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プリズムのきらめきをあなたに~リズムとパラダイスとチャンネルと~

・かしこまっ!!黒主零、社会人X年目!!本日はプリティーシリーズ全体の紹介を軽~くしようと思ってるぜ!まだ見た事のない人向けにしておこうと思ってる。そしてプリズム人口を増やす攻撃……。

まず、プリティーシリーズはざっくり言うと女の子達がアイドルとして活動する日々を描いた物語でそれを略語にしたとある作品と比べるとカオス度、シナリオ度は高めじゃないかと思われる。まあ、筆者はそっちの方はほとんど見てないのであまり比べられない。

初期3作品はプリティーリズムシリーズ略してプリリズと呼ばれ、フィギュアスケートの意匠を多く含んだライブ「プリズムショー」をメインに据えた作品であり、以降の作品と比べるとややカオス度は低く良くも悪くも一般的な女児アニメの雰囲気に近い。レインボーライブ除く。

プリリズが終わった後はプリパラがスタート。こちらはフィギュアスケート要素は(続投している一部のキャラ除いて)存在せず代わりに電脳空間「プリパラ」でのそこそこやりたい放題やってる世界でアイドルとして(高頻度で頭おかしい展開含む)活動しているのを描いている。シリーズ単体としては現状最長で、無印プリパラは全140話。続編のアイドルタイムプリパラは51話となっていて合わせれば191話の長丁場となる。プリリズでよく見られたシリアス展開は各シーズン終盤などに限定され基本的に頭のおかしいカオスギャグアニメとしての意匠が一番強い。それでいて終盤のシリアスのための伏線を丁寧に敷いている関係上、真面目なアニメとしても非常に面白い。伊達に4年間やったシリーズではないのだ。

そして現在、多くのプリパラ民が涙で迎えた新シリーズ「キラッとプリチャン」が放送されている。現在3年目。プリパラ1年目が9か月であるのに対してこちらは1年間普通にやっていたこともあり、この調子でいけば3年目終了時には無印プリパラを超える最長作品になる。監督が変わったことでプリパラの頭おかしい展開は(半分くらい)鳴りを潜め、しかしそれでも笑いありシリアスありの作品となっている。ちなみにこれら各シリーズは一部を除いて一応世界観として繋がっていない。のだが本編外の動きで怪しくなってきてる。

では、これより各作品を個別ごとに紹介していきたいと思う。1年単位で行こうと思うのでプリパラとプリチャンは各シーズンごとの紹介だ。

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まず記念すべき1作目。「プリティーリズム・オーロラドリーム」。2011年放送作品。全51話。ドジっ子中学生の春音あいらが主人公。常に元気いっぱいなんだけどどこか陰があり何かを隠しているポップな天宮りずむちゃん、女子中学生人気ナンバーワンのトッププリズムスタァ・高峰みおんの3人を主軸にした物語。特に通常の女児アニメ的な雰囲気が強い作品であり、全シリーズ中物語に深く関係しないいわゆる日常回が多い。しかし1クール目のラストで突然姿を見せた高峰みおん、そこからドタバタがあり、ライバルチームとして登場した「せれのん」の二人に完敗して挫折するまでの2クール目。りずむちゃんの秘密が明らかになっていく(&シリアスさが女児アニメとは思えない)3クール目。そしてそれまでの3クールで敷かれた伏線を猛烈な勢いで回収し、物語の展開に急加速をかけた4クール目など目が離せない展開となっている。

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特にりずむちゃんは終盤こんなひどいことになってる。ここに至るまでの経緯もゴールデンで放送している女児アニメどころか並の深夜アニメや漫画でもそうそうない描写が多く含まれている。いつもそばで明るくふるまってきた親友の危機についにあいらが覚悟を決めて一騎打ちを望む46話からの最終決戦編は並の少年漫画も顔負けなシリアスで熱い展開となっている。

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ちなみに最終回である51話は最終決戦の後日談となっていて未来を感じさせる日常回な内容だがこれは以降のシリーズでも踏襲されている。さっきから最終決戦とか血生臭い単語を連発しているが飽くまでもフィギュアスケートメインのお話です。まあ、それでも記憶を失った人も出てくるなどそこそこやばいのだが。(後に死者も出てくるし)。

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続いて2作目「プリティーリズム・ディアマイフューチャー」。前作オーロラドリーム最終回から3年後を描いた物語。前作最終決戦の時に少しだけ登場した上葉みあが主人公になっている。何はともあれ「いっちばぁぁぁん!!!」を目指す女子中学生で、あいらのライブ中に乱入して宣戦布告する(そして警備員に拘束される)ところからこの物語が始まる。前作の3年後が舞台で多くの登場人物は継続。そこに新規キャラが11人追加されて2回目の物語が始まるという流れで相変わらず日常回色は強め。特に今回は主人公であるみあが歴代主人公とは明らかに毛色が違う事もあって明るめドタバタコメディな色合いが強い。しかし残念ながらこの作品は難色が強めである。主な理由は1:製作スタッフに韓国人が多くそれが由来でかライバルチームのメンバーは全員韓国人であり主人公チームより明らか優遇されている。2:そのライバルチームはもちろん主人公チームですらまともなライブ曲が存在しない。作品のオープニングまたはエンディング(いわゆる課題曲)でしかライブをしないのだ。ただし、前作組は新曲があるという待遇。また今作側も全く新曲がないわけではないのだが……。3:今作での最終決戦編での敵対者が前作の関係者であり、前作での黒い部分が一切解決されていなかったことが判明する。その上あいらが洗脳されて敵に回るという展開になっている。あいらの新曲もこの洗脳状態で披露される。そしてそんなあいらを救助するのがみあではなくあまりあいらと関りがないライバルチームと言う展開。すっきりしたとは言えないとは言え前作で解決した部分ひっくり返して展開を生み出し、それをなあなあで片づけてしまったがためにまた後でぶり返し、それを韓国人が解決するというのが今作後半戦の内容となってしまっている。4:今作では日常回が多発しているのだがそれなのに主人公達の日常風景や家族などの描写、説明がほとんどされない。全寮制でもないのに主人公の家族が一切登場しないだけでなく学校風景すら存在しないため、ますます今作組の背景が分からない状態になっている。ただし、みあに関してはその部分を後年うまく活かされている。以上。

ただし前作から3年経っていることで前作組の変化やその後の生活などが見られるのは悪い点ではなく、最初こそライブ中に乱入などしでかしたみあが最終的にはあいらに対して自分の非を認めて人間的に成長する(&百合フラグが生まれる)など今作組でも見どころがないわけではない。しかしそれでもシリーズで最悪の評価と言うのは覆せないのではないかと思われる。ちなみに今作だけで伊藤かな恵さんは3キャラを担当している。前作と合わせたら4人。後半では同声キャラ対決もある。

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3作目は「プリティーリズム・レインボーライブ」。前2作とは異なる世界。しかしプリズムショーなどはある。プリリズ3部作の最終作であり、良くも悪くもこれまでの集大成。とりわけシリアス方面に関してはオーロラドリームをも超えていて昼ドラや火サス真っ青な展開となっている。一方で明るさがないわけでもなく、ある意味プリパラの先輩ともいえるカオス展開やカオス描写も多々存在する。前2作が日常回多めだったのに対してこちらは日常回はそんなに多くない。それでいてシリアス要素に使うためか、前作と違って各キャラクターの心情描写や日常生活などは詳細に描写されている。また、各キャラやチームごとに専用曲が用意されていてライブシーンも明確な楽しみの1つになっている。恐らく1年間で登場した曲はシリーズ最多。

また、主人公の綾瀬なるちゃんが作中の実力的には並以下と言う珍しい点がある。初代のあいらは結果的にプリズムクイーンとなるし、みあはそのあいらに勝利するが今作のなるちゃんは実力ナンバーワンの蓮城寺べると組んだデュオ大会以外では入賞すらしていない。そもそもまともな形でソロライブが行なわれたのは第5話のみである。他は他者(と言うかりんねちゃん)の乱入や中断、ライブ不可能な状態からアカペラで開始など彼女がライブを行う前後に非常事態が発生するジンクスがあるため、主人公でありながらプリズムショーでのまともな見せ場が存在しない稀有な状態となっている。その上各キャラクターのシリアスにはほとんど関係していないし、なるちゃん自身のシリアス展開もほぼ皆無と言う主人公なのに仲間外れ感が拭えない。それでも結果的に各キャラがシリアス展開で傷ついた時の癒しになっていたり最終決戦では最後の希望として扱われたり影が薄いわけではない。

今作第3の特徴としては今までサブキャラ止まりだった男キャラにもまともなストーリーが用意され本作本筋にも深く関わっている点。特に序盤から登場しては嫌味を繰り返す速水ヒロ。当初は表舞台に立たずに暗躍、他の男キャラを挑発したり侮蔑したりしながら中盤になってその男キャラから曲を奪って男性キャラ初のソロライブを開始したりと悪い意味でやりたい放題しているのだが男キャラの一人である仁科カズキに敗北してから落ちぶれ、さらには密かな恋慕を抱いていた蓮城寺べるが自分の殻を破って高みに上りつつある状況を見て少しずつ改心。最終的には本編最大の悪と言ってもいい自分の育ての親の陰謀を撃ち破る男キャラ側の主人公と言ってもいい存在になった。そして放送3年後には彼を主人公にした映画が公開された。そんな彼の背景と言うか家柄事情は女児アニメと言う区切りから抜けた後の劇場版においてすら明言が避けられるほどブラックでシリアスである。

第4の特徴はプリズムの使者と言う存在。メインキャラであるりんねちゃんと事実上のラスボスであるジュネの二人がそれにあたり、この二人は様々な世界を旅してはプリズムのきらめきと呼ばれる文化を伝える役割を担った存在である。明言はされていないが二人の会話やプリズムショーには前2作を彷彿とさせるものがあるため少なくとも前2作の世界にプリズムショーを流布したのはプリズムの使者であることが確定している。また、後にプリパラの映画で登場した際も何やら意味深なセリフを言っているためそれまでとは違う形で関与している可能性が高い。後の劇場版などではプリズムの使者の管理人が登場していて無数の世界が管理下に置かれている事と自分に都合の悪い世界になれば容赦なく切り捨てている可能性が示唆されている。

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総じてシリアス色が強めだが決して陰鬱ではなくすべてを超えた先の最終話はそれぞれの成長を感じさせ、とても女児アニメとは思えない感動を得ることになるだろう。深夜アニメでの短いスパンでは成しえなかった4クールもの故の全力のシリアスと言えるかもしれない。……少々やりすぎな部分もあるように見えるが。

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プリティーリズムが終わり、2014年からはプリパラがスタートする。フィギュアスケート要素が(ほとんど)なくなり、代わりにプリパラと呼ばれる女の子だけの電脳世界でアイドル活動をする作品だ。電脳世界故に各アイドルは現実世界とは違う姿のアバターに変身している。(全く同じ姿になることも可能。よくよく考えたら中々ナルシストと言うか勇気ある選択)。プリリズ特に前作ではシリアス色が強めだったからか今作は非常にギャグ方面にぶっちぎっている。また、主人公の真中らぁらはシリーズ初の小学生主人公且つ歴代唯一として専用ソロ曲が存在しない。前述通り1年目は9か月38話となっている。ギャグ方面に全振りしているもののプリリズ並みにシリアスが強い展開も一部存在していて例年通り最終決戦編がそれにあたる。

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1年目の最終決戦の相手はプリパラの中で生まれた存在・ボーカルドールのファルル。プリパラ内で生まれたためにプリパラの外の事を知らず、ライブすること以外何も知らない存在。しかし、主人公らぁらとの交流を果たすにつれて人間らしい感情を育ませていく。だが、

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プリパラにおける友達の証であるプリチケ交換をしたファルルは倒れてしまう。実はファルルは自身のプリチケから生まれた存在。それをパキって交換することは自分の心臓を分けて与えるようなもの。せっかくらぁらと友情を築き上げたファルルはしかし倒れて目を覚まさなくなってしまう。劇中では目を覚まさなくなったと表現されているが、再び目を覚ますかどうかは不明だったためこの瞬間は主人公が人を殺めた瞬間だったりする。当たり前だが精神的に衝撃を受けて深く傷ついたらぁらはしかしライブでの奇跡を信じて最大級のライブに臨み、見事ファルルを復活させることが出来たのである。復活後のファルルはそれまでのボーカルドールとは明確に違った存在となっていてトモチケ交換も問題なく出来るようになっていてハッピーエンドで終わっている。闇落ちした親友を助けるために決死の覚悟を決めるあいら、夢を掴むために親友との最終決戦に臨んだみあ、無数の悲劇に襲われながらそして親友を旅立たせるためでありながら涙を呑んで奇跡のプリズムショーを起こしたなる。そして友達になるために友達を殺してしまったらぁら。プリリズのシリアス展開から脱却していながらそれをも超えるシリアスを迎えてしまっていたりする。ちなみに上記の演出のためかあしたのジョーの力石の最期に似た描写からプリズム力石などと呼ばれていたりいなかったり。

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続いて2015年からのプリパラ2年目!1年を通して全4回行われる大会に向けてそれぞれ5人ずつのチームを組んで挑む流れとなっている。各シーズンごとに新キャラが登場し、毎回メンバーがシャッフルされて新しいチームが作られる形式になっている。やはり基本的には狂気に全振りしたギャグアニメなのだが2年目のラスボスである紫京院ひびきはプリリズばりのシリアス保持者となっていて終盤戦はやはりシリアス展開となっている。1年目でらぁらがメインのシナリオを大抵やりつくした影響か、2年目では他のキャラ特に南みれぃが主役に近いポジションとなっている。努力と天才についてを1つのテーマとしていて1年目の頃からわずかに描写されていたチームメイトの天才である北条そふぃとの不和や衝突を本格的に描いている。2番目のオープニング「ブライトファンタジー」ではサビ含めて多くのシーンに登場しているなどらぁらよりかも目立っている。逆に東堂シオンはこのオープニング含めてかなり出番に恵まれておらず2年目で一番不遇なキャラかもしれない。初のソロ曲とかもらってるのにね。

みれぃがそふぃとの確執を乗り越えていよいよ臨んだひびきとの最終決戦。紆余曲折あり、ひびきに打ち勝ったのだがそこから始まる全ての絆を失った世界「語尾の果て」を描いた87話は、ひびきのこうなって欲しい或いはこうなって欲しくない世界を描いたエピソードとなっていて2年目の集大成且つそれまでで一番スケールの大きいエピソードとなっている。らぁら以外の全員が他人に関する絆や信頼などをすべて忘れてしまった世界でしかし諦めずに絆を取り戻していき、最終的にひびきの心を取り戻すためにかつてファルルとの戦いで用いた友達のための歌である「Love friend style」を披露。1年目の最終決戦同様に絆を取り戻したものから合唱に加わっていき、プリパラのあるべき世界を取り戻しひびきの心に光を取り戻したこのエピソードは映画にしてもいいくらいの凄まじい出来栄えである。今なおプリパラはおろかプリティーシリーズの全エピソードの中でも屈指の名作だと筆者は勝手に思ってる。

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2016年。プリパラは3年目。神アイドルグランプリ編。元の3人チーム制に戻り、プリズムの歴史に名を遺す神アイドルとなるべく最強のチームを決める最後の戦いが始まる。1年目の1話から登場していながら3年目になってやっとアイドルデビューするらぁらの妹・のんやプリパラ世界におけるプリズムの使者或いは管理者ともいえる存在である女神の登場などプリパラファイナルシーズンにふさわしいスケールの話となっている。それまでのプリパラと違い、プリリズに近いガチバトルが行なわれ仲良しこよししていたメンバー同士での全力を尽くす決戦が終盤を埋め尽くしている。

2度大きな救いをもたらしている姉とやっと同じ舞台に立つことが出来たのんちゃんの密かな逆襲、そこから巡り合えた親友達とチームを組むなどのんちゃん周りの話や姉ファルルとは違いまだ覚醒していないガァルルが仲間のために命懸けの行動に臨んだりするガァルマゲドンのお話、2年目のラスボスであり未だ友情を信じることが出来ずにいるひびきと彼女を支えるファルルやふわりなどのトリコロールチームのお話などこれまでの総まとめに入ってきている話が多い。その関係もあって3年目では日常回はかなり少ない。

そして3年目の最終決戦では3年目1話かららぁらをママと慕う赤子・ジュルルの正体である女神ジュリィとその妹であるジャニスがメインとなっている。過去のある意味バグともいえる奇跡を容認してきたジュリィは、しかしそれ故にシステムのしわ寄せを受けて寿命が近づいていることに感じる。それ故にらぁらと近くにいたい、アイドルになりたいと言う想いで赤ん坊の姿に変身してらぁらの傍にあり続けた。130話でついにそれが限界に来てしまい、ジュリィはこの神アイドルグランプリ終了後に女神の座をジャニスに譲って自身を抹消。奇跡(バグ)を容認し抱え込んでいた自分を消すことでプリパラを残そうとしていた。

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女児人気ナンバーワンのガァルマゲドンVS1年目からのライバルチームであるドレッシングパフェ。ある種チートやバランスブレイカーと言っていいトリコロールと完全ギャグに振り切ってるうっちゃりビッグバンズの対決。そして真中姉妹の対決でもあるソラミスマイルVSノンシュガー。

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準決勝は主人公チームであるソラミスマイルVSこれまでのボスクラス集団であるトリコロール。それを経た末に2年越しに行われるソラミスマイルとドレッシングパフェによる決勝戦。

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全てのライバルを打ち倒してきたソラミスマイルが最後に戦うのは女神姉妹。その女神姉妹に認められたソラミスマイルは無事神アイドルとなり、そして神アイドルとしての最初で最大の使命として消滅していく女神ジュリィを助けるための最終決戦へと挑む。結果的にプリパラの崩壊、消滅と言う事態一歩手前と言う状態になりながらもジュリィの消滅を食い止めることは出来た。が、全くノーペナルティと言うわけにもいかずジュリィは肉体を失い、これからも空からアイドル達を見守る決意をしたのだった。

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そんなプリパラの最終回はジュリィが最期に遺した奇跡によって僅かながら現実世界で行動が出来るようになったファルルがらぁらと一緒に学校に通うお話。最後の最後が日常回であり、そしてライブがない話となっている。数多の決戦をしのぎプリパラを救ってきたらぁら達が最後に掴んだのがこの奇跡みたいな日常だったと言うのがプリパラの最終回となっているのだ。

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2017年プリパラシリーズ最終作「アイドルタイムプリパラ」。全51話。世界を救ったらぁら達が別の町のプリパラに行ってそこの開拓をするお話。らぁはバグによりかつてのアイドルとしての姿にはなれず今作では主人公の夢川ゆいがメインで物語を進めていく形になっている。前作からのキャラクターも多く登場しているが頻度は少なめ。今作主人公の夢川ゆいはソラミスマイルと、今作ポップ枠である虹色にのはドレッシングパフェと、今作クール枠である幸多みちるはガァルマゲドンと、今作セレブ枠である華園しゅうかはトリコロールと深い関係がありそれぞれ妹分のような存在となっている。……みちるさんはガァルマゲドンの誰よりも年上だけど。

今作では前作とは違ったプリパラの世界が舞台でそこでは何故かプリパラアイドルが枯渇していて誰もアイドルをやっていない。その原因は時の精霊の片割れであるガァララ・ス・リープとその相棒であるパックが暗躍していたためである。ガァララは夜を司る精霊であり、日中を司る精霊のファララと違って自分はプリパラアイドルと接する時間が極端に短い。それに嫉妬してファララが治めるこのプリパラ世界を衰滅。自分自身はあらゆるプリパラ世界を満喫するという無邪気な暗躍をしていたのだった。

ゆいはらぁらと協力をしてファララを復活させてプリパラ世界を元に戻すべく少しずつアイドルを取り戻していくのがメインストーリー。最終的にファララとガァララが和解するのだがそうなるとこれまでのようにガァララと二人きりの生活が出来なくなると感じたパックが暴走。プリパラ内の時間を止めようとする。それ自体はらぁらによって阻止されるがしかしその影響でらぁらは時間ごと凍結して封印されてしまう。らぁらを救うためにゆい達はもちろん、

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みれぃやそふぃ、ノンシュガー、さらには非常事態として女神姉妹までもが実体化してやってくる。これまでらぁらに救われてきた者達として全力を尽くしたライブでらぁらの封印を解こうとするのだがしかし叶わない。女神達が言うにはあの封印を破るには神アイドル級の力が必要だと言う。らぁらがいない今ソラミスマイルでは達成できない。そんな時に現れたのは……

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かつて神アイドルの座をソラミスマイルと最後まで争ったドレッシングパフェだった。女神達は重大なリスクがあると伝えながらもドレッシングパフェはそれをものともせず迷いなくゴッドアイドルの試練を受け、新曲「Get Over Dress-code」を披露。1年前のソラミスマイル同様女神にその実力を認められゴッドアイドルとなったドレッシングパフェによって無事らぁらの封印は解かれたのであった。

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らぁらとずっと一緒だったゆい。らぁらに対しては親友でいつも傍にいてくれた存在で、同い年だけど尊敬に値する存在でヒーローのような女の子。そのらぁらを見て成長したゆいとその成長を見届けてゆいを庇って封印されてしまったらぁら。いつまでも同じ時を過ごしていきたいと暴走するパック。そしてあらかじめプリパラ最終作とされていた今作。ゆいやパックを正負に分けて視聴者の代弁とする今作の最終決戦。第4の壁を越えたプリパラらしい最後の物語。しゅうかの姉としてみあが登場したり、同じソラミスマイルに負けたライバルでありながらドレッシングパフェにリベンジを果たして来いと激励するトリコロールだったり、歴代でも異例の存在であるゴッドアイドルになったにも関わらずらぁらを助けた後は自分達が目指すものは飽くまでも神アイドルとしてゴッドアイドルの座を返上したドレッシングパフェだったりプリパラの最後の物語にふさわしい最終決戦となった。

ちなみにこの作品、1年間で終わっているが少なくとも最初から1年で終わる予定ではなかった可能性が高くソースはないがスタッフ誰かの弁で「2年目はらぁらが出てこない」と言う話をしていたため、2年目以降も考えられていた可能性がある。実際今作での主人公チームは36話と言うかなり遅い段階での結成になっている。またライバルチームの結成が最終回であり、元々3年間とは言えないものの長いスパンで展開する予定だった可能性が高い。上記2年目以降の話を聞いたのが2017年5月ごろで、しかし1年で終了と言う話が出たのが12月頃だったためその半年くらいで何かしらの不都合が起きたのかもしれない。以上から最終決戦含めてかなりまとまってはいるものの今作新規メンバーの見せ場があまり多くないと言う弁護できない部分が存在する。上記通り最終決戦を制したのはほぼほぼドレッシングパフェだし。特にこの煽りを受けてしまったのがみちる/ミーチルであり、今作主人公チームで唯一2曲しか歌っていない上、先輩とのデュオが存在しない。また、一人だけソロで勝ったことが一度もない(まあ実はその先輩分であるガァルマゲドン/アロマゲドンも一度もライブ勝負で勝ったことはないのだが)。

ちなみにアニメシリーズはこれで終了しているが、現実でのライブだったりでプリパラの物語はまだ続いていてアニメシリーズ終了後にも関わらずに10曲以上も新曲が出てたりしている。特に本作初登場の男子アイドルユニットの「WITH」は単独ライブが2回も行われていて一気に持ち歌数が全チーム中トップになってる。その上本来なら2020年5月にノンシュガーが単独ライブ開催予定だったのだが……。

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2018年。プリリズ、プリパラに続いて放送が開始された「キラッとプリチャン」。プリパラを母体にして電脳空間ではなくプリチャンキャストのアプリの機能で現実を拡張して行われるアイドル活動がメイン。描写や展開よりもキャラそのものをカオスにしたような雰囲気。(それでも時折以上のペースで頭おかしい展開がみられるが)。ちなみに過去シリーズとは違いライブだけがすべてではないと言うのが特徴で劇中から察するにライブまで行くことはそんなになく、基本は配信でゲージをためてゲージが溜まったらライブをするという流れ。プリパラでも見る専のキャラクターが何人かいたが本作では非ライブ配信専用のチームなどもそこそこいる。と言うかメイン陣以外にライブをするものがほとんどいない状態。また過去作でもたまにあったデザイナー要素が本格的に導入されていて初代主人公あいらがデザイナーとして登場する。ライブ、ライブ以外の配信、デザイン、日常回、シリアス、ギャグがちょうど均等になるようなバランスのいいシリーズとなっている。逆に言えばプリリズで見られたような重苦しいドラマやプリパラのような己の正気を疑うようなギャグ展開は控えめ。この作品ではメインメンバーが全員中学生で同い年となっている他プリパラと違ってちゃんと経年で進級する。また、メインキャラが女子中学生と言うこともあって劇中登場するほとんどのプリチャン関係者は女子中高生程度が多いがこれまでの作品と違って男性プリチャンアイドル(?)も別に珍しくはないらしくモブなどではそこそこの頻度で登場する。

本作1年目の最終決戦はライブ含めあらゆる配信がトップクラスでほぼほぼ天下を取ったような状態の白鳥アンジュがプリチャンアイドルをやめてデザイナーになると決意表明をしたことを巡って主人公桃山みらいがいるチーム・ミラクルキラッツとライバルチームのメルティックスター、そして白鳥アンジュ&あいらとでぶつかり合う様相となっている。アンジュがきっかけでプリチャンデビューしたも同然なキラッツはそんなアンジュが引退するのは納得できないからアイドルをやめてほしくないという意思であり、メルティックスターはそもそも自分達がライブしていない時期も短くはなかったこともあってアンジュのライブやアイドルだけがプリチャンではないことを認めて引退を擁護する側を示し、アンジュはあいらとともにもしも自分が敗れることがあるならプリチャン界にはまだ希望はあるとして残留するがそうでない場合はアイドルをやめるとする。今までのそれとは違い、誰かが間違っているわけではない考え方の違いのみでの決戦となっている。結果的にアンジュとあいらが敗北し、しかしそれ以上に自分の慢心を認めたアンジュは再びアイドルを続けることを声明した。そしてミラクルキラッツに敗北したメルティックスターは武者修行の旅に出ることになった。

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2019年からはプリチャン2年目がスタート。1年目最終回で登場したバーチャルプリチャンアイドルのだいあちゃんとそれに関係する少女・虹ノ咲だいあちゃんの関係や謎を追いかけつつ、1年間を通してプリチャンアイドルのトップを決める大会「ジュエルオーディション」が開催されそれに出場してジュエルアイドルを目指すという流れになっている。オーロラドリーム終盤、レインボーライブ終盤のようなソロライブメインの話になっているがプリパラ2年目よりかはチームライブも多め。かつてのらぁらと同じ声の金森まりあや1つ年下の黒川すず、そして事実上この二人の保護者として3代目主人公のなるちゃんが成長した姿で登場する。ちなみに1年間を通して新たなチームが登場も結成もされなかった稀有な事態でもある。その代わりなのかメイン陣全員にソロ曲が追加され、チームの新曲も1曲ずつ追加されている。

基本的にソロでの大会にしたため各個人個人の夢や目標に対する思い入れ、覚悟などの描写が深くなっていて1年目の頃よりシリアスさは増している。特に虹ノ咲さん関連では筆者がこれまで執拗なまでに記事を書いているように紫京院ひびきをも超える程の綿密で深い描写がされている。2年目の大要素を挙げるとすれば1:ジュエルコレクションの結末。2:復活を果たし、しかし沈黙を貫いたままの赤城あんな様の動向とえもちゃんの関係。3:虹ノ咲さんとだいあちゃん関連の3つとなっている。過去に全てから裏切られた事により他人への信頼をなくしすべてを支配してしまおうとしていたプリパラ2年目のひびきとは正反対に、類稀なるデザイナーとしての素質が幼い頃からあったが故に友達が出来なかった状態が長く続いていたが桃山みらいと(一方的に)出会い、事実上のひとめぼれをしたことで彼女に似合う最高のコーデを作って渡したいという願いを持ったが故にジュエルオーディションと言う形でそれを叶えようとして、どんどん大事になってきた上自分がデザイナーズ10の一員でありだいあを使役していた本人だと明かせずにいた虹ノ咲さん。簡単に言えばみらいちゃんにひとめぼれした陰キャの女の子である。その女の子が権力と才能と財力を持っていたが故に起きた悲劇の物語となっている。

本作の最終決戦は無事に友達が出来、自分の正体を明かしその上でアイドルデビューまで果たしてジュエルオーディションに参加することになった虹ノ咲さんだがそのために精神を病み、ダークサイドに落ちてしまっただいあちゃんを助けるために、しかし互いにどうしてこんな摩擦が起きたのか分からない状態での手探りでのぶつかり合いと言う歴代最小のスケールながらも尽力すべき問題であり、1年目同様誰が悪いというわけでもない人間関係の難しさを描いている。特に虹ノ咲さんがすべてを振り切って夢をかなえると同時にそれがだいあちゃん崩壊の引き金となる99話、100話はプリパラ2年目87話「語尾の果て」をも超えかねない、ある意味人間不信になりやすくそして尊い展開となっている。まあ、なるちゃんがいる時点でつまりこの世界はプリズムの管理世界となっている可能性が高く、もしもあのままだいあちゃんが暴走を続けていた場合管理世界に見捨てられてプリズムのきらめきが失われてしまう可能性もあったため実は裏側では過去最悪クラスの規模の惨劇になりかねなかったのだが。

虹ノ咲さんの友達になりたい、でもなり方が分からない。だから必死に抗うと言う気持ちを描いたソロ曲「フレンドパスワード」。筆者が勝手にアナザーだいあちゃんと呼んでいる闇堕ち後だいあちゃんの歌う、虹ノ咲さんのこれまでの心情をこれでもかと言う程皮肉に、しかし自分のもはやヤンデレじみた砕けた心境を歌ったソロ曲「フレンドパスワード・アナザーワールド」。そして、2年目の最後を飾るみらいと虹ノ咲さんのデュオ曲「MEMORIES FOR FUTURE」は生きているのなら苦しみ悲しみがあって当たり前、それでも未来のために友達と一緒に乗り越えられる可能性を歌った歌であり、この3曲はプリチャン2年目を表現する歌だと言っても過言ではないだろう。

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そして2020年。プリチャン3年目。プリチャンランド編が開始。……がみなさんご存じの諸事情により4話で止まっていた……のだが7月5日より放送再開!虹ノ咲さんの再登場見込みはまだないがまりあ&すずのリングマリィは再登場がほぼ確定している。そして、本作で登場するマスコット3人の声はノンシュガーだったりするのだ。進化するマスコット、まだデビューする気がない新キャラのアリス・ペペロンチーノちゃん、何やら暗躍している輝イブちゃん、プリパラ時空からの襲撃者であるめが兄ぃなど目が離せない。そして来年はプリティーシリーズ10周年。既に公式サイトでは記念イベントが展開されている。まだまだプリティーシリーズは終わらない!さあ、これからもプリズムのきらめきをあなたに。