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D.C.III~100年越しの物語

・ここはここは遠い異国の地。枯れない桜の木に導かれた少年少女達がたどり着いた1950年11月。そう、ダカーポIIIのお話です。

2012年に全年齢で発売されてそれ以降何故かずっと18禁で発売されてきたダカーポIIIシリーズ。何故か2023年8月に第一作目のSwitch移植版が発売。つい先日20時間程で全ルートクリアしたのでご紹介させていただくぜ!
……続編以降も全年齢でSwitch移植してほしいものだ。


主人公・芳乃清隆は風見学園付属中等部2年生の少年で公式新聞部に所属している。そこで5人の美少女と楽しくやってる幸セレブルジョワ野郎である。(前作D.C.IIの主人公が劇中でラブルジョワ野郎と言われてるので進化してる。IIの攻略対象ヒロイン10人超えてるんだけど)
そんな清隆や新聞部のメンツはある日、シリーズ名物の枯れない桜の木の復活に立ち会い、謎の女性芳乃さくらと出会ったことで120年以上前の前世の記憶を呼び覚ます……形で戦後の英国を舞台とした風見鶏編が始まる。
つまり、今作時点ではまだ風見学園の5人は攻略できない。まあ、風見鶏編も5人の前世を攻略できるんだがそこはモヤッとするかも知れない。


森園立夏/リッカ・グリーンウッド
多分メインヒロイン。学園のアイドルだが中途半端に最初から前世の記憶を持っていたため他の皆の記憶も呼び覚まそうとしていたが中二病扱いされる残念美人。
前世では世界に5人しか居ない最高クラスの魔法使いである。やろうと思えばローマを吹き飛ばす暴風雨の魔法をも繰り出せるなどシリーズでも最強クラスの魔法使い。そして主人公と結ばれたことで数十年後の初代D.Cの歴史では初代主人公朝倉純一や芳乃さくらの祖母となる。また、D.C.IIのエピローグでも登場しているため実はD.Cのナンバリングシリーズでは皆勤賞だったりする人。
基本的には出来る女なのだが人目のないところではかなりだらしなかったりする。その性格は孫の純一、さらにその孫娘の由夢ちゃんにも引き継がれてしまっている。しかし転生体である森園立夏には引き継がれていない謎。
彼女のルートでは魔法使いとはどういう物なのかが描写されている。シリーズ初見常連問わず最初に攻略しておくといい。


芳乃シャルル/シャルル・マロース
どっちの立夏/リッカとも幼なじみで仲のいい親友。風見学園編での主人公とはいとこ同士である。フランス人の血を持つ。……フランス語でシャルルは男性名なのだが……。爆乳。年頃同士なのに平然と一緒に風呂に入ろうとするやんちゃ娘である。ちなみに前世の記憶は当初無かったが実は前世と同じ魔法が使えることが判明したため3の時代では数少ない現役魔法使いでもある。
風見鶏編の彼女はとある理由により魔法が使えなくなった少女で、その理由について迫るのが彼女のルートだ。こちらでは主人公と血縁関係はないが異常に親密で、水着着用とは言え混浴したがる困ったちゃん。
D.C.S.Sで登場したアイシアの祖母であり、同アニメにも登場している。声は孫と同じなのだが現状同じ声で共演したことはなく、この作品からシャルルもアイシアも声優が変わってしまったためW宮崎羽衣の共演を見ることは難しくなってしまった。悲しい。


葛木姫乃。
唯一前世と今生とで同姓同名の人物。
風見学園編ではお隣に住んでる幼なじみ。兄さんと呼んでくるが同い年だ。このシリーズではよくある義妹に見せて普通に他人の一人。
本来年頃の少女らしくやや我儘で微ツンデレな性格だが他人の前では猫をかぶる。これもシリーズの義妹達に共通してる。
風見鶏編では血は繋がっていないものの主人公が孤児で姫乃の家に拾われたため正真正銘の義妹となっている。一族長女の宿命により、「鬼」を封印するための呪いに掛かっているため病弱。一族が生業としている夢使いの魔法も兄の方が得意と言う有様。
彼女のルートではどうにかして姫乃の呪いを解くために主人公が奔走した結果時空を巻き込んだ事件を起こしてしまうと言う物。ここで前作であり遠い未来のIIの物語と交わるため前作妹の由夢ちゃんも登場する。
そもそも主人公がわざわざ戦後5年しか経っていない日本人でありながら遠い英国にある魔法学園である風見鶏にやってきたのは彼女の呪いを解く手段がないかを探るためである。それもあり、仮に主人公が誰も攻略しないルートを選んだとしても彼女のルートにたどり着きそうではある。ちなみに風見学園編の姫乃も葛木の一族だが呪いは別の人間が引き受けているため問題ない。


溜川さら/サラ・クリサリス
天才少女故飛び級して風見学園に入学してきた少女。本来年齢相応に子供っぽい性格なのだが背伸びしてそれを隠している。本作のヒロインでは前世今世問わず唯一他シリーズに関わりを持たないキャラ。
風見鶏編では天才には変わりないが没落寸前の斜陽貴族の出身と言う事もあり、世俗的にかなり不利な状態となっている。しかも本人に魔法の才能はあるのだが魔力が一般人より低いと言うハンデもあり、正直暗い運命が見える。
彼女のルートではどうにかして一族に再び日の目を見させようと努力するのだが……。このルートの主人公はかなりド派手で漢である。個人的にIIIで一番好きなシナリオ。
ちなみに風見鶏編の彼女は生粋のイギリス人で、風見学園編の彼女は生粋の日本人である。それなのに容姿が全く同じという遺伝子のバグを感じる。そして風見鶏の方は飛び級していないため単純に他ヒロイン達とは同年代になるため成長がががが。さらにさらに彼女のみ何故か姫乃ルートでも全裸が見えるシーンがあったりする。


陽ノ下葵/陽ノ本葵
名字の字だけが違う。前世でも今世でもまだ十代前半なのに親元を離れてアルバイトしながら一人暮らしをしている。本人の希望通りとは言え両親はこれ虐待で訴えられるのでは?
風見学園編ではただの頑張り過ぎな後輩だが、風見鶏編ではかなりの重要人物。最初は攻略できず他4人を攻略したらそのエンディングから直接彼女のルートが始まる。
ルートそのものはかなりネタバレになるため割愛。
ちなみに風見学園編でも風見鶏編でもかなり露出が多く、全社では現代日本でありながら1つ年上の男子である主人公に風邪の看病のためとはいえ下着まで脱がせている。後者では何度か全裸を見せている(全年齢版でもCG付き)。可愛い顔して設定も描写も中々攻めている少女である。



芳乃清隆/葛木清隆
主人公。風見学園編では何の変哲もないただの男子中学生。
風見鶏編では孤児だが葛木家に拾われた魔法使いの少年。元からサラに匹敵するかそれ以上の天才であり、魔法の知識はリッカをも上回り即興でいろんな魔法を自作できる。葛木家に拾われた頃は魔力を制御できずに5~10年ほど肉体の時間が止まっていたため同年代の連中と比べるとそこそこ年上になる。……太平洋戦争当時十代後半くらいになるが徴兵はされなかった不思議。ちなみに生来の本名は風見学園編と同じで芳乃清隆になる。つまり、芳乃さくらは父方の孫となる。




ちなみにここまで来て薄々気付いている人も居るだろうが、魔法が当たり前で大事件置きっぱなしの風見鶏編よりも転生体ばかりが集う風見学園編の方が実は現実離れしている。そもそも風見学園編の各ヒロインは風見鶏編各ヒロインと清隆の間に生れた子供の子孫である可能性が高い。つまり、IIIの時空はかなり歪んでいることになる。(実際作中でも風見鶏編で起きた事件を解決するためには通常ではあり得ない、相当歪んだ未来からの干渉が必須と言われている)
これを邪推すると、ダカーポの歴史は
1.風見鶏編で清隆とリッカが結ばれる。
2.孫である朝倉純一が朝倉音夢と結ばれ、芳乃さくらが不老不死になる。
3.純一と音夢の孫である朝倉音姫と、さくらが枯れない桜の木に願ったことで誕生してしまった純一と自分が結ばれたifから誕生した桜内義之が結ばれる。芳乃さくらが記憶を失って風見鶏へとタイムスリップする。
4.1.風見鶏編で清隆とシャルルが結ばれて孫のアイシアが生れる。(ここのみほぼ確実)
4.2.風見鶏で清隆と姫乃が結ばれて葛木由姫(朝倉音姫の母)が生れる。
4.3.風見鶏で清隆とサラが結ばれてさら含む子孫が生れる。
4.4.風見鶏で清隆と葵が結ばれたことで風見鶏のループが終焉を迎える。
5.III風見学園編
と言うメチャクチャ時空が入り交じったカオスな世界になっていると思われる。
さらに4と5ではこの時空の外側とも呼べる世界が舞台となっていてしかも1~3の時空の影響を受けて歪みつつあるカオス世界。
なおアニメ版では上記6人以外も転生しているという超カオス世界になってる。


総括。ダカーポシリーズは面白いぞ。けど個人的にはそれぞれ単独の物語よりも4とか5のように過去作と関わりがあるシナリオの方が気になる。




こんな可愛い女の子達が1950年に居るわけがない