絵の練習経験がない人とお絵かきしてみた
最近、モルフォ人体デッサンという本を購入し、絵の練習を始めました。
この本がなかなか素晴らしく、自分の中の「ここの筋肉どうなってるの!?」「こういうポーズのときどの位置に何がくるの!?」という疑問が次々解消されていき、模写しているだけで少し絵がうまくなった気がしてしまうくらい、最高なんです。(ただし本当にうまくなったとは言っていない)
ところで、話は変わりますが、私は現在、二人暮らしをしています。
彼とは7、8年程の付き合いがあり、世間一般でいう「伴侶」的な存在なのですが、お互いそういう自覚がほとんどありません。寝食とマリカーを共にする仲というのが一番合ってる気がします。
ここではあまり多くを語らず、彼を「すらいむ君」と呼ぶことにします。
デッサン本を手に入れて「おえかき楽しい〜」と脳汁ダラダラで絵を描きまくる私に、すらいむ君が言いました。「ぼくも絵を描いてみたい」。
私には、人に教えられるほどの力量はありません。あくまで我流で練習してきただけですし、デッサンなどもほとんど勉強したことがありません。
でも、友人がお絵かきをやってみたいというならば、それは是非にも楽しんでもらいたい!
はじめてのお絵かき
そんなとき、Twitterでちょうど面白い記事がまわってきました。
自分の脳のタイプを「線画デザインテスト」で知ろう! | リクノ@絵の学校 [pixiv]
図形を模写することで、自分がどういうタイプの絵の才能を持っているのかがわかるらしいです。なるほどすごい。
これは、お絵かき初心者であるすらいむ氏にピッタリの題材じゃないか?
善は急げということで、やってみました。プリンタは今動かないので、モニターにうつされた図形をもとに、手元にA4の紙を用意し、お絵かきスタート。
結果がこちらです。
2つの図形を描くのに、かかった時間は11分40秒ほど。すらいむ君はもっと早くに終えて、なにやら別の図形を落書きしていました。余裕あるなコイツ。
診断結果を見ますと、どうやら彼はタイプFに該当するのではないかと思います。つまり、線画を描くのに非常に向いているタイプ。
左のカーブの絵に関しては、波の位置が間違っていますが、それ以外はおおむね問題なく、線にもあまり迷いがありません。むしろ私よりしっかり描けているくらいです。右の立方体も、書き忘れた線はありません。
(まあ、細かいことを言うと色々違うところもあるんですが、診断的には致命的ミスは少ないかと思われます)
「図形を書く」のと「絵を描く」ことは違う?
私より圧倒的に早く描き終え、あまりミスもない絵に、お絵かき歴10年以上の私は正直ちょっぴりムカチーンとして聞きました。
「なんでサラサラっと描けるの?お絵かきしたことほぼないんでしょ?」
彼は答えました。「こういう図形、大学とかでよく描いてたからかなあ。」
大学時代、すらいむ君は、数学科を専攻していました。数学は、デルタとかいう謎の記号の登場で挫折した私にとっては、恐ろしく遠い世界です。しかし、たしかに、こういう図形、数学の講義とかでよく見た気がする。なるほど、それで描けたのか。
じゃあ、「図形じゃないもの」はどうなんだろう?
同じように、描けるのか?
ものは試しということで、目の前にあったファンタのペットボトルを描くように頼みました。「いきなりハードル高くない!?」と言いつつ描いてくれたのがこちら。
ん〜、なるほど、なるほどな〜〜〜!!!!
決して下手ではない・・・下手ではないんですが、さっきの図形に比べると、これはちょっと、あれ?という感じ。なんでこんな線がぶれてるの?
私はふと思いついて、ちょっとしたヒントを描くことにしました。
私は絵を描くとき、ものをバラバラにして捉えてから、組み立てていくイメージで描いています。
例えば、ファンタのペットボトルなら、円筒状のキャップ+球状のもの×3で構成されている、といった具合です。
そこで、こんな感じに、おおまかな分割線をかいてみせました。
すらいむ君はこれを見て、「なるほど、大体の大きさを下書きするのか」と何やら理解したようです。
そのあとで、このヒントの絵を見ずに、すらいむ君が描いたファンタのペットボトルがこちら。
確実に上手くなっている!!!!!!
並べると一目瞭然です。
すっげえ・・・なんかもう、線の引き方が全然違う・・・
彼いわく、「そもそも正しく分割線をひくのが難しい」そうですが、それでも十分にきれいな三等分ができています。そして、きちんとそれをもとに、ラベルの位置も把握して線をひいています。
おそらく、「ファンタのペットボトルというよくわからない形」から「単純な円筒と球で構成されたもの」に変換されたことで、線をひくのが「図形を書く」のと同じ感覚になったのだと思います。
真偽の程は彼自身にきかないとわかりませんが。
お絵かき楽しい!
私は、かつてとある漫画にハマってから、「私もこんなかっこいい絵描きたい!!」という気持ちで模写をはじめ、どんどん絵を描くことにのめりこんでいきました。
ですが、絵がうまくなるには、それなりの時間がかかります。個人差もあるとは思いますが、私が思うように描けるようになったと初めて感じたのは、練習をはじめて約5年ほどたってからだったと思います。
正直、思うように線をひけるようになるまでは、歯がゆい気持ちになるばかりです。今でも「グオオなんでこんな下手なんだよおおお!!!!」と頭をかきむしりたいときがあります。背景とか全く描けませんし、人体の構造もろくに把握してないので・・・。
でも、やっぱり「描きたいものがあって、それを目指して練習する」ことは、とても面白いのです。
もちろん万人が楽しめるとは思っていません。私が野球の楽しみを知らないように、お絵かきが全員にとっておもしろみのあるものだとは思いません。
ですが、紙と鉛筆さえあれば、簡単にできる趣味です。下手ならば、それはチャンスです。練習さえすれば、今よりもうまくなるわけですから。
今はネット上でも本屋でも、様々な質の高い「絵の描き方講座」が提供されていて、本当に素晴らしい時代だなと思います。
この記事で絵に興味を持たれた方は、是非、ちょっとした落書きから、はじめてみてください。
---補足---
個人的なオススメ本紹介:
・画力デッサン 人体と女の子
少し絵を描けるようになったかな、という頃合いで買うのがおすすめです。初めてだとちょっとハードル高いかもですが、画集としても楽しめます。
・モルフォ人体デッサン
おそらく中級者向け。「ここの描き方わからなかったんだよな〜」という痒いところに手が届く感じが最高。ボリュームのわりにお値段も安め。
・ハイパーアングル集
これも初心者向け、とはいえないのですが、とにかくすっごいポージングがたくさんあって面白い!ただしモデルさんが裸なので、エロ本と間違えられないようにお気をつけください。
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