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2021年 トレードデッドライン CLEの動きから見えたもの


 前の投稿でTDLでのCLEの動きを振り返ってみましたが、それらの動きから考えられる事を分析してみたいと思います。尚、この内容の原案を書いたのはTDL直後でしたので前の投稿以上に今更感はありますが、ボツにするのはもったいないのと()、後日投稿予定の今季の総括や来季の展望の際に役立てたいと思うので一応投稿したいと思います。

①野手の補強に関して

 一番の補強ポイントの外野の補強候補としてM. Mullins(BAL)、B. Reynolds(PIT)らの名前も挙がっていましたが、蓋を開けてみればM. Straw (←HOU)の補強となりました。そして彼が今後CFのレギュラーとして起用される事が明言されています。それと同時に一部で噂されたJ. Ramirezは残留しました。

 加えてC. Hernandez(2B)の抜けた穴にはO. Millerや Yu Chang, E. Clement, A. Gimenezが、 E. Rosarioや J. Luplowの抜けた穴にはO. Mercadoや B. Zimmer, H. Ramirezといった選手が更なる出場機会を得る事が明らかになっています。

こうした動きから来季以降予測される事として、

⑴来季もJ. Ramirez(J-Ram)を中心としてコンテンドできる体制を目指す

 OP入れても2023年までしか契約のないJ-Ramですが、彼を残留させた事は来季を諦めていない証拠でしょう。それはTDL前のメディアの記事でも明らかになっています。

 J-Ramには契約延長の話も出てきています。B. Manfred コミッショナーが言いっぱなしのペイロール(予算)の下限制限がどれ程現実性があるか分かりませんし、契約延長の内容が一切分からない中では何とも言えませんが、とりあえず来季はJ. Bowdenの予想に反してJ-RamはCLEで開幕を迎えると思います。

⑵内外野の戦力の見極め

 ⑴と関連して先程名前を挙げた内野のYu Changや B. Bradley、外野のB. ZimmerやO.Mercadoは今季でマイナーOPが切れます。今季途中まで在籍したJ. Bauersは昨季MLBでプレーする機会すらなくOPが切れてしまい、結局今季OP切れという事で開幕メンバーして、DFAされるまで2ヶ月近く見極めに費やされました。来季コンテンドする場合、その二の舞だけは避けたい筈です。

 内野の場合先に名前を挙げたMillerやGimenezに加えG. Ariasが、外野の場合トップ・プロスペクトのN. Jonesが既に40人枠にいて3Aで鍛えられながら出番を待っています。また先程ルール5ドラフトに向けてプロテクトする為に40人枠入りしたプロスペクトランキング1位のT. FreemanはじめR. Palacios、B. Rocchio、J. Tenaといった選手も控えています。 

 また外野に関してもプロスペクトランキング2位のG. Varela、マイナーで今季好調だったS. Kwanと言った選手が40人枠入りしています。特にPalaciosやKwanは今季3Aでも実績を挙げているのでSTの結果次第ではロースター入りするかもしれません。

 今季でマイナーOPの切れる選手が来季もプレーするのか、それとも新しい選手に取って変わられるのか、今季後半戦はそれを見極める上で大きな判断材料でしょう。

⑶更なる補強に関して

 今TDLでMullinsやReynoldsの名前が挙がったのは打撃で貢献できるCFとしてでした。未知数な部分があるとは言え、Strawを獲得した事によりCFに関しては一応の目処が立ちました。

 そして今オフ、来季に向けて更なる野手の補強の必要性が叫ばれていますが、Strawの獲得によりどのポジションにも限らなくなったと言えます。ホセラミ含めある意味どのポジションも(CF含め)レギュラーが決まっていない様な状況ですから。CFに限れば候補はとても少なかった訳ですが、その縛りが無くなった今、FAでもトレードでも非常に選択肢が広がったと思います。

 特にDH専だったF. Reyesも外野守備に就く事が言われていますので、例えば今オフFAになる N. Cruz(TB)なども狙えるかもしれません。

②捕手に関して

 セラーに回ると言われて以降の注目点の1つは捕手をどうするか、という事でした。今季正捕手のR. Perez($5.5m)、そして控え捕手のA. Hetges ($3.3m)のサラリーはチーム全体の約20%を占めていましたが、両方とも守備には優れているものの打撃は良くない、という似たタイプの為、放出が取り沙汰されました。しかし結局両方とも残留する事になりました。恐らくPerezはサラリー故に、Hetgesはそもそも引き取り手がなかったのだと思います。

③投手陣に関して

 前の投稿でも触れた様に今季CLEは開幕前に1番のストロングポイントと見られていた先発陣が全員離脱する事により、非常に苦しみました。今TDLで獲得した投手、PilkingtonやBattenfieldの2人は先発型で、2Aで先発ローテに入りました。

 またTDLに先立って行われたドラフトでCLEは投手を18人、しかもその内17人は大学生投手を指名しました。来季を見据えて特に先発陣のデプスを厚くする事が目的かと思いますが、未知数の今季のドラフト組抜きにしても楽しみな若手も多く、その目的は達せられたかと思います。

終わりに

 後半戦の結果を知っている分、少しおかしな部分もあったかもしれませんがご容赦下さい🙇‍♂️9シーズン振りの地区優勝&WS出場した2016年以来の完全にセラーに回ったTDLとなりましたが、改めて振り返ると来季に向けた狙いを感じさせる動きでした。

  (Photo by Nuccio DiNuzzo/Getty Images)

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