまった訳です。それがAmed Rosario問題です()。
その理由の一つはアメド自身の問題で、彼を野手として起用する際、SS以外で起用するのは非常にリスキーだという事です。先出の記事のバナー動画にもある様に、彼の外野守備は壊滅的です。結果彼を起用するとすれば自動的に慣れ親しんだSSで起用するしかない、という訳です。
ドラフト戦略から分かる様に元来守備力を重視するCLEにとってアメドの起用は非常に問題だったと思います。もし組織内の守備力だけで考えるならA. ヒメネスにSSを任せるのが一番と個人的には思いますが、彼はレギュラーが固まってなかった2Bにコンバートされて開花してオールスターに選ばれました。また昨年アメドの守備がなぜか非常に良好(DRS6、UZR 9.2)だった為、再コンバートされずに今季を迎えています。もし彼の守備が昨年悪かったら、また違った世界線があったかもしれません。
話が長くなりましたがまとめると、
「首脳陣、特にフランコーナにとって攻撃でアメドに代われる選手がおらず、彼を起用するとなると自動的にSSでしか起用できなかった」
何にせよアメドが良くない成績にも関わらず起用され続けたのは事実で、ファンのヘイトを買ったのは致し方ないと思います。しかし問題を掘り下げていくと、彼がトレードされた今でも懸念すべき問題があると言わざるを得ません。
問題の本質
結論から言えば、
Amed Rosario問題 ≒ Gabriel Arias問題
だったのだと思います。
G. アリアスとはM. クレビンジャーをSDにトレードした際、対価としてCLEが獲得した内野手です。SSとしてプレーできる守備力とパンチ力のある打撃が持ち味で、媒体によってはTOP100プロスペクトに名を連ねた程です。
CLE移籍後正遊撃手候補として期待されましたが怪我などで出遅れ、2022年ようやくMLBデビューしました。
そして迎えた今シーズンに開幕ロースター入りし、以降一度もマイナー落ちせずにシーズンを戦っています。CLEには彼の他にT. フリーマン、B. ロッキオという、やはりTOP100プロスペクトに名を連ねる程のSSの逸材がいますが、彼らを押し除けて開幕ロースター入りした所に首脳陣の期待の高さが伺えます。
しかしこれまでの成績はというと数値から分かるように絶不調、アメドと同じく一部のファンからのヘイトを集めています。
一方、彼に押し出されてマイナーで開幕を迎えたT. フリーマン(自分の推しの一人です😅)はマイナーで好成績を挙げてメジャーに再昇格し、その後少ない出場機会ながら3割近くの打率と堅実な守備を披露しています。またロッキオもやはり3Aで好成績を挙げてMLBデビューを果たしますが殆ど機会を与えられずに降格、それでも腐らず3Aで好成績を維持しています。
こんな二人を押し除けて不調のアリアスがずっとロースターにいる訳ですから、アメド同様ヘイトが集まるのは当然です。これは明らかに首脳陣による、
アリアス >>> フリーマン >> ロッキオ
という序列が見え隠れするというか、隠してさえいないと思える程です。首脳陣としてはアリアスがアメドに代わって正遊撃手のポジションを獲得し、フリーマンにはUTとして活躍して欲しかったのではないでしょうか。(ロッキオに関しては今一つわかりません)。
擁護するなら、首脳陣の気持ちも分からなくはありません。フリーマンにせよ、ロッキオにせよ、長打力・パンチ力に関してはあまり期待できません。一方、長打力不足に悩んでいるCLEにとって、不調ながら4本HRを打っているアリアスに期待したい気持ちは察するに余りあります。
自分の知る限り、フロント始め首脳陣はこの点について説明していないので確かな事はわかりませんが、どんな意図だったにせよ、アリアスのつまずきによりCLEのSSを巡る状況が難しくなったのは事実だと思います。しかもアリアスに関して言えば、今シーズンこれまでの彼の起用自体、非常に中途半端なものになっています。アメドのSS自動起用により最初は内野の穴埋め、その後O. ゴンザレスがマイナー落ちした事に伴い手薄になった外野(RF)の穴埋めとして起用されました。しかしSTATSを見るまでもなく大して良くない外野の守備をさせてまで打てない彼を起用する必要性は全く感じられません。案の定その後外野も一応守れて、アリアスより遥かに打つD. フライに役割を奪われてしまいました。
それ以降は代走や守備固めでの起用が続き、チームにいるのかさえ分からない程でした。
長くなりましたが要約すると、
「アリアスを何とかして正遊撃手にしようといろいろ試したものの、結果として彼よりマシなAmedを起用せざるを得ず、かつショートのみならず他のポジションでも訳が分からない状況になった」
自分でも何を言ってるか分からない程です😅
もしアリアスに外野をやらせるなら彼を外野もできるUTにして、フリーマンをSSでしばらく試せば良いと思いますが、そういう訳でもない。一体何がしたかったのか、さっぱり分かりません🤷♂️
アリアスの一番の問題はいわゆるむらっ気、一貫性のなさだと思います。マイナーレベルでそうだった位ですから、ましてMLBではどうなんでしょうか。もしCLEがコンテンドしていないなら、辛抱強く成長を見守るのもできたかもしれません。しかし低レベルとはいえ、一応地区優勝を争う中で、彼の成長の為に勝てる試合を落とす余裕はないでしょう。本気でコンテンドするつもりなら、結果を残しているフリーマンに機会を与えるのが合理的な判断だと思います。
逆に数少ない出場機会ながら結果を残しているフリーマンはこれ以上何を証明しろというのでしょうか?長打を増やさなければいけないのでしょうか?それなら現CLE打撃コーチのC. バライカみたいなコーチではなく、長打力を育成できるコーチをつけてやれよとしか思えません。
CLEファンの皆様はご存知のように、ここ10年近く、CLEはたびたび特集される程打者の育成力に欠けています。
昨シーズンS. クワンやO. ゴンザレスがMLBデビューして活躍した結果、多くのファンが今シーズンに期待しましたが、殆どがいわゆる2年目のジンクスに苦しんでいます。そんなCLEにアリアスをスターにする育成力は果たしてあるのでしょうか?自分から見るとむしろB. ジマー(現BOSマイナー)やJ. バウアーズ(現NYY)、O. メルカド(現SDマイナー)、Y. チャン(張育成、現BOS)ら、近年CLEが優先的に育成しようとしたものの、失敗して結局放出した選手に姿がダブるのです。
今回のアメドのトレードにしても、アメドの不調が主な理由でしょうが、このままでは埒が開かないので、アリアスの成長を促す為の荒療治という側面もあるのではないでしょうか。アメドのトレード以降、SSとして起用されて意気に感じたのか、ある程度結果は残してくれているのは幸いですが、彼の問題は先述の通り一貫性だと思うので、問題を克服できたかどうかは、もう少し見極めが必要だと思います。
フリーマンが推しの一人である自分にとってチーム内で健全な競争が行われているとは思えない現状は腹立たしくはありますが、もしアリアスの才能が開花してスター選手になってくれれば、それに越した事はありません。育成プログラムに問題があると思うので正直あまり期待はできませんが、生暖かく見守りたいと思います。
終わりに
X's()のフォロワーの皆さん含めアメド・ロサリオ放出を喜ぶ方とはかなりスタンスは違うかもしれませんが、
「アメドの起用含め、マネジメントに問題がある(あった)」
というのは共通しているのではと思います。そしてそれは育成力の低さに起因している、というのが当方の趣旨になります。
MLBデビュー後一回もマイナー落ちせずにスターダムに登り詰めたリンドーアは別格として、ホセラミレスにせよ2015年は不調で殆どマイナーでプレーしていました。ルーキーが不調ならきちんとマイナーで調整させてあげて欲しいと思う当方としては、アリアスの姿を見ているとチームが自分達の育成力の低さを棚に上げて選手に高望みしているようにしか見えません。プロスペクトを無駄に浪費するのは本人にとっては勿論、見ているファンとしても辛いものがあります😣
自分でも驚く程長い文章になってしまいましたが、読んで下さりありがとうございました。最後に
Mr. アメド・ロサリオ、今までありがとう‼️幸多からん事を👍👋
.ヘッダー写真: (AP Photo/Ron Schwane)