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ギターを弾く事に悩む、ホットサンドを食う

 ロックが好きな自分もembraceしていくのが大切。これは最近プリンスを聴いていて思った事だ。彼の音楽はブラックミュージックではあるんだけど、ロックのテイストが多分に含まれているし、彼自身ライブではギターを弾く。
 ギターというのはブラックミュージックでは影が薄いと思う。カッティングはもちろん存在してはいるんだけど、ギター抜きのブラックミュージックは沢山あるし、どうしても白人のロックの楽器って言う印象なんだよな。
 俺は親父の影響もあって、楽器らしい楽器に初めて触れたのがギターだったので今までギターを触ってきたけど、ブラックミュージックと言う観点で楽器選びをしていたとしたら、ベース、ドラム、キーボードのどれかにしていたと思う。
 ギターの良いところも言っておくと、他の楽器に比べて演奏面で自由が多いのがまずある。他の楽器と比べてキーに縛られることがないし、音域も広い。それに形も色々なものがあるし、改造もしやすい。遊ぶ余地が結構あるってところだと思う。
 しかもギターはライブ映えがする。やっぱり弾いてる姿がサマになる楽器はギターだと思う。だからこそ、ショーアップされた音楽であるロックとの相性が良いんだと思うけど。
 今朝はひたすらエフェクターを調べていた。Boss、MXR、Electro-Harmonixといった会社が売っている小さな箱達を見ていると購買意欲が刺激されてしまう。ロックンロールの良いカモである。まあZoomのマルチストンプを持っているのでわざわざ買う必要は無いんだけどね。
 ギターを弾いている人を見ると、たとえ今その人がブラックミュージックをやっていたとしても、「ああ、この人はロックが音楽の原体験で、根っこにあるのはブラックミュージックではないんだな」とどうしても思ってしまう。日本人なら尚更だ。そんな事を気にしても仕方がないかも知れないが…。
 まず俺は音楽に救いを求めすぎなのかも知れない。それは鬱屈とした人生を送ってきたからだ。その上救いようのないバカだった。だからこんなに考え過ぎてしまう。俺はロックンロールの養分だ。

 景気の良い話でもしよう。無性に肉が食べたい気分だったので、渋谷にあるChillmaticに行ってきた。ここは肉が大盛りのハンバーガーの店で、先輩の知り合いが店主をしている。店名を見れば分かるようにストリート系の店だ。最初にインスタで投稿を見た時、これはバカなアメリカ人が大盛りのバーガーを作っているのだと思ってしまった。それぐらいボリュームが多い。
 場所は渋谷駅から南に下ったところにある、Shibuya Bridgeという店とホテルが入った建物にある。店に行くまでに少し歩くので、着く頃にはちょうど腹が減っているという寸法だ。
 川沿いに歩いていると、対岸の建物の裏口からオッサンが外に出てくるのが見えた。水面までは5m程の高さがあって、こちらには手すりがあるのだが、向こう側にはそれがない。しかも道幅、いやもはや道とも言えない縁石があるだけである。その上を器用に、しかも机を持ちながら歩いている。重力すら存在せず、川に落ちるかも知れないという可能性を微塵も感じていないかのようだった。俺はたまげてしまった。こんな都市化された渋谷のど真ん中で、こんなアジア的な光景を目にするとは。
 Chillmaticの話に戻る。注文したのはフィリーチーズステーキサンドというフィラデルフィア発祥のホットサンド。サイドメニューにバッファローチキン、フレンチフライにサラダ、飲み物はオレンジジュース。完璧な食事である。
 まず日本では中々お目にかかれないアメリカンな味付けなので形容するのが難しいが、メインディッシュは勿論、サイドメニューまで非の打ち所が無い。ガーリックバターが染み込んだパンに熱々のチーズと肉が絡む。バッファローウィングの程よい辛味と酸味もたまらない。
 店内の雰囲気も良い。この店にはこれからも通いたいと思う。
 帰りの道すがら、店を出たすぐの所にレコード屋を見つけた。Ultra Shibuyaという店で広くはないが小洒落た感じの店だ。
 ジャズを置いているというので、入ってエサ箱を漁ってみるとクインシー・ジョーンズの『Smackwater Jack』を見つけた。
 このレコードには『キル・ビル』やダウンタウンDXでかかっている「鬼警部アイアンサイドのテーマ」が入っている。他にはタイトル曲や「風にまかせて」や「What's Going On」のカバー、クインシーが手がけたテレビのテーマ曲とか。中学生の頃によく聴いていた。
 良い店に行けたし、今日は満足した。残暑で死なないように、ほどほどに帰ろう。

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