韓国の近代

 尹錫悦氏が大統領選で当選してしまった。僕が知っている中で最も腐っていて、理不尽な人物なのにだ。元検事総長という肩書は現職の文大統領の強行楽点によるものだが、自分を任命してくれた文氏を裏切り、何と野党の候補者として出馬したのだから驚きだ。しかし、驚くのは日本の評論家軍団のみで、当の韓国ではさほど何ら驚きでもない。いくらでもこのようなことがあり得るし過去にも無数にあったことをまず書いておこう。

 尹錫悦氏の驚きはこれだけではない。妻も妻の母(義理の母=丈母:チャンモ)の犯罪も含め、尹一家の犯罪は明確な証拠があるものだけでも軽く100を超える。まさに犯罪軍団、犯罪家族なのだ。尹氏本人の本(ほん)、婦人(ぶいん)の婦(ぶ=部と発音が同じ)、丈母(ちゃんも)の丈(ちゃん=日本語の長と発音が同じ)の頭文字をとって「本部長非理」という。

 尹一族の不正・犯罪をここで列挙する余裕はないが彼らの犯罪を網羅的に解釈してみたい。まず、簡単に犯罪のおさらい!尹氏は重大犯罪のかなりの数を意図的にもみ消してきた。釜山貯蓄銀行の不正融資に次ぐ倒産の捜査では主犯格にコーヒをおごりそのままもみ消した。これだけではない。あまりにも数が多く、犯罪が重大すぎるのでまだまだ操作が必要な部分が少なくないが、城南市大庄洞事件でも尹自身が深く関与しているのは、主犯が知人と交わした電話録音でも明らかとなっている。自分の罪と疑惑を相手候補者の李在明元京畿道知事の罪として積極的に被してきた。まさに冤罪の積極的な演出といわざるを得ない。候補者討論会では政策論争が全くできず、繰り返し繰り返し、自分の罪を相手候補者に負わせようと試みた。李在明氏が、「ならば、大統領選挙であなたが勝利したとしても、特別捜査を受けますか?」といわれると、「時間になったので」のいって逃げる姿が全国に中継された。

 妻はドイツモーターの株価操作以外でも17件に及ぶ詐欺と詐称、義理の母は数え切れないほどの詐欺と誣告罪、残高証明偽造、虚偽の届けなどなど。義理の母にビジネスパートナーシップを結んだ人たちは、ビズネスが一段落すると全員刑務所送りの偶然な結果が続く。株価操作に関与した7名全員が投獄中なのに妻だけは相変わらず拘束を免れる。義理の母と共同出資したビジネスパートナたちは全員例外なく投獄され、得られた莫大な利益はいつも独り占めの結果。資格外なのに無許可で病院を開設運営、水道水を供給する水質保護区内で「絶対に許可されないはずのマンション開発」などなど、想像を絶する犯罪を繰り返してきた。あまりにも犯罪の数が多いので操作できた一つの犯罪のみで懲役刑に処されていたが、なぜか今年の控訴審判決では逆転無罪となった。法律の適用をほぼ受けななった背景にはもちろん婿の検事のおかげであろう。尹氏本人も4万人の庶民が生涯集めた貯金を奪いさった犯罪をもみ消した張本人だったのだ。妻は検事の婿と結婚する前も、別の検事と同居していたことも検事の母親及び関係者の証言と転居届けなどで明らかとなった。男関係がみだらだったとか!フランスのルモンド紙では妻を「Call Girl」(売春婦)と報道している。

 日本と台湾では尹氏の妻が美人だといって話題となっているようだが彼女は自然産ではない。成形整形手術先進国の韓国の実力(?)を物語っている。

 このようなことを韓国の腐った主要言論は全く記事化しない。言論社主が大企業なので企業利益に反する報道は禁物となっているからだ。韓国ではゴミをスレギをいうが、腐った言論を「言レギ」と称し、多大な反感を買っている。主要言論の信頼性が極めて低いので、市民たちによる言論つまり市民言論がYoutubeで報道している。もし韓国について正しく知りたいのなら市民言論チャンネルをお勧めしたい。

 というわけで、これほどの犯罪一族だから当然、拘束を免れず、選挙でも落ちるだろうと、これまた当然のように思っていた。しかし、尹氏の支持率が尋常ではない。なんと!支持率で与党候補に勝っていたのだ。

 僕は政治、特に韓国の政治には全く関心がないし今までもなかった。国民に人気のあったとされる盧武鉉大統領についても全く知らない。彼の自死の原因についてもほとんど知らない。こんな僕だったのに、今回はあまりにも異常だったので「訳が知っりたくて」市民言論による深層報道をみていた。

 結果は0.73%の得票差で尹氏の勝利。またも茫然自失!!!多くの市民言論の関係者も「政権交代は望むけど到底尹には投票できない」といった人たちもみんな同じ気持ちだったと思う。

 ここで一部の記者と学者たちが「韓国の前近代的な姿云々」といい始めるのが聞こえた。「韓国民のレベルがこの程度しかないのか!」「まだ、近代化が不十分なのか」とか、「近代化論争」に火がついたかのように思えた。しかし、その論争の火種が大きくなることはなかった。どういうことなのかと様々な学者・識者による分析が横行した。問題意識の大前提は「韓国民は優れているはずなのに、近代化が不十分だから」ということだったといえる。しかし、僕の考えはかなり異なる。

 韓国は真の意味での近代を経験していない。しかも韓国民が主体的に近代を経験したわけでは決してなかった。先に近代というゲームに参加し成功していた日本により、「ある日突然、強制的に途中参加させられた形」なのだ歴史学者の中に特に「植民地萌芽論」が多いが、大きな間違いである。何よりもまず、近代化を受け入れるための「心」がまったくできていなかった。近代が何を目指し、どういうルールで、どうすれば勝てるのかなどについて全く無知だったし発想もなかったのだ。例をあげよう!朝鮮王朝末期まで半島には全国的に流通する貨幣がなかったのだ。貨幣の流通がままならないまま当時の開化派は日本の真似をしようとしただけだったのだ。いわゆる開化派はあまりにも多くの事象を見落としていた。流通貨幣の重要性に関する認識もなかったと僕は考えている。王朝末期に半島を旅行した西洋人たちの記録には旅行の際に「清銭・日銭」を用いていたという記録しかない。全国的に流通する貨幣の登場は日本による植民地支配以降だったのだ。もっとも流通していた葉箋さえ咸鏡道の全地域と全羅道の一部地域では流通していなかった。貨幣経済の発展・展開がないまま王朝末期の開花派の近代化論は浮き草のように根っこと土台がないまま云々されていたのだ。もちろん僕の主張はこれだけではない。いくらでも具体的な実例を示すことができるのだが、これについても今後徐々に論じていきたい。1894年度、日本の大蔵省に注文した切手代金(760円ほど)が2年経っても払えず苦心する報道が東京日日新聞に報道されたこともある。近代化は制度の問題ではない。心・気概の問題が先であるはずだ。近代的な貨幣制度を目指すべく仁川に典圜局(日本人官僚が顧問)を作るも、新調した貨幣の殆どは王の命令により王宮に運ばれ、王個人のポケットマネーとして使われた。遠く仁川から運ぶのは一々面倒くさいので典圜局を王宮近くの龍山に移転し、ひどいときは鋳造したお金のほぼ全額を王の個人金庫に運ばせた年もあった。日本人顧問はいう。「国庫という概念がない」と。

 このように制度と設備のみが充実していれば近代化が成し遂げられるわけでは決してない。意志と意欲、ビジョンと哲学が必要なのだ。1945年以降、日本が去った後も日本は近代化推進のための主要な設備をほぼ半島後に残して去っていた。続く大混乱と戦争。そして、さらなる混乱と今日まで韓国では一度も「近代化の意味」について自らが問い直す努力をしていなかった。日本が去った後、なんとなく猿真似で敵産を運用して来ただけと受け止められなくもない。

 韓国における「近代の意味の再考」、これが必要であるのだ。しかも、完全無能だった王朝末期の問題意識と精神状態を自虐的に問い直す作業が必要不可欠と僕は信じてやまない。韓国民にこそ自虐史観が必要なのだ。どう自虐的に見るべきかは追って示す。自虐史観に基づいた徹底した反省なしに、今回のようなとんでもない大統領選の結果はまた繰り返されるだろう。国民の意識レベルが低いことをきちんと認識し反省すべきところを反省しない限り、第2第3の尹錫悦は半島に出現しつづけるだろう。北朝鮮を主敵と持ちながら、大統領府移転問題を当の国防部はもちろん、現大統領側と一言の相談もなく、関係部署との調整なども全く行えず発表してしまうことが2022年の3月に現在進行形として行われているのだ。大統領府移転という国の一大事を、「国防部の移転先も予算も何も決めずに追い出す発想」が如何に幼稚で危ないかがなぜうまく想像できないのか?正常な人間の発想と言えるのだろうか?成熟した近代化された国民が考える発想なのだろうか? 成熟した国の、成熟した国民の発想ではありえない。

 なぜ韓国のマスコミが沈黙しているのか?尹氏の裏に霊媒師の指導があることを国民は殆ど知らないのか? 霊媒師がユーチューブで説教する発言を尹氏が翌日しゃべる構図が確認できた。苦笑いしかできない。英語圏やフランスなど外信は「風水の祟」を恐れているからときちんと伝えているのに、当の韓国と隣国への配慮からか日本はしない? 日本に報道の自由があるといえるのか気になる。

 


 


 


   

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