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Nature Pop/サンデー/ルパートの涙(RMMY-029) 製作メモ

キョドくんとビーサーと共作し、rummy recordsから10/29にリリースしたシングルの製作メモを書き残します。

ストリーミングはこちら
https://rummyrecords.fanlink.to/rmmy029

企画の源流

源流1 Nature Pop / サンデー

コロナ禍直前、巷の流行から数年遅れでシティポップに没頭していた私は、シティポップの女王こと土岐麻子のライブにキョドくんと同行する予定を立て、直前にインフルエンザにかかりドタキャンしてしまいました。
その頃からシティポップという概念に対してもやもやとした感情が芽生え、悔しさと自責の衝動からキョドくんに合作話を持ちかけます。
2021年から2曲同時並行で製作を進め、長いブランクも挟みながら2022年後半に形が見えてきたためリリースを決心しました。

源流2 ルパートの涙

2022年春、ラムレーズン10周年コンピレーション(RMMY-028 In 10 Years Time)に向けてビーサーに合作を提案しました。
ビーサーは2019年に拙作のリミックスをしてもらって以降、製作を休憩中だったため、そろそろ…と思い声をかけた次第です。
当初はハウスを作るつもりでしたが、早めに方針転換し、シティポップを作った上でFuture Funk化することになりました。
最終成果物は2022年にリリースが済んでおり、副産物(原曲)であるシティポップも折角ならリリースしたいということで2023年正月に源流1との統合を決め、細かい部分を作り直していきます。

作品に対する感想

シングル全体

本作ではシティポップの多義性を3曲という少ない入れ物の中でできる限り表現しようと試みました。聞いた方それぞれで最もシティポップ的に感じる曲が異なると思うので、どの曲が最もシティポップ的に聞こえたか、感想をいただけると嬉しいです。

Nature Pop

キョドくん主導で、複数人がフロントマンを務めるポップバンドのフォーマットで作りました。
歌詞の世界はキョドくんとNennenさんの相談しながら作り上げていきましたが、四季を回していく神様または四季を味わう人間や精霊のイメージと、曲を繋げていくDJのイメージとを重ねた、楽しいものになっています。
サウンドが固まってきた頃に、この曲を1曲目にすることを決めました。
シングルの中で最も多くのリアクションをいただいた曲で、気に入っています。

サンデー

Nature Popと対照になるよう、ミニマルに、空白を多めにと意識しながら製作しました。
劇的ではない日常を生きる大人が、夢うつつな休日を過ごすという歌詞です。
10年前にはこういった曲は作れなかったので、完成して嬉しく思っています。
完成直前に他の2曲とのバランスを考えて急遽ドラムを差し替えました。これによって(シティポップの文脈ではありませんが)90年代の匂いが少しするようになったので、シングルの深みが増したのではないかと思います。

ルパートの涙

ういぴーをボーカルに迎えた楽曲です。Future Funk化後の作品では(一応ういぴー本人了解済みですが)ピッチを大きく変えたため、元の素材をしっかり使った原曲も絶対に出そうと思っていたところでした。
歌詞の作り方でかなり遊んでいて、往年のシティポップの名曲の歌詞や曲名からランダムに抽出した数個の単語を種に、AIのべりすとに小説を書いてもらい、それを原作としてキョドくんに歌詞を書いてもらうという流れでした。キョドくんはイメージがしっかりしていたから書きやすかったと言っていましたが、適応力が強い人だなと思いました。
サウンド面では、Future Funkの原曲という位置付けでもあるため、上モノに新しい要素は足さずに完成度を上げていかなければいけないという縛りがあり、編曲は面白い作業でした。
ういぴーのボーカルはリズム感が素晴らしく、この曲の輪郭を担ってくれました。

技術的担当部分

Nature Pop

・Synthesizer Vの調声
・ベースとドラムの演奏
・歌詞の推敲

サンデー

・Synthesizer Vの調声
・編曲(ホーンとシェイカーを除く)
・歌詞

ルパートの涙

・作曲
・編曲(ベースを除く)
・歌詞の推敲

アルバム全体

・アートワーク
ヴィラの3DCG製作やジャケットデザイン等、全般を担当しました。
3DCGはいつか勉強したいと思っていたのでこの機会に挑戦できて良かったです。
月払いでIllustratorを導入したら誤って年間プランにしてしまい、解約できません。
アートワークは多くの方に褒めてもらえました。嬉しいです。

・マスタリング
肌感のある音にするために、新たにアナログ機器のモデリングプラグインを数点導入しました。

おわりに

このようにして、私のシティポップに対する鬱屈した感情が、友人たちの大きな力によって、私だけでは作りえなかったシングルとなったのです。まじで感謝

春M3に向けてまたポップな音源作りを企画中ですので、また聞いていただけると嬉しいです。

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