パラグラフ構造

文章を論理的にわかりやすく書く際や、文章を早く正確に理解する際に助てるれるのが「パラグラフ構造」の知識です。

よくパラグラフリーディングやパラグラフリーディングのノウハウ本があるように、パラグラフの知識があるだけで論理的な文章を書いたり、文章を正確に早く読むことができるようになります。

今回は、そもそもパラグラフってなんだっけ?と言ったことから、パラグラフ構造を構成している要素、パラグラフを構成する際に必要なルールについて詳しく解説していきたいと思います。

パラグラフの概念を知るだけで、あなたの文章力も読解力も格段に上がると思います。

パラグラフとは?言葉の定義

そもそもパラグラフとはなんなのか?言葉をただしく定義します。

パラグラフとは、内容的に1つの話題(トピック)を述べるための文章のまとまりのことを指します。

パラグラフを日本語にすると、「段落」と言う意味ですが、国語の時間に作文で言う段落とは使い方が違います。

パラグラフは段落のように、単に文章を読みやすくするために一段下げて区切りるのではなく、必ずトピックで区切ります。

なので、パラグラフと段落の考え方は全く違うことを理解していただきたいと思います。

パラグラフの構成要素

パラグラフは以下の3つの要素によって構成されています。

・トピックセンテンス(TS)
=>このパラグラフで筆者が主張した主題(=トピック)を要約した文
・サポーティングセンテンス(SS)
=>パラグラフにおける、トピックセンテンスを支える根拠や論拠が書かれた文
・コンクルーディングセンテンス(CS)
=>パラグラフにおける、結論が書かれている文

1つのパラグラフは、そのパラグラフの主張を要約したTSと、そのTSの根拠を説明したSS、そしてTSを別の言葉で言い換えて表現したCSの3つで構成されています。

パラグラフの構造

パラグラフの構造は、以下のような構造になります。

TS=主張
 SS1=根拠1
 SS2=根拠2
CS=結論(主張)

根拠となるSSは、複数になる場合のあります。また、SSの数が少ない場合は、結論であるCSが省かれることもあります。

1つ例文を元に構造を解説します。

例文
①動物の体細胞クローン技術は、臓器移植の安全性に問題がある。②クローン豚には、早死するものが多い、免疫機能が劣っているものがいるなど、問題事例が数多く報告されている。③また、クローン豚から人間への臓器移植では、人間に移植される豚の臓器に潜むウィルスを検出できない可能性も指摘されている。④クローン豚からの臓器移植は、その安全性を十分に検証してから実施する必要がある。

上の文章を構造化してみると、

TS:①動物の体細胞クローン技術は、臓器移植の安全性に問題がある。
 SS:②クローン豚には、早死するものが多い、免疫機能が劣っているものがいるなど、問題事例が数多く報告されている。
 SS:③また、クローン豚から人間への臓器移植では、人間に移植される豚の臓器に潜むウィルスを検出できない可能性も指摘されている。
CS:④クローン豚からの臓器移植は、その安全性を十分に検証してから実施する必要がある。

この例文では、①がTS、②③がSS、④がCSとなります。

本や論文、レポートにおけるパラグラフの構造

パラグラフ構造の文章では、1つのパラグラフだけでなく複数のパラグラフによって構成される文章がある。例えば、本であったり、論文、長めのレポートであったりする。

例えば、論文の場合。
複数のパラグラフから構成さえる論文は、まず初めに全体の主張を要約したTSにあたる「導入パラグラフ」があり、その次にその内容を支えるSSにあたる「本体パラグラフ」があり、最後にCSにあたる「結論パラグラフ」で表現を変えて主張されているという構造になっている。
複数のパラグラフで構成されていても、全体を通して大きな主張はひとつである。本もしかり、複数の章から構成される。一つの章は、複数の節から。一つの節は、複数の項から。一つの項は、複数の段落から。一つの段落は、複数の文から。一つの文は、複数の単語から。
このようにどの抽象度でもパラグラフの原則は働いているのである。

パラグラフを構成する際のルール

では次に、パラグラフはどのように作られているのでしょうか?
構成するにあたり、次のようなルールがあります。

1:1パラグラフで扱うトピックは1つ
1パラグラフで扱うトピックは、必ず1つでないといけません。
つまり、2つ以上のトピックを1つのパラグラフに書いてはならないと言うことです。
逆に、1つのトピックを開業して別のパラグラフで書くこともしてはなりません。

2:トピックセンテンスを第一文(先頭)に書く
トピックセンテンス(そのパラグラフのトピックについて要約した文章)は、パラグラフの第一文に書きましょう。
トピックセンテンスは、各パラグラフの見出しとしての機能するリーダー文でもあります。その性質がゆえに、各パラグラフの第一文におくことが必要であるということなんです。なぜなら、見出しというのは先頭におかないと意味がないからです。

3:トピックセンテンスを補助するだけの文章を書く
「1パラグラフ1トピック」がパラグラフの大原則であるとです。これはすなわち、パラグラフ内にあるセンテンスはすべてトピックに関連してなければならないと言うことを意味します。
言い換えると、トピックから脱線した文やトピックを打ち消す文はパラグラフ内に絶対に紛れ込みません。
必ずトピックセンテンスとトピックを共有した文が書かれます。
パラグラフ内の文章の整合性が取れているかは、TS≒CSになっているかを見ることです。
CSはパラグラフの最終文章で結論のセンテンスになります。結論は、トピックセンテンスと同じ主張になります。もし、文章を書いてみてTSとCSが同じ主張にならなかった場合は、トピックセンテンスから逸れた・脱線した・異質な文章が紛れ込んだ可能性があると言うことになります。
パラグラフ内が常に整合性が取れているか意識しましょう。

4:パラグラフ間の繋がりを明確にすること
新しいパラグラフにした場合、その一文目は意図なくトピックセンテンスを書いてはいけません。なぜなら、センテンス同士が整合性を保っていたようにパラグラフ同士も読み手に分かるように整合性を保つ必要があるためです。よって、新しいパラグラフを書く際は、前のパラグラフとどういった関係があるのかを、新パラグラフの第一文に記述する必要があります。
前パラグラフとの関係が分かる記述とは、そう書く根拠が前パラグラフの文中にある記述です。

パラグラフの構造についてのまとめ

パラグラフの構造についての結論として言えることは、パラグラフの構成は第一文の構成によるものだと言うことです。なぜなら、第一文目のトピックセンテンスにすべての役割が集中しているからである。どんな役割かというと、1.「段落の見出しとしての役割」、2.「段落同士を繋ぐ連結としての役割」です。なので、文章を書く際は第一文目に注意する必要があります。
常に、第一文として正しいのか?前のパラグラフとの整合性は取れていて論理的に正しいのか?を意識しましょう。

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