シェア
言葉を上手に使ったらいけない そんなことをしては台無しだ むこうの思う壺だ 踊らされて酔わされて 寝込んだところを簀巻にされて 河の深いところに放り込まれておしまいさ 浮き上がってくるころには かげも形もなくなって 溶けて流れて海へ出て ミジンコと共にジンベイザメの腹の中 栄養に成ればいいけれど 毒になったら殺してしまう 厄介な事この上ない そんなふうになりたくなければ さっさと関わり合いになるのをやめて 故郷へ帰って家業を継ごうとしたら おまえなんかアテにしちゃいない とっ
きみをすきだということが どうしてこんなにうれしいのだろう もしもきみがいなくなっても うれしいがなくなるだけで かなしいわけではないのだけれど このうれしいをぼくのなか とじこめてみたらどうなるのだろう もしもきみがいなくなっても うれしいのままえいえんに ほぞんがきくかもしれないけれど きみをとじこめたとしたら うれしいままでいられるのだろうか もしもきみをほぞんできても うれしいのままえいえんに おわりがないとはかぎらないけれど
きみのうまれたひが うれしい すごくいい めっちゃいい ぼくにはなんの かんけいもないのに いわってもいいのかな どうかきみに かみのごかごがありますように
働いていた チョコレートをもらった 両手で受け取った 目の前に持ち上げた 視界いっぱいに 銀色の包装紙がキラキラして 目が楽しいから なんだかどうでもよくなった
いつものはんぶんくらいで おきて いつものはんぶんくらいで はたらいて いつものはんぶんくらいで あそんで いつものはんぶんくらいで ねむくなって いつものはんぶんくらいの まんぞくなのに いつものばいくらいの ごはんをいただく いつものふゆ
いみなんて あとからだれかが つけたらいいよ ほんとうのことは わかりっこないんだ ぼくのあたまのなかの あおいろと きみのあたまのなかの あおいろは おんなじいろ んなわけないやろ おんなじそらのいろ なんて みえてやしないんだ そんなことよか いっしょに うみを みにいこう いっしょに ほしを ひろおうよ
わたしのおなかの中には いくつか爆弾が仕掛けられていて 時々何かの拍子に爆発しては 皮膚を裂いて おなかの中身をブチまけたりしていた ひとたび爆発してしまうと おなかの中身をあつめて もとの場所へおさめたり 裂けた皮膚を修復するのが 一苦労で 飛び散った中身をあびた人に 不快な顔をされたことも度々であった 最初のうちは修復に 手間も時間もかかっていたけれども 幾度か繰り返しているうちに 皮膚は裂けなくなり おなかの中身が形を失うこともなく 今ではすっかり爆発に耐える体になった
血も 汗も 涙も とっくの昔に 出しきった 搾りカスみたいな ものですが こんにちは
もっとあそぼうぜ
まるでまるまるまるのようだ まるでまるまるまるかじる まるでまるまるまるでまる まるでまるまるまるまるる まるでまるでまるでまるでまるまるまるの ようだ まるでまるまる まるまるまるで まるまでまるま るまるまるでま
ありきたりじゃない ことばが あるなら どこにあるのか おしえてくれたっていいじゃない ケチ
なんでかしらんけど どこにいってもすぐばれる どういうわけか かぎつけられる しずかにおとなしく むきぶつふうに じっとしているつもりなのに なぜここにいることが ばれてしまうのだろうか わたしがしらないだけで わたしいがいのじんるいには ちょうのうりょくが そなわっているのかしら それならいっそ わたしなんかにかまわずに ねんりきでもつかって ちゃっちゃとかいけつしちゃえばいいのに わたしはわたしで わたしのはんいを とどこおりなく いたしますから どうぞ おかまいなく
キッチンのリフォーム。剥き出しになった壁は汚れに汚れて汚れきっていた。 彼女は汚れを隠すため、空色のペンキで塗りこめた。空色が淀んできたら、クリーム色で上塗りした。それも汚染されて、彼女はもうあきらめたようだった。 覆い隠して、また覆い隠す。手に負えなければあきらめる。まるで彼女そのもののようだった。私はその汚れがとても嫌だったけれども、無いものとして目を覆っていた。それは彼女の問題で、私とは関係ないと思いたかった。 キッチンが、彼女の手を離れることになった。私は、嫌でた
破裂した ゆずの香りが お風呂場中にひろがって 鼻から入って 血管中を ぐるぐる巡って満たされた きいろの威力が支配した 体と心はぽっかぽか お裾分けのゆずからもらった きいろい気持ちの 充電完了
