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6.実母から「高いツボを売り歩いている」疑惑をかけられる

私の名前は『愛』といいます

両親が
「誰からも愛される子に」と
願いを込めて
付けてくれました

私、妹、弟の三人きょうだい

神経質で
無口で
体力も気力も乏しかった私を

両親はいつもどこか心配そうに
見守ってくれていました

見守るどころか
母は
私の大学受験の時も
会場まで同行したくらいです

今年40歳になる私を
両親は今でも『愛ちゃん』と
呼びます

3年前の冬

休日に母と二人でランチを
していた時

やはり少し心配そうに
母は私に切り出しました

「愛ちゃん、なんか、高いツボ、
売ってんの?」

実際私は
高いツボを売り歩いていませんし

安いツボなら売ってるか、というと、それもありません

当時は
歯科助手のパートに勤しんでおり

ツボを扱う販売業とは
縁もゆかりもありませんでした

なので
その質問には
「売ってないよ」と
答えました

しかししかし
なぜそんな質問をされるかは
ビシビシ心当たりはありました

その年は
これまでの半生最大
乱高下の一年

マイホームを建てて気分上昇し

35年ローンのプレッシャーで沈没

からの自己投資に目覚め
変にテンションだけ上がり

後に再び
沼に沈むことになるのですが

ツボ売り疑惑がかかったのは
この、自己投資期

隠し貯金から
48万円を使って
自己啓発セミナーなるものに
家族にも内緒で
参加していた時でした

セミナーにももちろん
ツボを売る、という内容は
一切含まれませんが

当時36歳

これまでずっと
熱くも冷たくもない
体温と同じ温度設定の
ぬるま湯に

肩までしっかり
浸かっていた私が

闇雲に
急に
要領も掴めず下手くそなまま
勢いだけで突っ走り
セミナーの課題に取り組む姿が

よほど挙動不審だったのでしょう

弟や従姉妹から
「様子がおかしい」とタレコミがあり

母は心配極まり

その日、単刀直入に私に質問し
確かめた
という経緯です

そんな質問をされても
私は己の言動を省みるどころか

変な万能感
歪んだ選民意識
ずれたプライドに包まれていました

今だからこそ「イタい」のは分かるわけで

当時それが分かっていれば
苦労しません

この数日後
きちんと本当に痛い目に遭い

そこからの半年間
きっちりやっとこさ
自分と向き合うことになりました

頭でっかちの私は
その時は
消化出来なかったけれど

この時期にお腹に入ったものは
いまだに分解され
身に付き続けています

結論

自己投資ほどリターンの大きい
投資はない、というのは間違いありません

「いざ離婚した時に困らないように」と
ずーっと守ってきた大切なへそくり

全て自己投資に突っ込んで
良かった

・・・というのも今だからこそ
言えること

気付けば貯金が
本当に本当のゼロ円に至った
当時の私は
お約束通りのパニックに陥り

セミナーを中退するという

ネタの自給自足のような
選択をし

自己嫌悪沼期に突入します


次回
 〜覇気を放つ彼とオーラをまとう彼女〜

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