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「メンゼン高打点狙いは押し引きがシンプルになる」は間違い【麻雀】

配信対局の際に対局を盛り上げるため、対局者に対し事前アンケートを行うことがよくあるんだけど、よくある質問の1つに
「・あなたの雀風は?」
というのがある。

この質問を前に
(俺の雀風…とは…?)
と長考の沼にハマってしまう事が多い。

いわゆる「メンゼン派」「フーロ派」ということを書けばいいんだけど、なぜかしっくりこない。
といって「バランス型」なんて回答は話が広がらなくて面白くない。

俺はメンゼン派なのか、フーロ派なのか。

人類みなバランス型

考えてもしっくりこない理由は唯一つ。
誰もが自分のバランスがベターだと思いながら打っているからだ。

黒沢さんがダブ東をスルーするのも、コバゴーがポンチーするのも、自分のバランスが最良だと思っているからで、決して無理に寄せているわけではない。

そういう意味ではメンゼン派もフーロ派も存在しない。人類みなバランス型なのだ。

もう少し抽象度を下げて考えてみよう。

Mリーグ全体で言ったら、黒沢さんはメンゼン派だと言えるし、コバゴーはフーロ派だと言える。

また過去の自分と比較して鳴くようになった、鳴かないようになったというのもあるかもしれない。
黒沢さんや近藤さんだって鳴きまくっている時代があったのだ。

ある集団の中で、もしくは過去の自分と比べて、といった比較対象が存在して初めてメンゼン派・フーロ派というラベルを貼り付けられるのかもしれない。

第n次メンゼンブーム到来

そういった意味では、今の私は完全にメンゼン派だ。
天鳳という集団の中でも、過去の自分と比較してみても。

これまでにメンゼン~鳴きのループを幾度となく繰り返してきた波の1つに過ぎないが、今回のメンゼンブームにはわずかながらの手応えを持っている。

きっかけとしては、この2つの本の影響が大きい。

(レビューは前回の記事を参照)

メンゼンはシンプル?

あなたはメンゼン派にどのようなイメージを持っているだろうか。

・古くさい
・たまにしか戦えない
・ジリ貧になりがち

と、あまりいい印象を持っていない人が多いのかもしれない。

他にも「メンゼンは押し引きがシンプルになるからオススメ」というのもよくあるセリフだ。かくいう私も良く言っていた記憶があるが、これは間違いだと思ったので今回の記事を書いて訂正することにした。

メンゼンは押し引きがシンプルになるからオススメというのは、メンゼンでじっくり手を作り「高打点を作れば押し、間に合わなかったらオリ」とシンプルに押し引きができる一方で、手が短くなっている鳴きは押し引き判断がシビアになりやすく、上級者向けだ…という意味だ。

いやいやちょっと待てよ、と。
メンゼンで進めても、ちっとも押し引きがシンプルになっている感覚はないぞと。
押し引きを考える上でたくさん転がっている変数…大きいやつで言うとシャンテン数や打点といったものだ…の何かが減るわけでもない。
むしろ手牌の枚数が多い分、選択肢が増えている、とも考えられる。

たとえば、さきほど紹介したリツミサンの本にこんな問題があった。

相手リーチに2mを押すか?

1m→6m→安全牌→4m宣言牌なので、2mは本命筋の1本になる。
オリるか?オリるとしたら何を切る…?


本の正解は3s。
一旦はオリるけど、25sの2度受けを引いたときだけ勝負にいく、という構え。

このように引く選択をとるにせよ、完全に中抜きするのか、回るのか、どうやって回るのか、と押し引きには様々な選択がある。

もちろん鳴いていても同様にあらゆる選択に迫られるわけだが、メンゼンのほうが牌数と共に選択肢が多いことは明らかである。

そしてメンゼンはここらへんの押し返しをサボってはいけない。
ただでさえ手数が少ないので、数少ない押し返しチャンスをものにできないと、それこそジリ貧になってしまうからだ。

選択肢が多ければ多いほど、雀力が問われる。
場況だったり相手の仕掛けへの読みだったりに合わせて手を作っていかないといけないからだ。

鳴きは鳴きで、シビアな判断の連続だということも事実。
だからどちらが劣っている、という話ではない。

メンゼンの方がシンプルだよ、といった風潮は間違っていることを感じたのだ。

実戦譜より

少しだけ私の牌譜を見てみよう。

東1の北家、親の切った発を鳴くか

1sという雀頭がしっかりあって、発の他に役が見当たらない。
普通はポンだろう。これをポンしなくてどうやってアガるつもりなんだ?

しかし私は断腸の思いでスルーした。
これは進化ではなく退化なのか。
しかしなんでもやってみないとわからない。

スルーした要因としては、ドラが浮いていること。
そして北家であることが大きい。
鳴くにせよ南家と西家にツモらせてあげてからでもいいかな、と。

その猶予の間にチートイになったりピンズでイーペーコーができたりするかもしれない。

上出来。
結果はあまり意味ないけど3900のアガリになった。

天鳳向き

もう1つ、私がメンゼンを試している大きな理由に、メンゼン派って天鳳に向いているじゃん、ってのがある。

仮に局収支においてメンゼンでもフーロでも大差がないとするなら、放銃が罪な天鳳においてはメンゼンの強みが十二分に活きることは自明の理。
どう見たって天鳳向けの戦術なのだ。

全ての強者は試行錯誤している。
だからあなたも「私は鳴きが苦手だから…」「速度命!」ではなく、どっちも試してみるのがいい。できれば極端に振ってみるとなお良い。
経験値はやってみることでしか得られない。

今回の私はメンゼンに全振りするというかは、鳴かない場面を少し増やしてみようという、ちょっとしたチューニングをしただけのことではあるが、麻雀は自由。いろいろやってみることはとても大切なのだ。

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