製作者こそXXであれ


はじめに

非公式追加コンテンツことMODを作るひと達は自身の作品が批判されたりした時によく「気に入らないなら作れ」という言葉を発します。これを言われた側は少なくとも「 作れるからって偉そう」と思うでしょう。まさに傲慢の極みみたいな発言です。しかし、製作者側からすると至極当然に思えることが多い発言になります。今回はそんなお話しです。

作れるから偉いのか

 MODを作れるからって偉くはないです。
「いやいや3D作ったり、エフェクト作成したりそういうのってすごいじゃん!なのに偉くないのはおかしい!」と思うかもしれません。確かにすごいですが偉くはないです。家庭内で料理を作れるからって1番偉い人にならないのと同じです。
 MOD製作において偉いとは細かい部分に目を向けて製作することができることです。ここでの偉いは、「地位が高い」という意味ではなく「品行が良い」という意味です。
例えば、この前話題になっていたポリゴン数の最適化を行っている人たちは「偉い」と言えます。最近のPCではポリゴン数の最適化を行わなくても動作しますが、ポリゴン数の最適化を行った方が動作速度の向上やPCにかかる負荷の軽減を狙えます。こうした細かい気遣いが製作中でできるというのはとても偉いです。そのため、ただ作れるから偉い訳ではないです。
またこの偉いというのも「地位が高い」という意味ではないため作れるから地位が高くはならないです。ここは気を付けるべき点です。某SNSでは作れるから地位が高いみたいに接している人が散見されますが全くの勘違いです。むしろ逆に見えるためやめましょう。

趣味MODは自己満の極みでありエゴ

 趣味で作成されたMOD(以下、趣味MOD)の大半は自己満足のために作られたものです。これを公開しているのも需要を得て心を満足させるための行為でしかありません。よく趣味で作成したMODを無料公開するのを「善意」という人がいますが、そういう人の大半がその後の評価を気にしています。この時点で善意ではないことが分かります。善意というのであれば評価は気にするべきではないです。また、中には「善意で公開してやっている」という人もいますがこれは明らかに善意とは遠い発言です。そもそも「やっている」とは誰かから指示を受けた時に使う表現ですので、消費者からそのような聞こえない指示が聞こえている時点で疲れています。しかし、こうした気持ちも分からなくはないです。「自己満足のために公開してます」とは言いづらいですし、言えないです。だからこそ宣言している人にはそれなりに好感を持てるのですが。
 そして趣味MODはエゴの写し鏡です。そのため否定されると怒り心頭に発する人が多いです。なぜならそれはエゴの否定になるから。しかし消費者にとってみたら趣味MODが作者のエゴの写し鑑だとは思いません。この認識の差が製作者と消費者側で摩擦を生む原因になります。そのため、消費者からしたら作者のエゴが気に入らなければ構わず批判しますし、自らのエゴを批判された作者は怒り火種になる訳です。ここにエゴに共感した人々も加わるから一気に燃えるわけです。
 趣味MODは自己満足の極みでありエゴでもあることが多いです。批判する側はそれを意識して批判することをおすすめします。そして作者は批判されてもそれは作品の客観的な意見として冷静に受けるべきです。決してエゴが否定された訳ではないと。また、瞬間的な怒りでの反応はマイナスの印象になります。一度下がってまず対処するべきかどうか検討するといい方法が見つかりますし、無駄な労力も避けれます。

「気に入らないなら作れ」は傲慢

 ある意味ここからが本題です。本題まで長すぎ。
 趣味MODを否定されるとよく「気に入らないなら作れ」という人がいます。どうせ何も作れない人が私に意見をするな。批判をするな。製作をしている人達にとっては実際ここまでの意味を考えてません。だっていつでも作れるから。製作者どうしでのおふざけで使ったりもするくらいですから。しかし、作れない人からするととんでもない暴論です。自らを過小評価されているわけですから。これもまた認識のズレで燃えます。
にしてもこの発言、非常に傲慢です。相手を下に見て馬鹿にしている典型的な傲慢です。「作れるはずがない」と侮ったうえで下の者は上の者に意見するなと言わんばかりです。
作業のつらさを知らば批判できなくなると期待して言う人もいますが、そんな道理は存在しません。作業を始めても批判を続けます。
なので、趣味MODを否定された時に「気に入らないなら作れ」というのは仲がいい人のみにしてそれ以外の人には反応を示さないというのが一番です。第一そういう仲の人は否定してこないでしょうが。

おわりに

基本的に消費者側と生産者(製作者)側で認識に差があることは頭に入れておきましょう。そして「してやっている」という意識があるなら一度休むべきです。その時点で楽しめていませんから。楽しさがなければ製作時の辛さを打ち消すものがなくそればかり際立ちます。一度休むことも製作では大事です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?