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「最終戦に生き残るために」

Team KUNIMITSU チーム監督 小島一浩

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みなさん、こんにちは。Team KUNIMITSUの小島です。今回のSUPER GT第6戦オートポリス3時間レースは、中々厳しいレースでした。それでも6位に入賞できたので、ランキングトップを守ることができました。

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シリーズ終盤であり、しかもランキングトップにいれば当然サクセスウェイトはマックスであり、苦しい戦いは承知の上です。それもGT500の場合、100kgのウェイトではなく、50kgに加えて燃料リストリクターというエンジンに送る燃料の流量制限器具が3段階の最小のものを装着しなければならないのが辛いのです。出力を大幅に制限されるので、ライバル車よりストレートスピードが伸びないわけです。しかもオートポリスは2年ぶりなので、参考になるデータがなく、手探りのセッティングを短時間で煮詰めていかなければなりません。もちろん、サーキットの物理データに変更があるわけではないので、事前にある程度は予測を立てては来ています。これらを総合し、土曜日午前中のフリープラクティスで、ストレート以外のどこでロスを補うか、エンジニアが知恵を絞ってくれました。コーナリングスピードを上げ、ブレーキングでタイムを削るしかないですよね。また、オートポリスはタイヤにピックアップが付着しやすい傾向にあり、路面はタイヤ負荷が高いときています。いかにタイヤが適正フォーマンスを発揮し、しかもレースの間それを保ってくれるかがキーでした。

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このような状態なので、予選でシャカリキになってタイムアタックセットを追求していくより、決勝レースで前に出ていけるセットアップに集中することにしました。なので、13位スタートは想定に織り込み済みでした。それでもクルマのバランスは、予想よりも良いとドライバー達が言っていたので、やはりまだ良い流れに乗れていると確信しました。決勝レースでも、前半からFCYやSCが出たこともあり、牧野から山本に交代した時点では中盤まで順位を上げられていました。これには、シーズン3基目のエンジンを使ってしまった3チームが、5秒ピットストップのペナルティを消化したことも影響しています。また、周りのライバルたちのペースが上がってこなかったのにも助けられています。ここからが山本の真骨頂です。あの勢いで、3番手までスルスルと上がり、2位争いに手が届きそうなところまで行っていますからね。しかし、流石の山本もストレートが遅いマシンで軽いライバルたちには太刀打ちできず6位を守ってフィニッシュが精一杯でした。

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私たちチームは、ポシジョンをあげたり、ライバルに交わされたりするたびにハラバラするので、胃が痛くなります。しかし、ファンの皆様からしたら、ドッグファイトや逆転劇が見られて楽しかったでしょうね。特に我々は、ランキングトップで追われる立場なので、より神経を使います。さらに今回6位でポイントをとっているので、他のチームが次のレースで燃料リストリクターを外せるのに、うちだけはサクセスウェイト43kg+燃料リストリクターを装着しなければならないのです。もてぎは確かに山本の得意コースだし、第4戦では優勝していますからチームはセットアップには自信を持っているのですが、夏とは路面コンディションも選ぶタイヤも異なるので、必ずしもうちに有利と言うわけではないです。しかし、チームのだれもが負けられないという気概を持っています。周囲の期待もこれまで以上です。

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気を引きしめ、今乗れている良い流れのままもてぎ戦を乗り切り、2年連続のチャンピオン獲得に全力で挑みます。皆様におかれましても、これまで以上に応援をよろしくお願いいたします。

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