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村娘クエスト #脳内RPG

荒廃した町を散策していると、
村娘に毛皮の装備を買ってほしい

と、話しかけられる。
粗末な装備で、値段に見合わないが
数回購入すると、仲良くなることができ、
満月の夜までに、高感度をMAXにすると
街の外れて手に入れたという、アクセサリーを入手できる。

満月の夜以降は、出会うことができなくなるため、
期間限定のクエストとなる。

満月の夜以降は
この村に入ろうとすると、猫を見かけるようになる
挑発すると戦闘になるが、
村娘のアクセサリーの匂いをかぐと、
どこかへ行ってしまう。



ション
女に容赦なく、子供を泣かし、猫を蹴り上げ
ヤクをばらまいて薬漬けにしたところで、ヤクを高額販売して
村をいくつも破滅させていた。

その行為がひどすぎて、
そいつが大量に殺戮してきた
猫になってしった!

食うこともままならず、
雨風に打たれて、もう死ぬのかな…
って半生を振り返っていると、
村娘がそっとカゴに入れてくれる

気がつくと、
温かい麻に包まれていて
村娘がスープのようなものを飲ませてくれる。

一命と取り止めたはいいけど、
未曾有の優しさに、村娘に

噛み付いて怪我をさせてしまう。
でも、
村娘は大したこと無いと、ションを一生懸命撫で続ける。

ションは引っ掻いたり、噛み付いたり、
必死に抵抗するのだけど、

ある時、村娘には、
自分が付けた傷以外にも、
たくさんの傷があることに、気が付く。

打撲痕
青あざ
内出血

意識してみてみれば、
村娘は体中傷だらけだった。

「その傷はどうしたん」

と、聞くも、自分の口からは
「にゃあ」

としか、発声されなかった。

それでも、その初めて発した鳴き声に
村娘はいたく感動し、
その日はションの横で眠りについた。

「「おい きつねぇ!!どこにいやがる!!」」

怒号とともに目が覚める

そして、入り口が大きな音で開くと、
そこには、中年男性が立っていた。

「「こんな納屋に隠れてやがったのか!早く仕事にいけ!金がねぇんだ」」

そして、村娘を蹴り上げる。


ションは、この中年男性が、ヤク中であることがひと目で分かった。
首に大量の注射痕があったからである。
ヤクは、最初は腕から摂取するが、効果が薄れていくと
どんどん首へ近づいていく。
つまり、あの中年男性は、かなりの中毒者ということだ。


村娘は、蹴り上げられ、口を切りながらも
ションを守るようにションに近づく。

「「そんな猫と一緒に居たのか」」
「「猫は、悪魔の生き物だ、明日までに殺しておけ」」
「「今日のお前にも、やろう 従順になれ」」

そう言い残すと、
また大きく音を立てて入り口がしまった。

村娘は、震えながらションを抱きしめる
その時、
信じられないものを目にする。
村娘の鎖骨部分にも また注射痕があったのだ。
服から見えるギリギリのところまで、
びっしりと。

震えながらションを抱いていた村娘は
しばらくすると、納屋から出ていった。

そして、戻ってくることはなかった。


月の光が、入り口から漏れてくるのがわかる、
初めて納屋から出ると、
そこには、
たくさんの死体が転がっていた。

村娘・中年男性、老女性…
他にも数人。

そして、部屋は荒らされ
割れた窓から、大きな大きな満月がこちらを覗いている。


おそらく、強盗が入ったのだろう。

ヤクを買うために
強盗を行う者も少なくはない。

ションは
静まり返った死体の中

村娘に寄り添って


「にゃあ」


と、鳴いた。

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